【書評】わが投資術 市場は誰に微笑むか 清原達郎(講談社) | FP754のCFP試験&1級FP試験独学合格対策ブログ

【書評】わが投資術 市場は誰に微笑むか 清原達郎(講談社)

皆さん、おはようございます。

FP754です。

このブログのメインテーマでありますCFP試験。 

次回の2024年度第1回試験に向けて、新たにCFP試験対策をスタートしています。

本日は企画ものです。

今回は久々の書評で、発売前からベストセラーとなっていた投資本をご紹介します。

 


【書評

【わが投資術 市場は誰に微笑むか】

 

[本の表紙] (Amazonリンクあり)

 

 

[目次] (現代ビジネスより)

https://gendai.media/articles/-/124667

 

 

【前置き】

 

2024年に入り、日本の株式市場は新NISAスタートや外国人投資家主導で空前の盛り上がりとなっており、日経平均株価は年初から約8,000円もの上昇となり、2024年2月20日、ついに1989年バブル末期の大納会時につけた史上最高値3万8.915円を約34年ぶりに突破し、更に3月4日には初の4万円台乗せを達成しました。

 

そのようなさなかの3月1日、かつて2005年最後に公表された長者番付で1位を獲得し、一役有名になったヘッジファンドの運用部長だったサラリーマン投資家の清原達郎氏の本が発売されました。

 

あの清原氏初の著書ということで、発売前から大きく話題にのぼり、重版となるベストセラーとなっていました。

 

ところで、2005年といえば、みずほ証券のジェイコム株誤発注事件で同じく有名となった伝説の個人投資家B.N.Fさんとともに、私も清原氏の名前はしっかり覚えていました。

 

その清原氏の本については、発売前からネットニュースで、本の内容が一部開示されており(当記事に参考リンク掲載)、それら記事を読んで、俄然、清原氏の本を読んでみたくなりました。

 

私は昔こそ本をよく買っていましたが、ここ数年はよほどのことがない限り、ネットオークションやフリマアプリに出品されている中古本を購入するか、図書館の利用あるいは大型書店での立ち読みで済ますことがほとんどでした。

 

特に、新著に限っては、どうしても手元に置いておき何度も読み返したくなる投資本以外は、まず発売日に購入することはありませんでした。

 

ちなみに、最後に購入したのは、2017年に発売されたあの村上ファンドの村上世彰氏の”生涯投資家”という本でしたが、それ以来となるビビビーと来ましたので、数年ぶりに発売日に購入しました。

 

そして、早速、翌日から仕事の合間を縫って読み始め、3日ほどで全て読み終えました。

 

 

【本を読んだ感想】


まず、最初に手に取った感想は、思ったよりぶ厚い…でした。

 

そして、通常、投資関連などのビジネス本は、縦書きで右から左へ読んでいく構成になっているものが多いのが、この本は、参考書などそうですが、横書きで左から右へ読んでいく構成になっていたので、ちょっと意外でした。

 

内容的には、後継者がいないので全てぶちまけてしまえの発言にあるとおり、これまで培ったノウハウを惜しみなく披露された期待通りの素晴らしい本でした。

 

少し難しい箇所もありましたが、個人投資家でも十分参考にできる株式投資に関する有益な情報が満載です。


個人的に特に印象に残っている内容として、目次から抜粋して、3つほど挙げてみます。

 

まずは、第4章の25年間の軌跡-運用スタイルの変遷、ファンドパフォーマンス。

 

[ファンドのパフォーマンス] (東洋経済オンラインより)

https://toyokeizai.net/articles/photo/738431?pn=2&utm_source=yahoo&utm_medium=http&utm_campaign=link_back&utm_content=inarticle

 

上記の図を見れば、2005年に長者番付に載った後も、ファンドは決して順風満帆だったわけではなく、紆余曲折を経た上で、最終的に93倍もの驚異的なパファーマンス、個人資産800億円を達成されているのがわかります。

 

特に2008年リーマンショックでは破綻寸前まで追い込まれたものの、2000年ITバブル、2020年コロナショックとともに、それぞれの暴落後V字回復させていることが共通しており、目に留まります。

 

つまり、株式投資において最も儲かる方法の1つは、暴落時にめいいっぱい仕込んで、後は利確したい誘惑に負けず、ポジションを数年単位でキープし続けることであり、自分の経験からも全く同感でした。

 

次に、第1章の効率的市場仮説。

 

自分が以前からなんとなく思っていたマクロとミクロの投資対象についての考えを述べられていて、やっぱりそうか~と妙に納得してしまいました。

 

そして、第3章の割安小型成長株と第7章の実践のハイライト。

 

個人投資家が株式投資を実践する際に、資金100万円の割安小型成長株投資の運用期間、トレンドフォロワーとコントラリアンの特徴、そしてショート・ベアトレードの取り扱いについての考えを述べられていますが、ヘッジファンドでもホームランを狙うためには意外にも運用期間が数年単位と長いことや損失への心構え、そしてプロでもショートは難しいのだな~ということがわかりました。


最後に、本の中では実際会った著名経営者の話も出てきますが、牛丼のすき家でお馴染みのゼンショーホールディングの社長の話は特に面白かったです。


【最後にひとこと】

時間も忘れてあっという間に読み終えました。

おそらく伝説の100億円サラリーマン投資家清原氏の最初で最後の著書になるのではないかな~と思います。

 

自分は、いつも本を読む時、後で見返せるように気になった箇所があるページの上角に折り目をつけるのですが、全部で38箇所ほどありました。

今後も気になった時にはすぐ取り出せるように手元に置いておき、特に折り目箇所を何度も読み返したいと思います。