続・住宅ローンに不安がある人へ | 保険屋FPひろのお金の教室

続・住宅ローンに不安がある人へ

こんにちは。横浜のFPひろです。


久しぶりに重たい荷物を持って歩き回ったら筋肉痛になりました(;^_^A


さて、住宅ローンのお話の続き。


『変動金利を選んでしまったけど・・・』という話でしたね。


『金利が上がるから変動はリスクが高い』なんてわけわからんことを言う専門家が多いせいで、本質的なところそっちのけで不安になってしまう代表的なパターンです。


そもそも住宅ローンにおける『リスク』って何ですか?


返済額の上昇?それはありますね。

金利が上がったら毎月のローン返済額が上がる。ホントにそうなれば恐いですね。

でも、仮に金利が上昇したとして、即返済額が変わるなんて事はありませんのでご心配なく。

変動金利を選択した場合、金利の見直しは半年ごとですが、ほとんどのローンは5年間は支払額が変わりません。

仮に金利が上がっても返済額は現在の1.25倍が上限で、それ以上返済額が増えることはありません。

その次の返済額の見直しはまた5年後ですが、また上がったとしてもそのときの1.25倍まで。その次もそうです。つまり返済額は『把握できるもの』ですね。わかっているものは恐くないでしょ?

恐いのは支払いが出来なくなるのではないか?という『状況』に対してであって金額ではありませんね。

明日いきなり状況が変わると言うものではないので、対応を考え、実行する時間は十分にあります。


次には『未払い金利が発生するじゃないですか』と仰る。


はい。可能性はゼロではありません。でも発生しない可能性だってありますよ。


では反対に固定金利はリスクは無いんですか?


返済額の上昇を避ける為に、金利の影響を受けやすい借入当初に高い金利を選択するのも十分にリスクだと思いますよ。


結局は『将来の返済額の上昇を許容する代わりに借入当初の利息負担を少なくする』のと『将来の返済額の上昇を回避する代わりに借入当初の利息負担を多くする』という違いですから、どちらを選ぶのか?というだけです。



何度も言いますが、住宅ローンで意識しなければならないのは『利息』です。


利息は『借入残高×金利』です。


さて、ここでひとつ例を出します。


3500万円の住宅ローンを35年で支払う場合。


変動金利は現在店頭金利2.475%で、全期間優遇が1.4%だと当初の金利は1.075%ですね。

ボーナスなしで計算すると・・・


毎月の返済額100,028円となり、内訳は元本68,674円、利息31,354円です。


フラット35で全期間固定2.875%だと・・・


毎月の返済額132,268円となり、内訳は元本48,414円、利息83,854円です。
固定金利を選んだ場合、毎月の支払いは3万円も多いのに、元金の返済は2万円少なくなります。


1年後で比較してみましょうか。


変動の場合1年で1,200,336円の支払い。内訳は元本828159円、利息372177円。

固定の場合は1,587,216円の支払い。内訳は元本588681円、利息998,533円です。


固定金利を選択した場合、38万円も多く支払うのに元本の返済は約24万円少なく、逆に利息は約60万円も多く払うんですよ。


単純にコレだけを捉えて、どちらが得だとか損だとか言うつもりはありませんが、どう思いますか?


ちなみに固定金利にしたメリットが出るのは、変動金利が4.275%以上にならなければならないんですよね。


さて、変動金利はいつになったら4.275%以上になりますか?


わかりませんよね。


金利が上昇するにしても、今の金利からいきなり4%以上まで上がるかどうか・・・

まぁ可能性の問題ですけど。


金利が決まる仕組みは以前にも記事にしましたのでご確認ください。


金利が上昇する。特に今から2%も上がるという事は世の中の景気もだいぶ変化しているはずですが、どうでしょう?来年一気に景気が回復している世の中を想像できますか?


出来るのであれば固定金利を選択したほうが良いでしょう。



そうは言っても、いきなりそんなに景気は良くならないよな~なんて思う方。

景気回復しないのであれば、金利が上がる心配をする必要はありませんよね。

であれば、変動金利に必要以上のリスクを感じることはありませんね。

メリットとデメリット、そしてリスクは固定・変動のどちらにもあるものです。

その中のひとつだけ捉えてイタズラに恐がる必要はありません。

住宅ローンというものは、元金が少なくなればなるほど金利の影響を受けにくくなります。

今回はここを覚えていてください。



長くなったので続きは次回に。