週末、サントリー美術館で開催している「「不滅のシンボル 鳳凰と獅子」展(6月8日~7月24日)にいってきた。
$自由人のアーリーリタイアメント生活

この展覧会は、サントリー美術館の開館50周年記念で行われているもので、「美を結ぶ。美をひらく。」と副題がつけられている。

鳳凰と獅子は日本の宗教・儀礼や民族・芸能に広く取り込まれ、それぞれ祝儀にふさわしい高貴なシンボルとしてあつかわれている空想上の動物である。

今回の展覧会では、国宝の醍醐寺蔵の「文殊渡海図」が目玉作品であるが、それ以外にも同じく国宝に指定されている「金銅獅子唐草文鉢」(護国之寺蔵)や「唐獅子図屏風」(三の丸尚蔵館蔵)など普段なかなか見れない作品も展示されている。

特に「金銅獅子唐草文鉢」は、護国之寺では年2回1月と8月の18日しか公開されないものである。
この鉢は、東大寺の大仏建立に功績を残したことから、開眼供養の際に時の天皇から賜ったと伝えられているもので、器の表面をと金し、獅子や飛雲、唐草文を毛彫した奈良時代のすぐれた彫金技術を物語る鉢である。

また「唐獅子図屏風」は数年前京都国立博物館で開催された「狩野永徳」展で見たことがあり、再度じっくりとみたいと思っていたものだ(「狩野永徳」展はすごい入場者数であった)。この絵は狩野永徳が安土桃山時代(1580年代)に製作したもので、毛利家が所有し明治期に入り明治天皇に献上され今日にいたっているものである。その絵は我々が桃山絵画全体のイメージを創り出しているといっても過言でもないもので、縦2メーター×横4.5メーターを超える巨大なもので艶やかな金雲・金地で彩られた岩間を巨大な二頭の唐獅子が闊歩するさまは超弩級の迫力を備えたものである。これが三の丸尚蔵館蔵でなければ、間違いなく国宝に指定されているであろう。

$自由人のアーリーリタイアメント生活

残念ながら「文殊渡海図」は7月4日までの展示であった為鑑賞することはできなかったが、上記2点を鑑賞するだけでも訪問する価値のある展覧会であると思う。