前回(6/24)のエントリーで、保障が必要なら、終身保険を解約し定期共済あるいは保険+貯金(投資)で充分だと記載した。

またこの考えは特殊なものでなく、米国において「Buy The Term (Insurance) and Invest The Difference」といわれてきたことを記載した。詳しい説明は省略するが、興味のある方はWikipedia終身保険(Cash Value Life Insurance)と定期保険+投資(Buy Term and Invest the Difference)差異計算のHP 等を参照してほしい。

米国においてもコスト開示や利回り開示がなされるようになって始めてこうした議論がされるようになったわけで、そうした意味では日本で始めてコストをオープンにした、ライフネット生命の活動には期待している。出口社長はもと日本生命の財務企画出身なわけであるからこうした米国の事は充分にご存知であろう。

今回は医療保険について記載したいと思う。
私は「医療保険」については、全面的に否定するものではない。
ただし日本の医療保険には加入する必要性は全く感じていない。
矛盾しているのではないかと思われるかもしれないが、加入すべき医療保険とは、加入者が望めば世界中のどの病院のどのような治療でも無料で受けることのできるそのような保険だ。残念ながらそのような医療保険は日本の保険会社は提供していない。

日本の医療保険会社が提供するような月額1万円程度なものには、保険のコストを考えれば全くといって意味がないと考えている。
日本の医療保険はそうした月額いくらといったものはカバーするが、本来保障しなければいけない高額な-例えば海外でしか治療ができないような移植及びガン治療-について全くカバーされていない。誤解がされている人が多いと思うが、日本の保険会社の「高度先進保障」においてもこうしたものは全くカバーされていない。

機会があれば詳しく記載したいと思うが、日本の医療保険は同じく日本の健康保険制度と密接にリンクしているのがその原因である。誤解を恐れずにいうと、日本人の医者の治療レベルは世界的に見ても高いかもしれないが、日本の病院の治療レベルは高くないということだ。つまり同じ医者が治療しても、日本の保険制度の下においては日本の病院では完治できないが、海外の病院では完治できることが多々あるのだ。

その反面、日本の医療制度には高額療養費制度があり、健康保険制度で認められた医療を受けるのであれば、多額の医療費は不要である。

つまり日本の健康保険制度にとどまるのであれば、高額の医療費は不要であるのに、こうした不要なものに対してカバーし、一方日本の健康保険制度の枠外で高度かつ高額な医療費が必要な治療をカバーしていないのが日本の医療保険なのだ。

保険として必要なのは逆であることがお分かりであろう。