離婚時の財産分与防御方法3選「へそくり」編

※はじめに本ブログの情報は、2024年7月末時点のものですので、ご注意ください。

 

 

 

 

離婚協議中の貴方は、

1 少ないお小遣いの中でやりくりした「へそくり」まで取られたくない

2 財産分与で「へそくり」すら相手に渡したくない

3 そもそも財産分与って何?

4 「へそくり」って離婚時に財産分与の対象になるの?

 

という相談したいけど誰にでも相談できるわけじゃないお悩み、お持ちではないですか?

それ、本ブログで解決できます!

 

本ブログは、

1 財産分与制度概要 

2 財産分与の対象外(特有財産など)

3 FPからの「へそくり」防御法

4 おまけ 私の経験談

 

 

という4部構成で説明していきます。

先ず、基本の財産分与制度について概要をご説明します。次に財産分与の対象外の存在を学習していただきます。そして、そのうえでFPが提示する防御方法を示し、最後に私の経験談をお伝えしたいと思います。

これにより、離婚協議中で財産分与に関しお悩みの貴方が「へそくり」をはじめ財産分与の知識等を知ることにより、心に余裕が生まれ、今後の厳しい離婚協議に改めて臨むことができます。

 

では早速説明に入ります。

 

1 財産分与制度概要

 

 

 

 

財産分与とは、夫婦が婚姻中に協力して取得した財産を、離婚する際又は離婚後に分けることをいいます。離婚後、財産分与について当事者間の話合いがまとまらない場合や話合いができない場合には、離婚の時から2年以内に家庭裁判所に調停又は審判の申立てをして、財産分与を求めることができます。

基本的に夫婦で築いた財産(借入を含む)を半分に分けます。

家、車、株などの金融資産、貯蓄性の高い保険、普通・定期に関わらず預貯金も当然その対象です。

 

(財産分与には4つの性質があります)

1 清算的財産分与(婚姻中の共有財産、実質的共有財産の清算)

→婚姻中の共有財産、実質的共有財産の清算

2 扶養的財産分与(離婚後の弱者に対する扶養)

→経済的に弱い立場にある配偶者が、自立をするまでの援助として支給されるもの

3 慰謝料的財産分与(離婚による慰謝料)

→財産分与に離婚による慰謝料を含めることができるため 

4 過去の婚姻費用の清算(別居後の未精算分)

→実質破綻後から離婚確定までの婚姻費用を請求するもの 

 

これらを考慮して金額が決定されます。

 

 

2 財産分与の対象外 例 特有財産

 

 

 

 

実は財産分与の対象とはならない財産があり、【特有財産】と呼ばれます。

結婚中の夫婦の協力によって形成された財産が財産分与の対象ですが、逆に言えば、結婚前に取得していた財産や結婚後であっても第三者(親など)から無償で取得(相続・贈与)した財産は、財産分与の対象とはなりません。

〈主な例〉独身時代に取得した預貯金、相続により取得した財産、第3者からの贈与で取得した財産

 

 

では「へそくり」はどうなのか?

へそくりとは、「家計とは別に自分のために内緒で貯蓄するお金」だと思います。

残念ながら相手に「へそくり」の存在が知られた場合、離婚時に「へそくり」も財産分与の対象となります。

基本的に、婚姻中に貯めたお金は夫婦の共有財産とみなされるため、離婚時にはその財産を分ける必要があるためです。

よって、生活費を節約して貯めた「へそくり」や、内職やパートで得た収入を貯めた「へそくり」は、残念ながら夫婦の共有財産として扱われます。

 

 

参考までに財産分与でよくご質問頂く内容を2つ記します。

 

〇結婚前の定期預金

財産分与の対象は、夫婦で協働して築いた財産です。

逆にいえば、独身時代の預貯金は夫婦で協働して得たものではありませんので、財産分与の対象から除外されるのが原則です。

結婚前に築いた財産であることが証せれば、対象から外れます。

 

〇立て替えたお金

夫婦は経済面でもたすけ合う義務があります。婚姻生活を維持するために必要となる費用は、夫婦双方の収入などに応じて分担しなければなりません。そして、婚姻生活のために借りた借金があれば、それは夫婦で返済する義務があります。例:一時的に生活資金が不足したことで借りたお金、夫婦で使用する自動車購入のオートローン、住宅購入の住宅ローン。ただし、夫婦の一方が個人的な目的(遊興、趣味など)でこさえた借金については、借金を作った本人だけに返済義務があります。なお、結婚前にあった借金は、明らかに一方側だけに関係するものであり、他方は返済不要です。

 

 

 

 

 

3 FPからの「へそくり」防御方法

 

 

 

 

考え得る防御法を3種お伝えします。

 

1 こちらから敢えて触れず、触れないまま離婚する

=隠すのはダメだが、こちらからあえて正直に言う必要はありません。

そもそも「へそくり」は相手が気づいていないから「へそくり」です。

 

2 離婚前に「へそくり」に関して話をつける

「へそくり」の存在がばれている場合、事前に話をして、協定等を結ぶと有効です。例えば、『少ないお小遣いの中でやりくりしたお互いのへそくりは、〇万円超の部分を財産分与の対象とする。』として、話をつけておく。なお、調停同様、お互いがその内容で合意したら、明らかに信義則や法律違反でない限り、認められます。

 

3 財産分与の減額交渉の余地を利用する

例えば、貴方の離婚原因が相手の一方的な理由(不貞など)によるものであれば、財産分与の減額交渉の余地があります。そこでそれを利用し、「へそくり」は対象外とする!旨の主張も可能です。

 

 

 

 

「終わりに ~私の経験からおまけ~」

 

 

私の経験上、あなたが「へそくり」を持っているなら相手も持っていると考えた方が良いでしょう。金額にもよるが、お互い知らぬふりも良い作戦の一つです。私の場合、お互い敢えて触れぬまま離婚いたしました。なお、お互い触れぬまま月日が経過すれば、時効により請求ができなくなります。

 

最後に私からは、せめてお金で揉めない離婚となることをお祈りする次第です。

 

 

 

いかがでしたか?

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

お力になれれば、幸いです。

また良ければ、次回お会いしましょう。

 

なお、今回も「離婚マネーアドバイザーFP.Daiki」のX(旧Twitter)(リンク有)の補足です。

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【執筆者】離婚マネーアドバイザーFP.Daiki

・AFP

・社会保険労務士有資格者

・年金アドバイザー2級

・離婚カウンセラー

産後クライシスを乗り切れず、離婚。離婚を機に「同じ苦しみを味わう人を救いたい」という思いで再起。

現在は、家計診断・勉強会・個別サポートでお客様の離婚×お金の問題を二人三脚で解決しています。