【考察】離婚後膨らむ教育費対策

※はじめに本ブログの情報は、2024年4月末時点のものですので、ご注意ください。

 

 

子連れ離婚を実践中の皆様へ

 

 

「子育て費用が増え、養育費変更できないかしら」

「離婚時に養育費をいい加減に決めてしまい、後悔中。何とかならないものかしら,,,,」

「(離婚後)子供への教育費どう工面しよう,,,,」

「養育費の増額をお願いしたけど、応じてもらえそうにない」

 

そんな簡単に人に聞けないお悩みをお持ちでないですか?

 

 

そのお悩みを本ブログで離婚マネーアドバイザーFP.Daikiが解決します。

今回は、離婚後膨らむ教育費対策として養育費の金額変更をはじめ色々な手段を考察いたします。

 

 

5つのお金の工面方法

 

 

 

 

お金の工面ですが、方法として5種考えられます。

1 収入を増やす 

2 支出を減らす 

3 資産を換価 

4 もらう

5 借りる

 

今回FPからは、4番目の「もらう」にフォーカスし、『養育費の変更』をメインに情報提供させて頂き、貴方のお悩みを減らしたいと思います。

 

まずは簡単に方法1から3について触れます。

方法1 収入を増やす

 これが一番効果的な対策方法になります。

 具体には、転職・Wワーク、資格取得、昇進、副業が考えられます。

 おそらく私の経験上も、元配偶者とは、交渉しづらい状況でしょうから、ここから取り組むべきでしょう。

 

方法2 支出を減らす

 これが誰でも今すぐできる対策方法です。

単純に無駄遣いを失くす。即効性のある対策方法です。

ただし、ひとり親家庭の場合、既に実践されているご家庭がほとんどでしょう。

一応、具体策として

具体には、格安SIMで通信費の節約、保険の見直し、キャッシュレス決済の活用、外食やレジャーを控えるなどが挙げられます。

 

方法3 資産を換価(売却)

 背に腹はかえられません。貴方のお持ちの資産(ブランド品、高級時計、貴金属、車など)を売却し、一時的にお金を得る方法もあります。

 

そして、次にメインの方法4 もらう をご説明します。

 

 

方法4 もらう【養育費の変更】

 

 

本ブログをご覧の方は、おそらく『養育費』を取り決めされていることがほとんどでしょう。

『養育費の金額を増やしてもらう』これがもらうの一手段になります。

実は、養育費は、離婚した後でも取り決めることができ、また、子供は成長するにつれ、自然とお金がかかってきますので、養育費の変更は当然のことです。よって、父母の事情が変わればその都度変更すべきです。元配偶者と話をし、簡単に変更(増額)を承諾いただければ良いですが、おそらく家庭裁判所を介し、調停という方法で決めていくこととなるでしょう。

 

【認められやすい事例】

・子の進学(大学や私学校)

・失業、転職による収入減少

・再婚による扶養親族の増加

・病気、負傷

・親の介護

・収入の増加

 

【変更方法】

 養育費の金額は、当事者同士で話し合って決めます。なお、話し合いがうまくいかない場合は、一般的に家庭裁判所の家事調停手続きを利用し、額を決定していきます。

 

(参考:調停で要する費用)

調停を自分で行うならば、『収入印紙1,200円分(子ども1人につき)と連絡用の郵便切手1,007円分(140円×1枚、84円×8枚、20円×5枚、10円×8枚、2円×5枚、1円×5枚)が必要』。他には、毎回家庭裁判所へ行く交通費がかかります。

 

【最終的に】

 合意に至らず、調停が不成立になった場合には自動的に審判手続きが開始され、裁判官が一切の事情を考慮して審判。これに不服ならば、裁判となります。裁判となれば、手間と時間・裁判所での答弁など総合的に考えると弁護士に依頼した方が無難です。

 

 

 

【変更に向けて私からの助言】

正当な変更理由が必要

相手の同意が必要

調停時点で100点の結果は無く、養育費算定表を超えることは非常に困難

増額要求しても、結果的に減額となるリスクもある

・双方同意に至った場合、今後も見据え、公正証書化(調停であれば調停調書で足りる)が必要

 

 

双方、「払って!払いたくない!」に力点が置かれがちですが、本質の『子供を希望の道へ進学させる為の方法を一緒に考える機会』と捉えましょう。

 

なお、もらえるかどうかもわからない中、下手に長い交渉を重ねるのは、得策とは思えません。

そこで次にFPから別の「もらう」方法をお伝えします。

 

 

方法4 もらう2 ~給付型の助成制度~

 

 

ご存じだと思いますが、子の進学に関して奨学金が頂ける場合があります。

もらえるかもらえないか不明な養育費の変更に頼る前に、こちらを是非検討致しましょう。

主なものをご紹介いたします。

 

1 日本学生支援機構奨学金貸付:日本学生支援機構(JASSO)

 

奨学金制度 「貸与型」の奨学金と「給付型」の奨学金を用意されています。

○給付型奨学金(リンク先有り)

住民税非課税世帯及びそれに準じる世帯限定

進学先の区分(国・私等)や通学可不可などにより給付額が決定される。なお、同世帯であれば授業料の減免も合わせて可能。

 

 

2 各自治体の助成 

 

有名なところでは、大阪府においては、令和6年度以降の私立高校等授業料無償化制度が創設(リンク先有り)されました。あくまで授業料に限定されますが、非常に大きな援助です。

 

 

3 就学支援金支給制度 

 

日本国内に住んでいる、公立高校と私立高校、通信高校などの生徒で、所得制限以下なら高校授業料無償化(就学支援金)の対象となり、月に1万円程度の授業料が無償となる制度(リンク先有り)

 

 

4 民間企業が実施するひとり親家庭支援奨学金制度

 

募集する奨学生の数には限りがありますが、返済不要かつ併用可で教育資金の支援を受けられる場合があります。

例1 朝日新聞の新聞奨学生(リンク先有り)

 朝刊・夕刊の配達をしながら学費の支給を受けるもの。日の労働時間や業務内容により3コースに分かれ、給付額に差が生じています。

例2 キーエンス財団(大学生の援助ですが,,,)(リンク先有り)

 小論文等による選考の上、支給されています。

 

 

5 各学校の奨学金

 

学校によっては、奨学金や減免等の制度を設けているところがあります。

一例 同志社中・高(リンク先有り) 

(四方秀和奨学金)

 経済的理由のため就学が困難な一年生1名に対し、授業料の1/2相当額を3年間給付。

(同志社中学校・高等学校特別奨学金)

 不慮の経済的理由のため就学を続行できなくなった生徒に対して学費の限度内で給付。

 

〇独立行政法人 日本学生支援機構のホームページに大学や自治体が行っている奨学金制度を抽出できるサイト(リンク先有り)があります。こちらも参考にされた方が良いでしょう。なお、その際はまず給付(支給)型を検討し、該当無ければ貸付を検討していくと良いでしょう。

他に参考:奨学金ガイド(リンク先有り) 

 

 

 

 

 

それでも養育費の変更が必要な場合(養育費の変更を勝ち取るには)

 

 

いろいろ検討したけども、やはり養育費の変更が必要となった場合、相手側に数字という事実を提示し、相手に増額を伝えましょう。その際の理論としては、次の考え方に基づき、お話しすると良いでしょう。

 

理論1 少なくとも算定表の金額を受け取らないと生活が将来破綻する事実を証する 

理論2 あくまで親権者の請求でなく、養育費は子の権利でもある

理論3 離婚して負い目のある子供にせめてお金で迷惑をかけたくないことを訴える

理論4 支払い側にあくまで「自分自身の生活と同じ水準を保障する義務(生活保持義務)があること」を諭す。

 

 

【忠告】

 ですが、支払側に『無いところから無理に支払えといっても、逆に全く支払わなくなる可能性もある』ので、強硬な態度を示さず、父母の責任として支払える額を最後は請求するようにしましょう。

 

そして、最後の手段としては、残念ながら借金をして耐え忍ぶしかありません。

 

方法5 借りる

 当然借り入れの手段があることもお忘れなく!子供にたくさんお金がかかる期間のみ(中学生~大学生)、ひとり親でなくても一時的に借り入れし、乗り切っているご家庭はたくさんあります。

 

なお、貸与については、ひとり親の場合、数多の低金利で借り入れ可能な制度がございます。

とは言え、借金に変わりないのでFPとしてはお勧めいたしません。が本当にどうしようもないときは別です。

残念ながら『子育てに待った無し』ですから,,,,

上記、〇独立行政法人 日本学生支援機構のホームページに大学や自治体が行っている奨学金制度を抽出できるサイト(リンク先有り)からもお調べ可能ですので、最後の手段として置いておきましょう。

 

 

養育費の基礎知識(ポイント)

 

 

 

最後は、補足としてまだ離婚したけども養育費の取り決めをしていない方に向け、『養育費』の基礎知識をお伝えします。

 

『養育費』とは、子どもの監護や教育のために必要な費用です。

具体的には、衣食住に必要な経費、教育費、医療費などです。

 

A 義務と権利

父母には、これらの費用について、自分自身の生活と同じ水準を保障する義務(生活保持義務)が、一方で子どもには養育費の支払いを受ける権利があります。よって、「離婚後子供には会わないので、養育費は支払わない」とすることは不適切です。

 

B 期間

支払い期間は、子どもが経済的・社会的に自立するまで(一般的には成人になる20歳まで)です。

 

 

C 平均額

令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果(リンク先有り)          

離婚した父親が支払う養育費の平均月額は50,485円、母親が支払う養育費の平均月額は26,992円。

なお、養育費の金額の目安は、家庭裁判所の「算定表」(リンク先有り)を参考に算定します。

 

 

参考となれば幸いです。

 

 

結びに

 

離婚後、子の教育費に困った場合は、次の順で対応すると良いでしょう。

1 必要額を見積もる
2 捻出可能額と不足額を見積もる
3 給付型の奨学金を探す
4 節約を実践しながら、自身の収入を増やせるよう動く
5 養育費の増額を依頼する
6 借り入れ、資産の売却を準備する

 
今回は養育費の受取側の視点で変更について記しました。

支払い側の視点でもまたいずれ記したいと思います。

なお、今回も「離婚マネーアドバイザーFP.Daiki」のX(旧Twitter)(リンク有)の補足です。

月に一度は、お金の勉強に関する情報を更新予定です。

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【執筆者】離婚マネーアドバイザーFP.Daiki

・AFP

・社会保険労務士有資格者

・年金アドバイザー2級

・離婚カウンセラー

産後クライシスを乗り切れず、離婚。離婚を機に「同じ苦しみを味わう人を救いたい」という思いで再起。

現在は、家計診断・勉強会・個別サポートでお客様の離婚×お金の問題を二人三脚で解決しています。