お金の悩みから卒業するきっかけになりたい… Re:sta
先日とある新聞社からアンケート依頼がありました。
テーマは「令和のコメ騒動?!」
Q.あなたはコメ騒動が始まってコメを食べる量は増えた?減った?
Q.あなたはコメ騒動が始まって、買いだめしましたか?
Q.あなたは備蓄米を買いましたか?
Q.あなたは5kgのコメ価格にいくらまで出せますか?
などなど…消費者目線でのアンケートが続きました。
そもそも昨年夏からの「令和のコメ騒動」に、私は違和感があります。![]()
目先の米価格の動向にとらわれ過ぎ、コメの価格が高いの安いのばかりが
話題になっていますが、それよりも大問題なのは、米を作る農家が
どんどん減っているという現実。
農村では高齢者のリタイアが続出し、耕作放棄地が太陽光発電パネル畑に変わり、
どんどん広がっています。
私がこの仕事を始めた2008年頃には、食費のヒアリング時に
「お米は田舎の親戚から送ってもらっています。」という家庭が結構ありましたが、
17年も経過すると「食費が増えたのは、田舎の田んぼを引き継ぐ人がいなくなり、
もうコメが送ってもらえなくなりました。」という話を聞くようになりました。
今や農業就業人口は、100万人余り、その8割は65歳以上。
農家は、自らが「絶滅危惧種」になりかけていることに気付き、
消費者はコメを作る人がいなくなる危機的状況なのに、新聞やテレビも、
消費者の目先の関心事である米価高騰にすり替えています。
これまで「団塊の世代」が定年が近づくと、脱サラし田舎へ帰って実家の農家を継ぎ、
農業の世界に入ることで、なんとか現状維持できていましたが、その世代も全て75歳以上。
そして、次の世代は、年金減少&長生きに備え、定年退職後、多くの人が再雇用、勤務延長など会社で継続して働くことを望まざるを得なくなり、もはや、人員補充の当てにはできません。
「令和のコメ騒動」も、物やサービスが生産され、市場を通じて流通し、消費されるという経済の仕組みや「消費者と農家」のつながりわからない、消費者が増えているからなのでは?
なぜ楽して大金が稼げるなんてうまい話、あるはずがないのに、若者が闇バイトに飛びつくのか? 仕事の苦労が巡り巡って誰かのためになり、お金も回る。
そんな経済の基本的プロセス感覚が、食の世界でも抜けてしまい、目の前のものが安いか?おいしいかの判断だけ。
ご飯は、種から苗を育て、水やりや草取り、収穫、脱穀を経て、流通経路をめぐり、
家族が炊いて食卓に載せて、やっと口に入る。かつては登下校で田んぼのそばを通ることで、
そのプロセスを見て育ちましたが、今やその風景もなくなっています。
「食と農」の人のつながりを取り戻さないと、「農民ゼロ」の時代が到来し、
安さだけを求める日本の消費者マインドを変えなくては、
お金を出しても買えない時代がやってくるかもしれません。
ライバルは近所の誰かではなく、インバウンドで日本米の美味しさを
知った世界中の誰かになるのですから…![]()
先日訪問した「エジプト」では、値札が付いている店は少なく、
「人をみて、店主が値段を決める」商売が基本スタイル。
ちょっと手にしたお皿を「これいいでしょ?175$(当時のレート約26,250円)」と言われ
「そんなお金持ってない」と興味なくすと「いくらなら買う? 100$? 80$?」と
どんどん値が下がり、最後は「10$でいいよ」と言われました。最初の値段の1/10以下![]()
(買わなかったけど
)
価格とは需要と供給で決まる経済の原理原則を体感できました。![]()
右肩上がり
の人生をご一緒に… Re:sta
