今から5年前の3月のある日の朝。
私の携帯電話がけたたましく鳴り響く。
画面には知らない番号。
電話に出てみると…。
「センセー、私です、受かりましたぁ!!!!!」
と言う叫び声。

そう。
今から6年ほど前、
講師修行と子どもとの接し方を学ぶために。
塾の講師をしていた。

当時、教えていた女の子が
第一志望の高等学校に合格した、
と合格発表の場から電話してきたのだ。

第一志望と言っても…この女の子の場合、
「まずムリ」と周りの大人たちから言われていたのだ。

そりゃ、言われてもムリも無いだろう。
試験の2か月前の模試では
英語が十数点、数学が一桁(…いずれも100点満点で)。


試験の3週間前、この女の子が
「センセ、私、受かるかなぁ?」と尋ねてくるので
「過去問を、一日1科目、5日で5科目、
1週間で1年分、3週間で3年分、死んだ気でやってごらん」
とアドバイスした…が、言ってしまって後悔した。

私も「諦めた方が良いんじゃないか」と言うべきだったかな?
と、3週間ずっと悩んでいた。

それが、合格したのだ…しかも第一志望。
周りの大人たちが、かなり衝撃だったらしい。
いや、それ以上に本人も大いに驚いていた。


あれから5年後…。
その女の子も、今日が成人式。
「おめでとう」とメールすると、
「お酒が解禁です」との返信。

この5年間、
メールと電話の遣り取りだけ。

今年は会ってみようと思う…女性になった教え子に。


ちなみに、…この文の冒頭で、女の子から私に電話を寄越しているが、
私は女の子に電話番号を教えていない…どこで知ったのかは、未だにナゾ。


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