他のファイナンシャルプランナーのブログを拝見していると、

保険会社や証券会社(=以下、総称して販社)のスタンスを

「売らんが為」として、格好の批難の的にしています。

まぁ、批難ならFPでなくても出来るし、

販社が巨大企業であればあるほど、「批難のし甲斐」もあるわけで…。


さて、では、私は敢えて販社の立場で書くことにします。


「金融商品取引法」が平成19年9月30日に施行されました。

施行から未だ3年経っていませんが、すでに幾多の法改正や

政令が出されています。

ただ、変わらないのが「投資家保護」と言うスタンス。

そして、この「投資家保護」をより具現化したのが

「適合性の原則」…販社をとことん悩ませるのが「適合性の原則」。


ここで、適合性の原則の具体例を見てみましょう。

たくさんのお客様との面談を重ねていると、

様々なお客様に巡り会います。

中には…「『元本割れ』とは、どういうことなのか分からない」とおっしゃる方も。


「元本確保」や「元本保証」の違いが判らいとしても、

「元本割れ」くらいは誰もが判りそうなものですが…それがそうでもない。

そこで、

元本割れについて以下のように解説するのですが…、

「100万円を元本として投資信託にご投資頂き、

(投資信託の)運用が上手く行けば120万円になることもありますが、

(投資信託の)運用が上手く行かなければ50万円にも、

理論上、元本がゼロになってしまう可能性だってあるんです」

とご説明申し上げても、ご理解頂けない方もいらっしゃいます。


↑の説明をご理解頂けない場合は、「適合性ゼロ」と判断して、

もう、投資信託等のリスク性商品の話をしない……。


いや、

むしろ、↑の説明で、ようやくご理解頂ける…方も

「適合性ゼロ」とは言わないが、かなり「適合性が低い」と判断せざるを得ない。


ご本人のご意向を十分確認し(投資のやる気の有無)、安定した収入があることを確認した上で、

せいぜい「外貨M○F」をせいぜい「数千円から始めてみましょう」…。

あるいは、年齢が若ければ(48歳以下)、

「積み立て投信にしてみますか?」と言う提案をしてみたり。


世の中、投資ブーム。

「資産運用は必須科目」&「投資をしないのは時代遅れ」と言う風潮の中で、

「運用のやる気はあるが、適合性ゼロ」のお客様に対し、

如何にして「自尊心を損ねずに、お断りするか」

販社の担当者を悩ませている…と思います。


金融商品取引法に定める投資家保護。

時として、投資家過保護と言う印象すら、私は受けることがあります。


健全な投資家を育成できるような時代は来るのでしょうか?