今日は、
亡くなった父親に遺言がなく、
長男が、高齢で病気がちな母親の面倒を見るから、他の相続人よりも多く財産を自分に相続させろと主張する場合の お話をします。
一見、よくある話と思いますが、
実は、
親の面倒を見るということ と 亡くなった親の相続とは、全く別のことになります。
遺産の相続は、相続人間で合理的な分割をして、それとは別に、親の面倒を見ることの問題を考えるという形が望ましいと思います。
子供が親の面倒を見るというのは、子供全員の扶養の義務になります。
実際には、誰が親の面倒を見て、誰が金銭的な負担をするのかを決めることになります。
もちろん、面倒を見る人と金銭的負担を、子供達が少しずつ分担して行うということもあります。
親の面倒を見るということは、自宅であれば、かなりの身体的、精神的負担がありますので、他の兄弟姉妹が長男に面倒を押し付けて、その分の財産を与えればいいやと思うのは、よくあることです。
当面は、それで長男も他の兄弟姉妹も納得するかもしれませんが、
その後、親の面倒がつらく、施設に入居させるということになると、そのお金の負担はどうするのかという、別の問題が発生してきます。
また、親の面倒を見るからと言っていた長男が、親を虐待したり面倒をきちんと見ないということがあるかもしれません。
よって、親の面倒を見るから財産を多く分けても、後になって問題が起こる危険性があります。