コンサルタントフィーの支払い督促を無視し続けた顧客に対して、
提訴していました。先日の被告からの和解申し入れを受け入れて、
和解決着となりました。
これまで、被告側の主張は「答弁書」、「準備書類」という表題で文面にて寄せられてきました。
一貫して、「契約更新という事実はなかった」
「だから、原告が主張する更新後のコンサルタントフィーの請求は
根拠がない」というものでした。
契約書の更新条項は、「協議の上、更新できる」とあり、「自動更新」の4文字がありません。
この4文字があれば、今回の論点、「更新」についてもめる必要もなく、従って原告側に、
更新についての立証責任はなかったといえます。
更新については、口頭で確認しただけだったので、被告側は「更新しないと言った、だけど原告がそれを無視しただけだ」の主張を繰り返してきました。
私は、更新後のコンサルの内容を時系列で整理し、「準備書類」にしたためました。
つまり、「裏づけ証拠」としてコンサルの事実を主張し、二回目の更新時期には双方合意の上、
「契約の非更新確認書」を交わしたことを付け加えました。
以上の「準備書類」での文面でのやり取りの後、今回初めて法定対決ということで、
前夜から興奮していました。
「被告側の弁護士はどんなタイプかな?
「これまで、よくこんなことを嘘で固めて、こちらを侮辱するようなことを
言うな。
「もし、裁判官が被告側の主張を認めようものなら、これまでの自分のして来たことはなんだったんだろう。
「知人は、弁護士に頼んだほうがいいよ。弁護士と対決しても勝ち目はないぞ、とアドバイスしてくれましたが、
こちらは、なんらやましいところはない、正義が必ず勝つ、との信念を
貫きたいが、そんな考えは甘いのかな。
当日、10時30分開始予定で、10分前に裁判所の駐車場に到着。
30分前には到着するつもりで自宅を出発しましたが、途中異常な渋滞で一時ヒヤヒヤしました。
到着後、手持ち書類を確認、深呼吸して、
「ふんぬー」を3度連発。
気合十分で入廷。
入り口で、出席カードの原告側に署名。
なんと、被告側の弁護士が記入場所を間違えて、原告側に記入したの
を二重線で訂正してありました。
目をやると、付き合いのあった被告(中小企業の社長)の横に座ってい
るのが被告側の弁護士らしい。
印象は、田舎のオヤジ。署名場所を間違えた事実と重ね合わせて、
第一印象は「頼りない弁護士」で、
こちらとしては、切れる弁護士でなさそうなので、対決が楽しみだ、・・・の気持ちになれました。
さて、開廷。
いよいよ、更新されたか、という論点での戦いの始まり・・・・・
な、な、なんと、
被告側から、「更新されたことを認める。ついては、早期解決のために
和解を申し入れる」との表明がありました。
「何でだろう。あれだけ、嘘八百を並べて主張していたのに・・・」
「初めて、相対で双方言い分を主張する。その主張の論理展開で、
素人が弁護士と戦って、どんな具合に展開するだろうな。
楽しみにしていたのに。」
裁判官に和解のことで調停委員を交えて話し合うかどうか尋ねられま
した。調停というのがどんなものなのか興味があったので、
当初は和解条件を聞くだけにして、あくまで判決に委ねるつもりで
調停委員と話し合うことに同意しました。
法廷をいったん退室して、調停用の部屋に案内されました。
丸テーブルに、調停委員3名、原告、被告及び弁護士が席につきまし
た。先ず、被告側が和解の条件を主張。
続いて、被告側を退席してもらって調停委員と原告だけの話し合いに
なりました。
被告側はこれまでの主張の嘘を認めた上での和解申し入れだから、
原告の主張通りの額面で支払うもの、と思って調停委員の説得を聞き
ました。いろいろな調停の例を話されました。
例えば、300万円貸した原告が、150万円の即金払いで和解したと
か、和解が決裂すると、この後の裁判が長引いて、仕事に影響が出る
よ、とか、なんだか無理やりにでも和解で決着させたい、そんな態度を
見て取れました。
「3人がかりで和解へ持っていけないと、後で3人の調停委員の立場
が悪くなるのかな?」
一時間近くの話し合いが続きました。途中で、担当書記官からの内線
電話が入り、調停委員も早く終わらせたいとの気持ちを訴えてきまし
た。
そんな時、
「判決で決着するということは、それなりの社会評価ということ。
和解を受け入れるほうが、大人の解決ではないのか。」と言われたこと
で、私の感情が一変してしまいました。
原告としての和解条件を調停委員に伝え、それが裁判官に伝えられ、
裁判官と被告の話し合いが持たれ、
最後に原告が呼ばれ、被告と一緒に和解条件についての説明を聞
き、原告、被告双方が和解条件を承諾することで閉廷となりました。
裁判所を去る直前に、廊下で調停委員から「ありがとう」と肩をポンと
たたかれ、振り向くと、にっこり笑って、また「ありがとう」と言われまし
た。
「きっと、調停委員の方たちは、いろいろな騒動で原告、被告の主張を
聞いて、和解の調停という仕事でうまく行かないときもあって苦労され
ているんだろうな。」
法律の勉強をしていて、たまたま法律の手段でしか解決できない状況
になり、本人訴訟という弁護士を通さないで自分ですべてやりぬくこと
にしました。
途中で、30分¥5,250の弁護士相談を受けましたが、
基本的には、最初の訴状を提出するのも、裁判所の書記官に教えても
らうところからスタートし、準備書類や書証(書類上の証拠)の書き方な
どは、被告側の書類を参考にし、論点の整理は、これまでの人生経験
からまとめました。
一回だけの感想ですが、今回の被告側の論証が矛盾だらけで、
当初はそんな嘘でも裁判で通ってしまったら辛いな、と弱気になったこ
ともありましたが、相手の論証をじっくり何度も読み返して、その論証
の矛盾点を準備書類にまとめることができたので、最後まで一人で
弁護士と戦い抜けたと感じております。公判中も、調停中も、被告は
一言も話しませんでした。きっと、これまでの主張が嘘で矛盾だらけな
ので、弁護士から口を一切出すな、と言われていたに違いありませ
ん。
ファイナンシャル・プランナーとして威信を賭けた戦いに無事勝利でき、
今後のビジネス展開の自信につながる事件でした。