5ヶ月ぶりのアップとなりますが、去年の9月6日に発生した、エアーニッポン(NH)140便:B737-700型機によるインシデント(異常運航)考察の第三弾となります。
※画像はYou Tubeより。
※今回のテーマはインシデントの当事者を批判するものではありません。インシデントの考察を通して、航空安全への理解と意識を高めようとするのが目的です。
●過去の考察はこちら(別窓で開きます)
【重大インシデント報告(エアーニッポンB737急降下:その1)】
【重大インシデント報告(エアーニッポンB737急降下:その2)】

▲副操縦士が誤ってラダートリムを操作した結果、NH140便は一時的にコントロールを失って、ほとんど背面姿勢で急降下するという、重大インシデントを起こした。(運輸安全委員会の再現CG)
インシデントが発生してから22日後の9月28日、国土交通省「運輸安全委員会」より、このインシデントに関する中間報告書が発表されましたが、同報告書によるとNH140便(登録記号:JA16AN)は、急降下中に一時、機体がほぼ裏返しになるほどの、異常な姿勢となっていたことが判明しています。
【運輸安全委員会「エアーニッポンB737-700型機 重大インシデント」調査進捗状況】
なぜNH140便は、副操縦士の誤ったラダートリム操作だけで、このような通常では考えられないような急降下や、異常姿勢に陥ってしまったのでしょうか?
そこで、今回はエアライン・パイロットと、第四世代旅客機(ハイテクエアライナー)の自動システムとの関係を考察してみたいと思います。

【第四世代旅客機の運航とは】
高度な自動化が進んだ第四世代旅客機の運航では、滑走路から離陸する時には、パイロットが手動でローテーション操作を行いますが(パワーコントロールはスタート地点でオートスロットルをオンにするため、基本的にはAP任せ)、その後、上昇中に規定高度でオートパイロットをエンゲージすると、巡航中、パイロットが操縦装置に触れることは、ほとんどありません。
つまり、巡航から目的地の空港の滑走路にメインギアが接地するまで、パイロットは主に航空機の自動システムのオブザーバーに徹することとなります。

飛行ルートは離着陸経路(SIDやSTAR)を含めて、あらかじめパイロットが飛行前にFMS(フライトマネージメントシステム)にインプットしておきますが、実際のフライトでは管制指示やパイロットの判断で、事前にFMSに設定されたものとは異なる、飛行ルートで飛ばなければならない場面がしばしばあります。

▲FMSとパイロットを仲介するのは、このCDU(コントロールディスプレイユニット)で、一見、大きな電卓といったイメージ。事前の運航計画から、飛行中のルート変更も簡単な操作で行える。機体はB737-800。
このような場合、パイロットはオートパイロットを解除して、手動操縦でルートを変更するのではなく、FMSに新しい情報を入力してデータを更新することによって、オートパイロットに新たな飛行ルートを辿らせるようにします。
また、FMSでルートの更新を必要としないような、一時的な速度、高度、針路の変更は、グレアシールド上のオートパイロットシステムに表示されている各数値を、パイロットが小さなダイアルを操作して変更することにより、操縦装置に触れなくとも、“オートパイロットを介して”、パイロットは自在に機体を操ることができます。

▲オートパイロットに設定されている速度や高度などの各数値は、数値が表示されているウィンドウ直下にあるダイヤルを操作することで、飛行中でも機体の諸元をリアルタイムで変更することができる。機体はB737-800。
極言すれば、第四世代旅客機のエアライン・パイロットが純粋に手動で機体をコントロールしているのは、ゲートを出発して滑走路へ向かう時と、滑走路に着陸してゲートに向かうまでの、地上滑走の間だけということになります。
※実際にどこまでオートパイロットに“依存”するかは、各エアラインの運航規定によります。
もちろん、FMSなどの自動システムは、一定の操縦経験を持つパイロットが操作して始めて成立するものであり、フライトの主導権を自動システムが握っているかのように見える第四世代旅客機の運航においても、この自動ルーチンの中心にいるのは、やはり人間であるパイロットなのです。

ただし、オートパイロットが普及する前と比較すれば、第四世代旅客機の運航では、パイロットが操縦装置を介して、手動で機体を操るシーンが激減しているのも、疑いようのない事実となります。
果たして、第四世代旅客機の自動システムは、エアラインパイロットの操縦技量に、何らかの影響をもたらしているのでしょうか?
【自動システムは操縦技量を低下させるのか?】
foxtwoがアメリカ航空留学でヘリコプターの飛行訓練を受けていた時、毎週月曜日はコクピットのインコム(機内通話)が、インストラクター(飛行教官)の怒鳴り声で溢れていました。

▲R-22ヘリコプターで離陸するfoxtwoを、同期の訓練生が撮影。アリゾナ州スコッツデール空港にて。
アメリカの飛行訓練は非常に密度が濃かったため、ウィークディは必ずフライトがあり、土日だけ飛行訓練がお休みでした。
その結果、ヘリコプターに触れていない、ウィークエンド二日間のうちに訓練生の操縦技量が落ちてしまい、月曜日には修得したはずの課目のできが大幅に悪くなっているために、インストラクターの血圧が上がるというわけです。
このようにわずかな期間、操縦経験にブランクがあるだけで、たちまち操縦技量が低下してしまうということは、何もアマチュアパイロットに限ったことではありません。

▲厚木基地に着陸するアメリカ海軍のFA-18ホーネット。
以前、横須賀に寄港したアメリカ海軍の空母が再び出港する前、厚木飛行場で空母艦載機が夜間の離着陸訓練(NLP)を行って、騒音問題がマスコミを賑わせたことがありました。(現在は硫黄島で実施)
これも、休暇で低下した空母パイロット(アメリカ海軍では“エビエータ”と呼びます)の操縦技量をブラッシュアップするのが目的で、特に夜間の空母着艦は危険性が非常に高いため、まず、動かない陸上の飛行場でパイロットに夜間の着陸進入操作の勘を取り戻させ、実際に洋上を移動する空母に着艦する際の危険性を、少しでも減らそうとする試みなのです。

▲FA-18のコクピットからみた夜間空母着艦。漆黒の闇の中に、空母の甲板が迫る(高感度撮影。実際の甲板はこんなに明るくない。)。夜間の空母着艦は、真っ暗闇の洞窟の中をペンライトを頼りに歩くようなもので、パイロットの練度にかかわらず、危険度が極めて高く、事故が起きるのは日常茶飯事と言われている。
つまり、航空機の操縦は自転車のように、「一度覚えたら忘れない。」とはいかない、非常にシビアな世界と言えます。
それでは、オートパイロットにフライトルーチンのかなりの割合を日常的に依存せざるを得ない、第四世代旅客機のエアラインパイロットの場合はどうでしょうか?
少し古い資料ですが、foxtwoが愛読している、全日空発行の「事故のモンタージュ」誌にも、オートパイロットへの依存度が高まるにつれ、『まず、パイロットの技量が低下した。(原文のまま)』と、執筆当時、全日空の機長だった著者が、大胆にも告白しています。
ただし、誤解しないで頂きたいのは、ここで言う“低下した”のは、あくまでオートパイロットがなかった時代の操縦技量を基準とした場合の話しとなります。

▲B737-200のコクピット。インパネはクラシカルなアナログ計器に埋め尽くされていて、FMSは搭載されていない。
これは、FMSに代表されるような、高度な自動システムを持っている近年の第四世代旅客機では、パイロットが機体に慣熟するまでには、従来の機体より、ずっと時間がかかるようになっていることも影響しているものと考えられます。

▲B737-700のコクピット。インパネはシンプルなグラスコクピットとなり、FMSを始めとするフライトシステムも高度に自動化され、初期のB737とは別物の機体である。
なぜなら、第四世代旅客機のエアラインパイロットは、操縦装置を使ったマニュアル操縦とは別に、FMSなどの自動システムを介した操縦(正確には“操作”になりますが)の、二通りの操縦テクニックを修得しなければならないからです。
しかも、実機によるマニュアルの操縦訓練は、比較的、低高度(つまり空気密度が高い)の離着陸訓練がメインとなり、高高度(空気密度が低い)で機体をコントロールするエアワークは手間もかかり、巡航中は大部分をオートパイロットに依存している現状では、現実的な訓練とも言えないため、ほとんど実施されていないものと思われます。

このようなシラバス(訓練課程)で育ったパイロットが、ある日、低高度とは比べものにならないほど舵の効きが悪い高高度で、ヘビーウェイトの大型機を突然、手動で操ることになったら…。
【ダイナスティ006便:急降下インシデント】
1985年2月16日、中華航空(CAL)006便:B747-SP(登録記号:N4522V)がサンフランシスコ沖の太平洋上空、奇しくもNH140便と同じ高度41,000ftで一時的に操縦不能となり、高度3,500ftまで錐揉みに近い状態で異常降下するという、重大インシデントを起こしました。

▲最大離陸重量300トンものB747が錐もみ状態で落下するなど、誰が想像しえたであろうか。それが現実に起こってしまったのが、ダイナスティ006便:急降下インシデントである。(「MAYDAY!4」再現CG)。
機長がコントロールを取り戻すまで、CAL006便は数回にわたり裏返しとなり、機体の一部を大きく損傷して、重軽傷合わせて52名もの多数の怪我人を出しています。

▲ノーズギア以外の車輪が全て飛び出し、左右の水平尾翼先端が吹き飛ぶなど、満身創痍の姿でサンフランシスコ国際空港に緊急着陸した、ダイナスティ006便の実際の映像(「MAYDAY!4」より)。最大5Gという、輸送T類の荷重制限(+2.5G)の倍のストレスを受けたN4522Vは、機体のあちこちに深刻なダメージを受けていたが、その後、ボーイング社で修理され、中華航空の運航に復帰している。
調査を行ったNTSB(アメリカ国家安全運輸局)によると、インシデントの原因は、自動操縦からマニュアル操縦に切り替える際の、機長の不適切な操縦操作だったと結論づけています(中華航空側は機材のトラブルと主張)。
次回はこのCAL006便のインシデントと、NH140便のインシデントの共通点に着目し、不用意にオートパイロットからマニュアル操作へ切り替えることの危険性について考察してみたいと思います。
●続編はこちら(別窓で開きます)
【重大インシデント報告(エアーニッポンB737急降下:その4)】
【重大インシデント報告(エアーニッポンB737急降下:その5)】
※画像はYou Tubeより。
※今回のテーマはインシデントの当事者を批判するものではありません。インシデントの考察を通して、航空安全への理解と意識を高めようとするのが目的です。
●過去の考察はこちら(別窓で開きます)
【重大インシデント報告(エアーニッポンB737急降下:その1)】
【重大インシデント報告(エアーニッポンB737急降下:その2)】

▲副操縦士が誤ってラダートリムを操作した結果、NH140便は一時的にコントロールを失って、ほとんど背面姿勢で急降下するという、重大インシデントを起こした。(運輸安全委員会の再現CG)
インシデントが発生してから22日後の9月28日、国土交通省「運輸安全委員会」より、このインシデントに関する中間報告書が発表されましたが、同報告書によるとNH140便(登録記号:JA16AN)は、急降下中に一時、機体がほぼ裏返しになるほどの、異常な姿勢となっていたことが判明しています。
【運輸安全委員会「エアーニッポンB737-700型機 重大インシデント」調査進捗状況】
なぜNH140便は、副操縦士の誤ったラダートリム操作だけで、このような通常では考えられないような急降下や、異常姿勢に陥ってしまったのでしょうか?
そこで、今回はエアライン・パイロットと、第四世代旅客機(ハイテクエアライナー)の自動システムとの関係を考察してみたいと思います。

【第四世代旅客機の運航とは】
高度な自動化が進んだ第四世代旅客機の運航では、滑走路から離陸する時には、パイロットが手動でローテーション操作を行いますが(パワーコントロールはスタート地点でオートスロットルをオンにするため、基本的にはAP任せ)、その後、上昇中に規定高度でオートパイロットをエンゲージすると、巡航中、パイロットが操縦装置に触れることは、ほとんどありません。
つまり、巡航から目的地の空港の滑走路にメインギアが接地するまで、パイロットは主に航空機の自動システムのオブザーバーに徹することとなります。

飛行ルートは離着陸経路(SIDやSTAR)を含めて、あらかじめパイロットが飛行前にFMS(フライトマネージメントシステム)にインプットしておきますが、実際のフライトでは管制指示やパイロットの判断で、事前にFMSに設定されたものとは異なる、飛行ルートで飛ばなければならない場面がしばしばあります。

▲FMSとパイロットを仲介するのは、このCDU(コントロールディスプレイユニット)で、一見、大きな電卓といったイメージ。事前の運航計画から、飛行中のルート変更も簡単な操作で行える。機体はB737-800。
このような場合、パイロットはオートパイロットを解除して、手動操縦でルートを変更するのではなく、FMSに新しい情報を入力してデータを更新することによって、オートパイロットに新たな飛行ルートを辿らせるようにします。
また、FMSでルートの更新を必要としないような、一時的な速度、高度、針路の変更は、グレアシールド上のオートパイロットシステムに表示されている各数値を、パイロットが小さなダイアルを操作して変更することにより、操縦装置に触れなくとも、“オートパイロットを介して”、パイロットは自在に機体を操ることができます。

▲オートパイロットに設定されている速度や高度などの各数値は、数値が表示されているウィンドウ直下にあるダイヤルを操作することで、飛行中でも機体の諸元をリアルタイムで変更することができる。機体はB737-800。
極言すれば、第四世代旅客機のエアライン・パイロットが純粋に手動で機体をコントロールしているのは、ゲートを出発して滑走路へ向かう時と、滑走路に着陸してゲートに向かうまでの、地上滑走の間だけということになります。
※実際にどこまでオートパイロットに“依存”するかは、各エアラインの運航規定によります。
もちろん、FMSなどの自動システムは、一定の操縦経験を持つパイロットが操作して始めて成立するものであり、フライトの主導権を自動システムが握っているかのように見える第四世代旅客機の運航においても、この自動ルーチンの中心にいるのは、やはり人間であるパイロットなのです。

ただし、オートパイロットが普及する前と比較すれば、第四世代旅客機の運航では、パイロットが操縦装置を介して、手動で機体を操るシーンが激減しているのも、疑いようのない事実となります。
果たして、第四世代旅客機の自動システムは、エアラインパイロットの操縦技量に、何らかの影響をもたらしているのでしょうか?
【自動システムは操縦技量を低下させるのか?】
foxtwoがアメリカ航空留学でヘリコプターの飛行訓練を受けていた時、毎週月曜日はコクピットのインコム(機内通話)が、インストラクター(飛行教官)の怒鳴り声で溢れていました。

▲R-22ヘリコプターで離陸するfoxtwoを、同期の訓練生が撮影。アリゾナ州スコッツデール空港にて。
アメリカの飛行訓練は非常に密度が濃かったため、ウィークディは必ずフライトがあり、土日だけ飛行訓練がお休みでした。
その結果、ヘリコプターに触れていない、ウィークエンド二日間のうちに訓練生の操縦技量が落ちてしまい、月曜日には修得したはずの課目のできが大幅に悪くなっているために、インストラクターの血圧が上がるというわけです。
このようにわずかな期間、操縦経験にブランクがあるだけで、たちまち操縦技量が低下してしまうということは、何もアマチュアパイロットに限ったことではありません。

▲厚木基地に着陸するアメリカ海軍のFA-18ホーネット。
以前、横須賀に寄港したアメリカ海軍の空母が再び出港する前、厚木飛行場で空母艦載機が夜間の離着陸訓練(NLP)を行って、騒音問題がマスコミを賑わせたことがありました。(現在は硫黄島で実施)
これも、休暇で低下した空母パイロット(アメリカ海軍では“エビエータ”と呼びます)の操縦技量をブラッシュアップするのが目的で、特に夜間の空母着艦は危険性が非常に高いため、まず、動かない陸上の飛行場でパイロットに夜間の着陸進入操作の勘を取り戻させ、実際に洋上を移動する空母に着艦する際の危険性を、少しでも減らそうとする試みなのです。

▲FA-18のコクピットからみた夜間空母着艦。漆黒の闇の中に、空母の甲板が迫る(高感度撮影。実際の甲板はこんなに明るくない。)。夜間の空母着艦は、真っ暗闇の洞窟の中をペンライトを頼りに歩くようなもので、パイロットの練度にかかわらず、危険度が極めて高く、事故が起きるのは日常茶飯事と言われている。
つまり、航空機の操縦は自転車のように、「一度覚えたら忘れない。」とはいかない、非常にシビアな世界と言えます。
それでは、オートパイロットにフライトルーチンのかなりの割合を日常的に依存せざるを得ない、第四世代旅客機のエアラインパイロットの場合はどうでしょうか?
少し古い資料ですが、foxtwoが愛読している、全日空発行の「事故のモンタージュ」誌にも、オートパイロットへの依存度が高まるにつれ、『まず、パイロットの技量が低下した。(原文のまま)』と、執筆当時、全日空の機長だった著者が、大胆にも告白しています。
ただし、誤解しないで頂きたいのは、ここで言う“低下した”のは、あくまでオートパイロットがなかった時代の操縦技量を基準とした場合の話しとなります。

▲B737-200のコクピット。インパネはクラシカルなアナログ計器に埋め尽くされていて、FMSは搭載されていない。
これは、FMSに代表されるような、高度な自動システムを持っている近年の第四世代旅客機では、パイロットが機体に慣熟するまでには、従来の機体より、ずっと時間がかかるようになっていることも影響しているものと考えられます。

▲B737-700のコクピット。インパネはシンプルなグラスコクピットとなり、FMSを始めとするフライトシステムも高度に自動化され、初期のB737とは別物の機体である。
なぜなら、第四世代旅客機のエアラインパイロットは、操縦装置を使ったマニュアル操縦とは別に、FMSなどの自動システムを介した操縦(正確には“操作”になりますが)の、二通りの操縦テクニックを修得しなければならないからです。
しかも、実機によるマニュアルの操縦訓練は、比較的、低高度(つまり空気密度が高い)の離着陸訓練がメインとなり、高高度(空気密度が低い)で機体をコントロールするエアワークは手間もかかり、巡航中は大部分をオートパイロットに依存している現状では、現実的な訓練とも言えないため、ほとんど実施されていないものと思われます。

このようなシラバス(訓練課程)で育ったパイロットが、ある日、低高度とは比べものにならないほど舵の効きが悪い高高度で、ヘビーウェイトの大型機を突然、手動で操ることになったら…。
【ダイナスティ006便:急降下インシデント】
1985年2月16日、中華航空(CAL)006便:B747-SP(登録記号:N4522V)がサンフランシスコ沖の太平洋上空、奇しくもNH140便と同じ高度41,000ftで一時的に操縦不能となり、高度3,500ftまで錐揉みに近い状態で異常降下するという、重大インシデントを起こしました。

▲最大離陸重量300トンものB747が錐もみ状態で落下するなど、誰が想像しえたであろうか。それが現実に起こってしまったのが、ダイナスティ006便:急降下インシデントである。(「MAYDAY!4」再現CG)。
機長がコントロールを取り戻すまで、CAL006便は数回にわたり裏返しとなり、機体の一部を大きく損傷して、重軽傷合わせて52名もの多数の怪我人を出しています。

▲ノーズギア以外の車輪が全て飛び出し、左右の水平尾翼先端が吹き飛ぶなど、満身創痍の姿でサンフランシスコ国際空港に緊急着陸した、ダイナスティ006便の実際の映像(「MAYDAY!4」より)。最大5Gという、輸送T類の荷重制限(+2.5G)の倍のストレスを受けたN4522Vは、機体のあちこちに深刻なダメージを受けていたが、その後、ボーイング社で修理され、中華航空の運航に復帰している。
調査を行ったNTSB(アメリカ国家安全運輸局)によると、インシデントの原因は、自動操縦からマニュアル操縦に切り替える際の、機長の不適切な操縦操作だったと結論づけています(中華航空側は機材のトラブルと主張)。
次回はこのCAL006便のインシデントと、NH140便のインシデントの共通点に着目し、不用意にオートパイロットからマニュアル操作へ切り替えることの危険性について考察してみたいと思います。
●続編はこちら(別窓で開きます)
【重大インシデント報告(エアーニッポンB737急降下:その4)】
【重大インシデント報告(エアーニッポンB737急降下:その5)】








