話せば話すほど不可思議な女性。
実際私はこの世に居るのだろうか?
もしや何かの事故でも遭遇し、ちがう世界で存在しているのでは。
ワインを遠慮無く飲み、まったく途切れない会話の渦の中に居る。
今朝うたた寝していた私を残し仕事に行ったという。
もし今までの話が全部事実としたら、経営している占いの館に
なぜそんな早い時間から出かける必要があったのだろう。
ふつうに考えて、占いを商売にしてたら、客の来る時間帯は午後。
「あの~、またくだらない質問したくなったんだけど‥
今朝かなり早い時間に仕事に行かれた、と言ってましたよね?
占いのお仕事って、そんなに早くから開店してるの?」
お酒の勢いか、慣れか、、今まで使ってた敬語から遠ざかっている私。
『ふふふ、、お店は午後4時から11時ころまでよ。
今朝は雑誌社に原稿届けに行く日だったの。』
「原稿?・・郵送とかFAXとかではダメなの?」
『原稿だけならFAXで充分なの。
雑誌社以外にも、お店の担当者に会ったり、雑用が溜まってたりで‥』
「お店って占いの館でしたよね?
じゃぁ貴女は先生ということで、何人かの部下をお持ちなんだ!」
『この世界は部下とかいう表現は禁句かな~(微笑)』
「おっと失礼しました。訳もわからず無礼をお許しください」
『いま午後9時よ、私が自宅に居るということは定休日か、他の者がお店を
担当しているってことよね。私は土・日しかお店には出ません。
ただ予約制もあって、この場合は、曜日、時間に関係なく出向くのね』
雑誌社に投稿とか、指名予約とかって、この人かなり大者だ。
これが夢でなけりゃ、ますます自分が深みにはまっていくような気がしてきた。
ただ私を占って~、と言ったとき、
最初の時点で「プライベートでは占なわない」と釘を差されたのも記憶に深い。
こうやってのんびりしたムードでワインを交わし、好奇心を抑えている私。
そのせいもあって会話が途絶えることは1分たりともない。
これは意気投合している証拠だ。
そうだよな~、意気が合わねば見ず知らずの人間を招き入れるはずなどない。
「先生って呼んだほうがいい?」
『なに他人行儀なことおっしゃってるの~』
おや!
他人じゃないのか、と自分で納得してみたり。
『私に少しだけでも占って欲しい、と考えておられるみたいね。
誰だって、占いの腕前を試したくなるのはわかるわ。
それは信用する、しない、ではなく、、未知の世界への好奇心。
でもネ、、わたくしはいま酔っています。
酔うということは人間に戻っていることなの。
真剣に占いをしているとき、わたくし人間じゃないのよ。
よくテレビなんかで、ガラスを貫通してモノを取り出したり
1秒もかからず人間を消したり、男女入れ替えたり、
お札を宙にうかせたり、、ってマジックやってるわねっ
超能力というアーティストもいれば、タネはありますマジックです、という
人もいます。また超能力とマジックの中間という人も実際います。
また完全に神のように、自分しかできないタネ無し、、なんて人も。
実はあの素晴らしい人たちは人間じゃなくなってる時空なの。
仮にタネを明かされても、他の人はできない場合が多い‥
わたくしはたかが4年も費やさず、この世界に入ったわ。
誰から教わったわけでもないし、自然と魂が変化しちゃったのね。
ある日突然、という言葉が適切かな~。
わたくしのお店は門下生さんたちが交代でやってるわ。
なら、、どうやって教えたの? って聞きたいでしょ。
ほとんど教えてない、、これが答えよ。
じゃ~どうやってそんな人材を集めたの? と聞きたいでしょ。
それが神ワザなの。 わたくしが人間でないときに集まってこられたのね。』
なぬ!?
私は冷や汗が滲んだ。
ひょっとして私もその神ワザで呼び寄せられたのか!
【続く‥このストーリーはフィクションであり実話ではない】