働き方改革が進み、「定時で帰れる職場」が理想とされるようになって久しいですが、実際に日々の業務を定時内に終えられている人はどれほどいるのでしょうか。そして、その実態は世代によって異なるのでしょうか。
今回は、面談サポートツール「Goodモチベーション」(https://good-motivation.com/)に蓄積された数万人規模のアンケート回答データのうち、20代・30代の社会人にフォーカスし、「定時内に仕事が終わらない」という悩みについて比較しました。アンケート回答数は、20代・30代を合わせて2,941件。これをサンプルデータとして分析しました。
まずは以下の表をご覧ください。20代と30代それぞれについて、「定時内に仕事が終わらない」という問いに対する変化を4つのパターンに分類した結果です。
定時に仕事が終わらないという実感の変化(20代・30代別)
この表から読み取れることは、30代のほうが「以前より仕事が終わらなくなった」と感じている人が多いという点です。「以前より増えた」と回答した割合は、30代で33.6%、20代で25.4%と約8ポイントの差があります。また、「以前も現在も多い」という層も30代で30.5%、20代よりも7.9ポイント高い結果となりました。
一方で、「以前も現在も少ない・全くない」と答えた人は、20代・30代ともにほぼ同じ(約33〜34%)でした。これは、職種や業務量の影響を受けにくい比較的ルーティンな業務に就いている人が一定数いることも反映していると考えられます。
20代はなぜ「増えた」と感じにくいのか?
20代において「以前より増えた」と感じている人は25.4%。この数字は、30代より低い一方で、「以前も現在も多い」と答えた人が22.6%いることを考えると、「元から多かった」層と「変わらない」という層に分かれていることがうかがえます。
若手社員は業務の裁量権が少なく、指示を受けた作業をこなすことが中心のため、急激な仕事量の増減を感じにくい傾向があります。また、キャリアの初期段階にあるため、「これくらい忙しいのが普通」と思い込み、変化を実感しづらい面もあるでしょう。
一方、30代は責任が増える世代。プロジェクト管理や後輩指導、複数タスクの並行処理が求められるようになり、仕事が「定時で終わらない」状態になってきたと感じやすくなります。30代の「以前より増えた」という回答割合が高いのは、まさにこのようなキャリア上の変化によると推察できます。
働き方改革は誰に届いているのか?
今回の結果からは、必ずしも働き方改革が全員に効果をもたらしているとは言い切れない現実も見えてきます。「以前より減った」と答えた割合は、20代で18.5%、30代で18.0%。つまり、「残業や業務過多が改善した」と実感しているのは、どちらの世代でも2割に満たないのです。
特に注目すべきは、30代における「以前より増えた」「以前も多い」の合計が64.1%と、実に3人に2人が「今も、または以前より仕事が終わらない」と感じている点です。これは、業務効率化や人員補充が追いつかず、中堅層に負担が集中していることの表れとも受け取れます。
組織としての支援が必要な層はどこか
ここまでの結果を踏まえると、特に支援が必要なのは30代の中堅社員層であることが浮かび上がります。多忙を感じる30代社員が増加しているにもかかわらず、「以前より減った」と感じている人は少数派です。つまり、業務の負担感が年々増している一方で、改善されている実感が乏しいのです。
このような層に対しては、「業務の棚卸し」や「タスクの見直し」、さらには「部下への適切な業務委譲」など、マネジメント上の工夫が求められます。面談サポートツール「Goodモチベーション」では、こうした業務過多の兆候を可視化し、本人のコンディションや職場環境の課題を発見する手がかりを提供できます。
まとめ:世代別の実態から見える、働き方の改善余地
今回の調査から、20代・30代で「定時内に仕事が終わらない」という実感には明確な違いがあることがわかりました。特に30代では、業務負担の増加を実感している人が多く、働き方改革の恩恵を受けていない層が存在していることがうかがえます。
企業やマネジメント層にとっては、この世代ごとの認識の違いを把握したうえで、どこにどのような支援や改善策を講じるべきかを見極めることが重要です。Goodモチベーションのようなツールを活用することで、表に出にくい働き方の課題をデータとして可視化し、より的確なマネジメントを実現する手がかりとなるでしょう。
「定時に帰れるかどうか」は、単なる時間管理ではなく、職場の構造的課題を映す鏡です。世代ごとの違いに目を向けることで、真に意味のある働き方改革への一歩が始まります。








