臼井流「最高の結果を出す人の話し方」
< 相手をほめて喜ばれる人、
ほめても嫌われる人 >
そんなある日、
知人のパーテイーで
S社長の祝辞を聴く
機会がありました。
それまでごう慢で
周囲の思惑なんて
考えることなどなく、
我が道を行くタイプだ
と思っていたのですが、
彼の話を聴いて
意外な面を発見。
それは感動に近いものでした。
思わず彼のもとにかけより、
「素晴らしかったです、
さすがS社長ですね」
と声にしました。
何の迷いもなく
そう言えたのです。
「本当? お世辞だよね。
臼井さんがほめるなんて
あり得ないでしょう」
と最初は疑いのまなざしを
向けていたのですが、
「こういう場でも
祝辞と称して、
自己PRをされる方が
多いですよね。
でもS社長のお話は
相手を立て、
ユーモアが随所に
ちりばめられていて、
すごくよかったです」
具体的に
どういうところが
素晴らしかったか
を説明し始めると、
次第に柔和な表情になり、
「照れるな~、
でもうれしいよ、ありがとう」
明らかに
声のトーンが高くなって、
満面の笑顔。
その瞬間、
S社長との間にあった
壁のようなものが
なくなりました。
私は
見た目の雰囲気で
彼を
「扱いにくい人」と、
思い込んでいたのです。
会話をするうちに
彼の人間性に触れ、
その日を契機に
親しくお付き合いする
ようになりました。
あのとき、
「素晴らしかったです、
さすがS社長ですね」
という
「ほめ言葉」
を送らなければ、
心の壁は残ったままで、
付き合いを深めることなど
なかったと思います。
日本人は
「ほめる」ことも
「ほめられる」ことも、
あまり上手でない
と言われます。
特に面と向かって
ほめるのは難しく、
つい言葉が上滑りして
しまいがち。
「お世辞や社交辞令
ととられるだけ損」
だとか、
「芳しくない印象を
抱かれるよりは黙っておこう」
と、考えるのも分かります。
けれど私のように、
ほめ言葉が
きっかけとなり
人間関係が広がる
ということもあるのです。
臼井 由妃(うすい・ゆき)
健康プラザコーワ、
ドクターユキオフィス代表取締役
<日経BIZアカデミーより抜粋>
