< 「悪口」をどうしても
言いたくなった時の処方箋 >
( 悪口で取引先を
逃した営業マン )
5年ほど前、
ある通販会社に
自社の商品を
売り込みに行った
時のことです。
その会社の商談室は
仕切りがあるだけの
「オープンスタイル」で、
隣席の話声も聞こえてきます。
何度もうかがっている私は、
気にもとめずに
商談をしていたのですが……。
「ぜひうちに任せてください!
●●が製造できる会社は、
ほかにもありますが、
ろくな業者ではありません……」
と自信たっぷり
に話す声が、
漏れてきたのです。
商談相手の担当者に
慌てたのでしょうか、
あるいは、
調子に乗って
しまったのでしょうか、
「弊社の製造ラインは
設備が整い、
大手の会社さんとの
取引実績もありますが、
他社さんは
小規模ですから」と、
輪をかけた
発言をしました。
これに対して
「規模の大きさと
商品の質は、
比例しないだろう? 君」
と担当者は、
たしなめるような
発言したのですが、
「いいえ、
比例します(きっぱり)。
実際、△△社の商品は
すぐ壊れますし、
○○社さんは
アフターフォローが
不十分です。
それに□□社は、
経営状況が
芳しくないそうです……」
とこれまた悪口を
言い始めたのです。
結果、
担当者は嫌気がさして、
商談がまとまるどころか、
以後
その営業マンは
立ち入り禁止に
なったそうです。
もちろん、
彼ははなから
他社を陥れようと
画策して、
そんな話をしたのでは
ないでしょう。
何としても
注文を取りたい気持ちが、
こうした発言に
なってしまったのだ
と思います。
自分の能力や自社を
アピールしたい、
良さを知ってほしい
と願うあまり、
つい他社(他者)のことを
悪く言う場面には、
実際、頻繁に出くわします。
例えば、
1、ここだけの話ですが……、
御社が取引されている
△△社の製品に、
欠陥があるのをご存知ですか?
その点、
弊社は安心安全、
ホンモノです。
2、部下の(上司の)○○が
段取りベタで、
いつも私が後始末を
させられています。
3、私が出した企画はいいのに、
上司は見る目がなくて
苦労させられます。
2や3のような話は、
ちょっと気を許した相手に
してはいないでしょうか?
冗談のつもりでも、
後ろ向きで
悪口まがいの話は、
あなたの信用をなくします。
社長はどんな社員教育を
しているのだろうかと、
捉える方もいるでしょう。
臼井 由妃(うすい・ゆき)
健康プラザコーワ、
ドクターユキオフィス代表取締役
<日経Bizアカデミー電子版より抜粋>
