大学受験のため、1週間ほど東京へ行くことになりました。
頭脳を鍛えることにそれほど熱心ではなかったボクですが、
何とかなると思っていたあの頃が、
無謀というか、微笑ましいというか、、。
それは置いといて、
出発の数日前に、当時同じクラスで仲の良かった女の子に、
買い物を頼まれました。
「いいよ、どういう名前の店け?」
と聞くと、彼女は
「“あにえすびー”ゆう店ながだけど、渋谷にあるらしいわ」
と。
「あに?えすびー?」
初めて聞く謎の語感は、
思春期のボクの脳内で、3つの文字に変換されたのでした。
「兄・SB」
なんでも、富山にはお店が無い人気ブランドとのことですが、
ボクのなかでは、何やら男の汗臭いが感じられるスパイシーなお店として、
想像がふくらんだのでした。

(江口寿史先生に敬意を表して模写させていただきました)
できれば帽子が欲しいとのことですが、
どんな帽子を売っているのでしょうか。
そして次の週、東京へ行き、厳選4校を受験しました。
その合間に、渋谷の109へ行ったのです。
しかし、館内のショップ案内には「兄・SB」の名は見えません。
ボクはインフォメーションカウンターへ行き、
「あに・えすびーというお店は、どこですか?」と聞きました。
すると、にっこり笑った東京のお姉さんは、
「アニエス・ベーならございますよ」
と、やさしく教えてくれたのでした。
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あれから30年。
いまでは何ごともなかったように
「アニエス」などと略して呼んだりしていますが、
そんな酸っぱい記憶を、
銀座松屋の裏手に最近できた「アニエスショップ」の前を通った時に
思い出しました。

江口寿史の爆発ディナーショー/江口 寿史

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