もはやピアノは私の生活の一部になっています。
昨年10月に通っているピアノ教室の発表会が終わって、
今はブラームスの「6つの小品」より間奏曲作品118-2を練習しています。
この曲、私は知らなかったのですが、教えていただいている先生の提案で
「多分ものすごく好きだと思うし、合っていると思う。」と言われて始めた曲です。
(実は発表会が終わったらショパンの幻想即興曲に食指を動かしていました。そして楽譜も購入していたのですが。)
そして、ブラームスの間奏曲118-2をYou Tubeで検索し聴いてみると、何と情緒あふれる美しい曲でしょう。
この曲はブラームスがシューマンの奥さんであるクララ・シューマンに送った曲です。
クララの夫は大作曲家シューマンです。
ブラームスにとってシューマンは雲の上の存在。尊敬する恩師です。
そしてクララはその恩師の奥さんだったのです。
クララも才能のあるピアニストであり作曲家でもあったのですが、当時は女性が表立って活動をすることは許されず、
大音楽家のシューマンを影で支える妻という立場でした。
ブラームスはクララよりも14才も年下。
シューマン家に出入りするようになったブラームスはシューマンの7人の子ども達のお兄さん的な存在で、破滅的で後に精神に破綻をきたすシューマンとの生活で苦労をするクララを同情以上の感情を抱いて接していたのではないでしょうか。
ブラームスとクララが恋愛関係にあったという記録は何も残っていないのですが、クララが77才で亡くなる直前まで交友関係が続き、800通あまりの往復書簡が残っています。
そしてクララの後を追うようにブラームスも亡くなります。
ブラームスは生涯独身を通しました。
そんなブラームスのクララに対する思い、そこには恋愛感情もあったかもしれないし、音楽家として敬愛していたかもしれないし、人間として慈愛の念もあったかもしれない。
つまりは深い魂のつながりを意味するようなソウルメイトとしてのクララに捧げた曲なのです。
テクニック的にはそれほど難しい曲ではない(なんちゃって)と思うのですが、ものすごくその時の感情に左右されてしまう曲でもあります。
レッスンでうまく弾けた日は、心が震えるような感慨に浸りながら夜道を帰ります。
松本和将さん、この方の演奏が私は一番好きです。