東洋医学では何事も虚実という観点から物事を見ます。

 

簡単に言うと

 

虚とは弱った、生気のない、力のない、冷えた、潤いのないなど欠乏した状態で、

 

実とはみなぎっている、充満している、張りがある、熱があるなど過剰な状態を言います。

 

それで一般的に人全体を大まかに虚体と実体に分けて見ます。

 

虚体の人は

 

体力がない

疲れやすい

肌のキメが細かい

食が細い、食べるのが遅い

外界の影響を受けやすい(敏感)

ちょっとしたことで感情が揺れる

寒がり

冷え症

トイレが近い(実際には強い尿意があるわけではないが、念のため行っておこう)

優しいタッチを好む 

 

実体の人は

 

体力があり無理がきく

食欲旺盛 食べるのが速い

少々のことでは影響されない

強い刺激(タッチ、味など)を好む

暑がり

 

さらに個人的に私の考える

 

虚体の人は

 

予約時間より早めに来院

初診の予約は早めにする

暗くなる前に家に帰りたい

着替えるのに時間がかかる

自分の症状について表現豊か、細かい(実際に時系列でメモを取っている人もいる)

お灸の香りが好き

温められると気持ち良い

 

 

そして実体の人は

 

予約時間きっかりか遅れ気味に来院

着替えるのが速い

初診時「今から空いてますか?」とその日のピンポイント時間の予約

症状についてあまり話さない 「特に変化ありません。」以上!

ブス-っと刺してもらいたい

自分はそんなに悪いところはないと思っている(慢性病があって薬を飲んでいても)

お灸をやられても熱くないとやってもらった気がしない

 

で、当院に来られる方は圧倒的に虚のタイプの方が多いです。

 

治療家が虚体であれば虚体の患者さんが、実体であれば実体の患者さんが自然に集まるようになっています。

 

結局、自分がどんな治療を受けたいかというのが無意識に術者の手技に出るみたいです。

 

まれに「ブス-っと刺してほしい」人には当院の鍼治療は物足りない感覚があるようなのですが、案外そのような人の中にも虚体の人が結構います。

 

特に以前、別のいわゆる刺激鍼と言われる強い刺激の鍼灸院で治療を受けていて、絶大な鍼ファンを自認される方の中にもよくよくお話を聞いてみると治療後数日は寝込むとか、下痢をしたとかというお話をされます。

 

それは虚体であったにも関わらず、強い刺激によって鍼が瀉(機能を抑制したり、排出させる)になってしまったのですが、本人的には好転反応と捉えられているようです。

 

そして虚体の方には補法、つまり(氣を)補う治療がメインになります。

 

 

一般的に“鍼は怖い”というのはおそらくその強い刺激を指してのことだと思いますが、虚体には優しいタッチと皮膚表面に接触するだけの鍼で十分と考えます。

 

 

 

サルビア鍼灸院