新作、自己小説!! | Star☆Off

Star☆Off

自作小説、書いてます。
ところどころに絵も載せてます、

第一話 はじまり



 この星は、この世界は現在三つの大国が占めている。オリギン、パッシヴム・ムタレである。三つの国はこの星の創生より存在するので歴史は長い。されど争いはなく平和な日々が続く。

 しかし、破滅は訪れた。

 ここはムタレの首都、アルタミラ。日が早く昇り始め、人々が動き始める時だった。ある一人の若者はアルタミラの外れにある森の中で剣の素振りを行っていた。振るたびに額にかかる汗が飛び、こげ茶の髪を揺らし、日の光を浴びて前髪の奥から緑の閃光が現れる。漆黒の胴衣を着て腰には赤い帯をまく。前をまっすぐ見つめて素振りに没頭する。すると七ノ時を示す、教会からの鐘が鳴り響く。彼はその手を止め、街へ帰還した。

 街に戻ってくると中央大通りではこの国の姫君であるサテラ・フォルテシアが教会から城へ戻っているときだった。城に戻っているとは言っても姫君が歩いているわけではなく黒に塗りつぶされた木製の神輿の上に載せられて、上から簾が掛かっているのだ。国民に手を振っているのはわかるのでみんなは喜んで手を振る。そんな中で彼はその歓喜を背に向けて喫茶店〝REST〝の裏口から入っていった。裏口から階段を上り、我が家へと入っていく。すると彼の弟である子供が彼と同じ色の髪を揺らし、彼に興奮しながら駆け寄る。

「あ、兄ちゃん!見てみて、姫様だよ!」

「あぁ、見ていた。だからお店を手伝え」

「えー、反応薄いー」

 弟は彼が先ほど使った階段を駆け下りていく。この店は彼の一家が営業している喫茶店だ。しかも巷では人気がある。それは料理上手の母親と狩師の父親がいるからだ。二人は性格は違うものの信念に掲げていることは同じだ。ご近所からの評判は良いらしい。生活するには十分な食料と資金はあるのだ。

「さてと、手伝うか」

 喫茶店の朝は早いのだ。

同刻、城の中では姫君が父親と母親にあいさつを終えていた。玉座に座る二人にもったいないほどの天井、カーペットの届かぬところには近衛士が畏まっている。このようなところに彼らを配備するぐらいなら警備に支障が出てしまうのではないのか、人員削減もはなはだしい。

「教会での洗礼はどうでしたか、サテラ姫」

「…何事も無事に終了し、帰還したまでです」

「そうですか。安心しました」

「では私は自室に戻ります」

「お疲れ様」

 重々しく開かれた謁見の間の扉は閉ざされ、先程のことを思い出す。手を振ることで喜ぶ民、美しく澄んでいる青空、そして幼馴染のあの人。サテラは使用人とともに自分の自室に戻る。部屋に入ればどこかの職人に作らせた家具、有名な作家が描いた書物しかない、ただ美しいだけで人が生活していないような空間なのだ。寝具に飛び込むと、ふと窓の外が見えた。二匹の鳥が自由に空を舞っている。それは自分の幼少時代を思い出させてくれた。小さい男の子と女の子が外れの森の中で遊んでいる姿を、その時に感じた森林の匂いや生き物の生きている姿を、身分の事は何も考えていなかったあの頃を、彼の特殊な笑い顔。

会いたい。澄み切っているあの青い空の下で自由に。彼女は意を決し、ある準備をした。

 朝とは正直厳しいものだ、と感じてしまう。それは店の影響からだろうか、または元々備わっていたものなのかもしれない。ロビーの掃除、机の配備、そして出来立てのパンを並べるのだ。これはお客を取り入れるためにこの店だけのサービスにしていることだ。これを行ってからと言うものお客は増えるが労働も増えることを知ってほしい、と彼は口に出さず黙々と働いている。

「はい、これもお願いね」

 机の上にカランと音を立てて置かれているパン付きのプレートを開いているところに並べるといつもとは違うところに別の商品が置かれていた。恐らく面倒臭がりの弟の仕業だろう。彼はすぐさま配置を正し、パンを焼いている母の元へパンを取りに向かう。しかしその足はとある一言で止められてしまう。

「ひ、久しぶり。ディン」

 聞き覚えのある、少し張りのある声。ふと姫君の彼女を思い浮かべながら後ろを振り返る。そこには予想通り、サテラがたっている。幼馴染である彼女を見つめた。漆のようになびく漆黒の髪を手で払い、海より深い青の瞳はディンの姿を映している。しかして、彼女の服は平民の物そのもの。どういった心境かと考えを巡らせるも自分の顔を見て安心したのか、ゆっくりと口角を上げていく。

これが一国の姫君であるサテラ=フォルテシアと平民のディン・オールビー、二人の幼馴染が数年もかけた再開でもあり、この星の破滅の第一歩でもあった。


コメント、


第一話でこの内容量、一週間もかかりました(~_~;)

でも気持ちいぐらいに心は晴れてます!

ファンタジー系バトルとして展開させていくので、よろしくお願いします、