ジャクリーン・ウィルソン 『ふたごのルビーとガーネット』(Double Act) | 東海雜記

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主に読書日記

読者を引き込む楽しい仕掛け



著者: ジャクリーン ウィルソン, Jacqueline Wilson, Nick Sharratt, Sue Heap, 小竹 由美子, ニック シャラット, スー ヒープ
タイトル: ふたごのルビーとガーネット


家族ってなんだろう? 

『ダストビン・ベイビー』でも同じ事を書きましたが、
ふたたび書かせて下さい。

一緒に住んでいるから家族なのか。
血がつながっているから家族なのか。

ウィルソンさんの物語は設定がいつも斬新です。
この物語はタイトル(表紙も見て下さい)どおり、仲の良いよいふたごが主人公。
お母さんは早くに亡くなったけれども、おばあさんとお父さんとで仲良く暮らしていました。
ところがお父さんが「会社をやめたい」と言い出します。
さらにお父さん、恋人ができ、家に連れてきました。
そしてついにお父さんは脱サラ。
どうやらお父さんの心変わりは彼女に原因があるらしく……

物語は二人のつづる「日記」ですすんでゆきます。
これがなかなか面白い仕掛けがあるんです。
活発な姉ルビー、シャイな妹ガーネット、二人の性格をそのまま表すように、
それぞれ活字の字体が違います(原書でもそうです)。

さらに表紙をよおく見て下さい。
左がルビー、右がガーネット。
よく似ていますが、それぞれ別のイラストレーターが書いています。
わからないですか? そうですよね。私もしばらく読み進むまで気づきませんでした。

このように読者を引き込む仕掛けはもちろん、上記のように内容も目が離せません。
ですので、ペーパーバックもおすすめ。
多少英語がわからなくても、イラストや文字を見るだけでも楽しめてしまう。


著者: Jacqueline Wilson, Nick Sharratt, Sue Heap
タイトル: Double Act






「死ぬまでずうっと一緒」と言っていた二人、
はたしてどうなるのでしょうか。

様々な子供と家族を描くウィルソンさん。
今後も目が離せません。