今年2月24日でロシアのウクライナ侵攻が2年を迎えた。ロシアは2年前から先進国から大きな経済制裁を受けている。当初は経済疲弊から軍事力を維持できず、ロシアが侵攻停止することが期待された。しかし今現在はまったくその気配もなく、むしろ米国とEUが支援をためらい、ウクライナが敗戦するかもしれないようだ。

 

こう見ていると経済制裁は効かないようである。その原因について、中国などが裏で支援しているからだという意見があり、確かに交易関係ではそのように思われる。しかし、その他でも実は世界的に先進国に対する不信感が高まっており、その結果世界経済における米ドルの価値が低下し、米ドルを使わない交易が増加しているのではないかと思うのだ。経済学者などは全然そんなことは無いと言い切ると思うし、最近の米国経済の強さを思えば基軸通貨の座は安泰だというだろう。

 

ただ、私がこのように思うのは、この20年の金価格の推移(もちろんNYでの)とNYダウとの上昇比較で常に金価格が上回っていることにある。今は通貨の相対評価の材料ではない金が、世界的な騒乱に際し、ドル基軸通貨の座にゆらぎを生じさせる原因になっていると思う。つまり、ロシアや中国、中東、(北朝鮮)などは相互の通貨価値評価を金を確保することで交易を保証しており、この米ドル基軸通貨体制から離れようとしている。その結果としての金価格上昇(米ドル価値減少)であるように思うのだ。

これはアメリカ、日本などの先進国(いわゆる自由主義陣営)が他の国々に対して極めて自己中心的に行動してきたことの結果であろう。

 

蛇足ながら、日本が確保している金はすべてNYに保管されている。またドルの在庫も米国債でNY保管である。よって日本は経済で米国の意向に反することはまったくできない(ほとんど植民地である)ことは忘れないでおこう。