ライトパン | foto-poohのブログ 写真と模型を愛する人へ

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趣味で集めたカメラや模型、模型エンジンについて個人の感想を書いています。

今ではほとんど忘れられてしまったフィルムにライトパンがあります。日本のフィルムメーカーはさくらとフジがほとんどのシェアを占め、プロやマニアはアメリカ製のコダックを愛用していました。ヨーロッパ製のアグファゲバルトを使う方も少数いました。それ以外のフィルムといえばライトパンでした。今は昔輸入していなかったような中小メーカーのフィルムがたくさん入ってきて、大手はフジとコダック、アグファくらいになってしまいました。ライトパンはフジのフィルムをつksっていたという話で、私も確実なところは知りませんが、フジのフィルム製造で使わない部分を活用していたという話です。今風に言えばリサイクル、ないしは無駄をなくすメーカーだったようです。つまり価格の安いフィルムを供給してくれていたのです。ただそれだけだったら当時のフィルム価格競争に生き残れなかったはずですが、ライトパンが生き残れる理由がありました。それは他社にないラインナップでした。ブローニーは6枚どりだったり35ミリも他社にない枚数を供給していました。ただこれだけでは戦力不足なので、もっと強い武器まで揃えていました。それがラピッドフィルムとボルタ判フィルムでした。どちらも大手では製造していなかったフィルムで、ごく限られたマニアだけの需要ではありましたが、いつでも手に入るという安心感は、古いカメラやおもちゃカメラへの興味を維持してくれていました。確か会社名は愛光商会だったと思います。今考えると古いカメラの試し撮りにブローニー6枚撮りや35mmの短尺は最高でした。ライトパンが容易に手に入る時代は、大手メーカーのフィルムも安売り競争で比較的安く手に入ったので、ライトパンの存在意義を感じていませんでしたが、今のようにフィルムが高騰して安易に試し撮りすらできなくなった時代、ライトパンの存在意義は昔より今の方がずっと高かったはずです。フィルムの衰退と共に消えていってしまったライトパンですが、今考えると非常に価値のあるフィルムで、消えないで欲しかったフィルムです。