MINIMAX 諸々 | foto-poohのブログ 写真と模型を愛する人へ

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趣味で集めたカメラや模型、模型エンジンについて個人の感想を書いています。

ミニマックスを購入してよくある故障が、巻き上げても最後のシャッターコックまでいかずにからぶってしまっていつまで巻いてもシャッターがチャージされない現象です。このカメラのシャッターコックは巻き上げ軸の根元にあるピニオンギアでラックを右側に移動させてその動きでシャッターコックをする構造です。シャッターコックできたところで、ラックが背後の移動してピニオンと離れて元の位置に戻ります。この動きの制御を2枚の板状のガイドで行っています。①このガイドの位置がズレるとコックできなくなります。またショックか何かでラックがガイドの背面に入ってしまうと、ラックとピニオンが噛み合わずに空回りしてしまいます。

下の写真の①がガイド板で、今この状態は巻き上げ終えて最初の位置に戻ってきたところです。ここではガイド版の上にラックから出ている板があります。これが正常で、全く巻き上げノブがフリーな時にはこのラックのいたがガイド板の下にきてしまっています。②がラックについているガイド板に接するラックから折り曲がった板です。


②ラックは正常に作動しているのにシャッターがコックできない場合は、ラックについているシャッターコックをするレバーが変形してしまっている可能性が高いです。この症状は巻き上げノブを回していくと、だんだん重きなってくるのですが最後にコックされずにガチャっという音と共に軽くなってしまうのですぐわかります。シャッターコックができない場合は、ラックに繋がっているコック用のレバーを修正すればコックできるようになりますが無理に力を入れると破損させてしまう危険があるので丁寧にやることをお勧めします。

下の写真の矢印で示した部分がラックからつながっているシャッターコック用のレバーです。。その右上に丸のあたりにシャッターチャージレバーがあります。この矢印のレバーが左に曲がっていると最後までチャージレバーを押し切れず、コックされません。なのでこの矢印のレバーを修正します。


ただしこの作業をするにはトップカバーを外す必要があります。製造時期によって多少固定の仕方が違うのでよく確認して分解します。まず巻き上げノブですが、側面に固定ネジのあるモデルとないモデルがあります。ない場合にはフィルム室のギアを固定しながら、巻き上げノブを巻き上げ方向とは逆に回します。固定ネジがある場合にはネジを緩めてから回します。あとは上面にあるネジを外します。初期モデルは左右に一本ずつ、後期モデルは巻き上げノブの下左右にあります。



トップカバーを外すとシャッターボタン内の金具とシンクロ部分の切り替えスイッチ(白いプラパーツ)がカメラ内部に転がります。次にファインダーユニットを外します。その前に走り回っているリード線を切らないように浮かせていきます。そのための赤のランプがついている三角形の基盤とシャッターボタン周辺にあるスイッチの基盤を外します。その後ファインダー上部を保護している黒い紙を外します。あとはファインダーの両側にあるネジを外せばファインダーユニットを浮かすことができてシャッターコックの部分はラックとピニオンの作動が確認できます。製造時期によりこどの色やシンクロ接点側に走るリード線の数などが違っています。



このカメラの巻き上げ機構はシンプルですがよく考えられていて、設計者の素晴らしさがわかります。