KOWAは凄かった | foto-poohのブログ 写真と模型を愛する人へ

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趣味で集めたカメラや模型、模型エンジンについて個人の感想を書いています。

今ではカメラの製造から手を引いてしまっているコーワですが、一時期は本当に色々なチャレンジをして世の中を驚かせていました。プアマンズハッセルの酷い名前をつけられたコーワシックスシリーズは魚眼から500ミリの望遠まで揃えた素晴らしいシステムカメラでした。また19ミリの超広角レンズを固定装着したコーワUW190は今でも人気のカメラです。また民生用のカメラでこんな超広角レンズを固定装着したカメラは、超高価なホロゴンウルトラワイドを除いて他にありません。固定レンズで広角から望遠まで揃うのもコーワならではです。コーワUW190、SW、KALLO WIDE、KALLO T-85、KALLO T-100を揃えると19、28、35、85、100という超広角と一般的に交換レンズで揃える焦点距離が揃うのです。そしてKALL140も揃えれば大口径標準レンズまで揃います。それでいて交換レンズを揃えるよりも安かったのですから、もう少し時代が遅かったら大ヒットしそうなカメラばかりです。当初はカロブランドで販売していて、レンズもプロミナーでした。コーワの名前が有名になってきた頃、カメラ名もレンズ名もコーワに統一されて、フィルムカメラの生産をやめるまでコーワブランドで販売してきました。当時のコーワは何にでも挑戦してみるという意欲的な会社だったそうで、グラフレックス社向けのグラフィック35ジェットを製造したり、ミノルタ16のマガジンを使ったラジオ一体型カメラのラメラも作っていました。医薬品を製造するメーカーなので、医療用カメラもいくつか作ってつかわれていました。コメントでも言われましたが、当時広告やカメラ診断などでも解像度の高さを誇るレンズを装着していることを全面に押し出して高性能カメラとして売り込んでいたようです。ただ個人的な意見ですが、レンズもさることながらカメラボディーも丈夫に作られていて当時の国産のトップレベルだったと思っています。実際に販売されていた当時、やはりニコンやキャノン、ミノルタなど知名度の高いカメラに目を向けてしまい、気にはなる存在でしたが購入までには至らなかったのを記憶しています。コーワカメラを開発した技術者のカメラに対する熱は、購買層よりずっと高かったために想定したほど売れなかったのだと思います。どれも今考えれば当時の夢のカメラばかりです。改めてコーワの首脳陣と技術者の先を読む凄さに感心させられます。コーワは凄かったとしか言えません。