HELIARの魅力 | foto-poohのブログ 写真と模型を愛する人へ

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趣味で集めたカメラや模型、模型エンジンについて個人の感想を書いています。

写真に興味を持ち、愛宕(おたぎ)さんの本を読んでからレンズのタイプにすごく興味を持つようになりました。その上ドイツやフランス、イギリスのレンズメーカーはレンズの構成(タイプ)によってレンズ名を変えて購入者からもわかるようにしてありました。日本でも六桜社はテッサータイプをヘキサー、トリプレットをオプター、戦後は5枚以上のレンズをヘキサノンと呼んで区別していました。オリンパスやニコン、ミノルタもレンズ名はそのままでアルファベットで枚数を表示していました。ドイツはいまだに名前をつけていますが、日本は区別がなくなってしまいました。その中で特に有名だった標準レンズが、CP.GOERZの単玉 フロンター、複玉 ダゴール、TT&HのCOOKE(トリプレット)、CARL ZEISSのテッサー、VOIGTLANDERのヘリアー、SCHNEIDERのクセノタール(ZEISS ビオメーター)、CARL ZEISS のゾナーなどです。もっと細かく区別すればダイアリートやエクスプレス、クルミナーなどもありますが、ダイアリートは別にしても他はテッサータイプのアレンジ版で大きな区分にはなりません。その中で特にボケや描写にこだわったレンズとして有名だったのがヘリアーです。世間ではテッサーが高性能な万能レンズとして認知されて、高級機はほとんどがツアイスからテッサーを購入して取り付けたり、ライセンス生産されたテッサーを採用していました。フォクトレンダーにもテッサータイプのSKOPARがありましたがその上を目指したのがヘリアーでした。シャープさに柔らかさが加わった最高のポートレートレンズとして評価されていました。昨日偶然エンサインスペシャルレフレックスを取り出してレンズを見たら、そのHELIARが装着されていました。コシナが記念モデルで本来のヘリアータイプのレンズを作ったことがありました。ヘリアーはトリプレットの最前面と最後尾のレンズを貼り合わせにしてある構成で、見方によってはテッサーの前玉を貼り合わせにしたものとも受け取れます。同じようなレンズがライツにもあり、ヘクトールと呼ばれていました。こちらは真ん中のレンズも貼りあせています。ただヘクトールの3群6枚構成だったら4群6枚のダブルガウスタイプと枚数が同じになってしまい、レンズ枚数が少なくてより簡単な構成というような得になることがなくなってしまいました。ヘリアーはピントの合ったところが硬すぎず、前後のボケがなだらかでテッサーでは得られない自然な描写ができることが特徴です。昔は結構中古でも手に入りましたが最近グッと数が減っています。ヘリアーにはソフトフォーカスにもなるユニバーサルヘリアーというレンズみあります。このレンズはもともと高いレンズでしたが今ではもっと高くなってしまいました。近々ヘリアーで撮影してまたアップしたいと思っています。