お盆を過ぎても暑いですね。

今週末は名古屋ミネラルショーが開催されますが、今年の名古屋は例年以上に暑さが厳しいようで出かけるにも気力を振り絞る必要がありそうです。

 

 そんな猛暑が続く中、外出する気にもなれず終活に向けてではありませんが、冷房の効いた室内で久しく放置していた収集品の整理を始めています。とはいっても、たいしたことはしていません。ミネショから持ち帰ったままの紙箱や緩衝材包みからガラス窓のプラ標本ケースに写し換えラベルと整理番号を付けるだけなんですけどね。

 

 そんな地道な作業の中でも「あっ!これ、もしかして…」と思う再発見というか妄想が出てきます。

そんな標本の一つがこれです。

 

 

 2013年の京都ショーで手に入れたラオス産獣脚類歯です。

手に入れた当時のブース側の説明では発掘を行った場所(時期は1995年らしいです)はタイ領だったそうですが、その後両国の国境となっているメコン川の流れが変わったため現在ではラオス領になっているとのことで具体的な場所は教えて貰えませんでしたが、タイのプーウィアンから直線的に東に行ったメコン川のラオス側(サワンナケート州)と云うことでした。

 

 入手当時、タイ王国の獣脚類はスピノサウルス類のシアモサウルスとティラノサウルス類のシャモティラヌスの2択でしたが、歯冠の形状からこの幅広タイプの標本はカルカロドントサウルス類、通常のシャモティラヌスとされるスリムタイプはネオケラトサウルス類の可能性があるのではと思っていましたが、その後の研究でスリムタイプはアロサウルス上科である可能性が強まっています。一方、幅広タイプは福井恐竜博物館とタイ王立大学付属研究所所の合同調査チームが発掘により発見した数種類の新種恐竜の中の一種にSiamraptor suwati(シャムラプトル・スワティ)があります。

 

 福井恐竜博物館の発表によるとシャムラプトル・スワティは竜盤目 獣脚亜目 アロサウルス上科 カルカロドントサウルス類に属する獣脚類でタイ王国 ナコーン・ラチャシーマ県 ムアング区 スラナリ地区 サファン・ヒン村のコラート層群 コク・クルアト層白亜紀前期 (約1億2000万年前)から発見されていますが、このときの発表では発見されたのが顎の上下の部分骨で歯冠が見つかっていないようです。

 

 なので推測になってしまうのですが、入手当初からカルカロドン的な歯冠だと思っていたこの標本はシャムラプトルの可能性が高いのではないかと期待しています。