またしても時間が空きましたが新宿ショーで手に入れた標本の紹介です。
ラベル情報: Ancestral Stegosaur (祖先の剣竜)
Adratiklit boulahfa (アドラティクリット・ブラーファ)
Middle Jurassic (ジュラ紀中期)
Bathonian-Callovian 168-161 Million Years Old (バース階~カローブ階 1億6800万
~1億6100万年前)
El Mers Ⅲ Formation (エル・メールスⅢ層)
Boulahfa, Morocco (モロッコ王国フェズメクネス地方イフレン県ブラーファ)
アドラティクリット・ブーラファ(Adratiklit boulahfa )はジュラ紀中期バース階~カローブ階(1億6830万年前~1億6310万年前)に現在の北アフリカ、モロッコ王国に生息していた装盾亜目ステゴサウルス科ダケントルルス亜科アドラティクリット属に分類される初期の剣竜類で体長は7メートル程度と推定されています。
模式標本となった化石はモロッコ王国の北部フェズ=メクネス地方ブーラファ近郊に露出したエル・メルスIII層(バース階~カローブ階)で発見され、英国自然史博物館が化石取引業者から購入した後、2019年にSusannah CR Maidment 、Thomas J. Raven、Driss Ouarhache、Paul M. Barrettらによって記載されました。
属名の Adratiklit(山トカゲ)は現地のベルベル語で「山」を意味する「adrar」と「トカゲ」を意味する「tiklit」に由来し、種小名のboulahfaは標本が発見されたとされる場所に近いブラーファ地域にちなんでいます。
なお、ステゴサウルス科の恐竜はジュラ紀のローラシア大陸(現在の北半球大陸)に多く生息していましたが、ゴンドワナ大陸(現在の南半球大陸)の堆積層ではその化石の発見が極めて稀です。
アドラティクリットは北アフリカで初めて記載された剣竜類ですが、分類群としては南アフリカの剣竜類よりヨーロッパの剣竜類に近縁だったためダケントルルス亜科に分類されています。
詳細です。
サイズ: 母岩付きなので測定できた部分のみ記載します。
CH 5.8 ㎜ CBL 測定不能 CBW 6.1 ㎜ 歯根部まで含めた長さ 13.3 ㎜
この標本ような小型の歯を持つ恐竜は剣竜類以外にも堅頭竜類や小型の鳥脚類など多くの種類がいますので識別が難しい種類の歯冠だと思いますが、手持ちに状態はそれなりですが米国ユタ州産のステゴサウルス歯があるので意欲が湧けばいずれ比較を行ってみたいと思います。