新宿ショーが終わってから1週間が過ぎました。
この間、急遽付き合いで大阪・関西万博(正式名称2025日本国際博覧会)に行くことになり、予約なしで人気パビリオンに並び続けたおかげで足はガクガク、背中はバキバキ、ブログUPの気力が出ませんでした。
以上、ブログUPが遅くなったことの言い訳でしたが、今回紹介する標本です。
エウストレプトスポンディルス・オクソニエンシスは中生代ジュラ紀中期カローブ階(1億6500万年前~1億6100万年前)に現在の英国イングランド地方南部に生息していたメガロサウルス科に属する体長6m、体重500kg程度と推測される中型の恐竜です。
ラベル情報 Eustreptospondylus oxoniensis
(エウストレプトスポンディルス・オクソニエンシス)
Middle Jurassic
(ジュラ紀中期)
Callovian Age, 165.3-161.5 million years
(カローブ階、1億6500万年前~1億6100万年前)
Oxford Clay Formation
(オックスフォード粘土層)
Oxfordshire county, UK
(オックスフォードシャー州、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)
備考:本来、Callovian Age はカローブ期と表示すべきですが中期と期が重なるのが嫌なので敢え
て階を使っています。
エウストレプトスポンディルスをWikで調べると、模式標本は1870年にイングランド地方オックスフォード近郊にあるSummertown Brick Pit(サマータウン・ブリック採石場)のカローブ階の海成層であるオックスフォード層Stewartby(スチュワートビー)部層から作業員によって発見された頭骨を含む骨格で、当時の大型獣脚類化石としては最も完全な亜成体の骨格だったようです。
なお、当時の英国を含む欧州地域は分裂し始めたユーラシア大陸とゴンドワナ大陸の間に広がった多くの島が点在する浅い海だったようでイングランド地方南東部に広がるオックスフォード粘土層はジュラ紀のカローブ階~オックスフォード階に堆積した海成堆積岩層で下部オックスフォード粘土層のピーターバラ層と中部オックスフォード粘土層のスチュワートビー層、上部オックスフォード粘土層のウェイマス層から成ります。
長い属名は直訳していくと「Eu」はギリシャ語で「良い、真の、優れた」という意味、「strepto」はギリシャ語で「曲がる、ねじる」という意味、そして「spondylus」は「背骨」という意味になり「よく曲がる背骨」という訳の分からない名前になりますが、本当の意味は「真のストレプトスポンディルス」です。つまり、先にストレプトスポンディルスという恐竜の属名が提唱されており、紆余曲折の結果、この属に該当するのが1870年にSummertown Brick採石場で発見された模式標本だけとされため「真(本物)のストレプトスポンディルス(属の恐竜)」という意味に収まったようです。なお、種名は発見地であるオックスフォードにちなんでいます。
詳細です。
サイズ: CH 29.0 ㎜、 CBL 10.4 ㎜、 CBW 7.8 ㎜、 CBR 0.75、 CHR 2.79
鋸歯数: DA 9/5㎜、 DC 10/5㎜、 DB 11/5㎜
備考 : CBRは歯冠基部がはっきりしないため参考値です。
本来はもう少しCHが大きくCHRが小さい(細い)かもしれません。
DBは目盛り付きの撮影をしていないため推定値です。
MAは目盛り付きの撮影が難しかったので痕跡の画像のみです。
MCとMBは鋸歯がないため撮影していません。
この標本を見たときの印象は獣脚類の歯冠なのに長ったらしい竜脚形類みたいな属名のついた変な恐竜というものでしたが、ジュラ紀中期のUK産という表記に惹かれて入手を決断しました。詳細を調べてみるとメガロサウルス科の恐竜だったのでバックランディやトルボサウルス、アフロベナトルなどメガロサウルス科ファミリーとの比較も面白いのではないかと思いますので、こちらは後日の宿題として検討してみたいと思います。