今回は前回の続きとなります。

 

 標本詳細です。

 

 

 前回、最後に記述した通り、この標本は S.Sp. であり S.Afer ではありません。

ブースでは同じ標本と聞いていたので帰宅後、箱のラベルを見て何故?と思いました。

 

 最初はこの標本が、ホロタイプ化石に見られる「肋骨と棘が癒合している」、「肋骨の断面がT字型になっている」という2大特長のうち肋骨の断面がT字型になっていないため Afer と表示しなかったのかと思いました。

 

 

 が、更に調べを進めていくと肋骨のT字型は、緻密で重い上層骨と海綿状で軽い下層骨の2重(貼り合わせ?)構造であることが判りました。

 

 

 

 

 つまり、今回手に入れた標本は海綿状の下層骨が剥がれた状態であり、図らずも上層骨の下面(貼り合わせ面)が見えている標本ということが出来ると思います。

 

 

 では,何故 S.Afer としなかったのか?ですが、これは謎です。

その場で気づいていればブースで理由を聞けたのですが、今となっては後の祭ですね。

 

 あとは本筋からは外れますますが、ネット検索で興味深いサイトを見つけました。

「JURASSIC DREAMS」というスペインのオークションサイト(何故か連絡先は米国になっていましたが)ですが、このサイトに今回手に入れた標本と同じ標本が「 Sold Out 」、「 Spicomellus Afer 」としてUPされており、その販売価格が €902- になっていました。

 

 取引された時期が判らないので€のレートが不明なのと販売手数料や送料など(米国向けは代金$150-以上で無料のようです)がどの程度掛るのかが不明です。

 

 取りあえず、為替を現在の170円、手数料を15%で計算すると、標本単体価格が15万円超、手数料や日本までの輸送料,関税,消費税などの諸経費を入れると合計20万円超の価格だろうと推定しました。

 

 そして、今回の新宿ショーに今回手に入れた此の標本を含めたスピコルメルスの棘付き化石が大中小と3種類並べられていましたが、棘6本の大標本は「Spicomellus Afer 完全体 100%本物 ホロタイプ」の表記付きで310万円、棘2本付きの中標本は「Spicomellus Afer 部分化石 ホロタイプ」の表記付きで85万円、そして棘1本の小標本は(帰宅後に気がつきましたが)「 Spicomellus Sp.」の表記のみで値札無しでした。

 

 価格は聞けば良いだけの話だったんですが、棘6本 310万円と棘2本 85万円が出ているのでこれに基づいて計算すると以下のような価格が導き出されました。

 

  85万円=310万円 ÷(6本÷2本)× 0.823=103.3万円×0.823

    ??万円=  85万円 ÷(2本÷1本)× 0.823 = 42.5万円×0.823=35万円

 

 確か昨年の池袋ショーでも今回の標本と別の棘一本化石が同程度の価格だったので、ミネショの相場(というか超円安下の日本価格)としてはこんなものなのでしょう。

 

 以上、何が言いたかったのかというとオークションで手に入れる場合とミネショで手に入れる場合の価格差についてです。

 

 今回の例が標準的とは限りませんし、オークションサイトの情報も断片的、表面的なものなので真偽は判りませんが、ミネショで化石ディーラーから手に入れるよりネットオークションで化石ディーラーと同条件で競る方がかなり安く買える(当然、競り合いが起きると逆に割高になることもありますが)と言うことです。

 

 ただ、私自身はたとえ割高でもミネショで実物を見て手に入れるが良いという考えです。

ネットサイトには偽サイトも多いですし、在庫を持たない転売業者も横行しているからです。

幾ら詳細な画像が載せられているとはいえ、プロのカメラマン?が撮影した画像は実物より見栄えが良いことは「あるある案件」なので実物を見ずに買うのは二の足を踏みます。

 

 以上、本筋とは離れた話を続けましたが,今回はこれで終ります。