今回から池袋ショーで入手した標本の紹介です。
入手した標本は2個のみなので直ぐにネタ切れしてしまいそうなので、今回は少し話を引っ張りたいと思います。
前回の探訪記で書いたように最初に訪問した伊ブースや次に訪問した仏ブースは惹かれる物も多かったのですが、いかんせん相場が…、(こんなの無理だって!)と内心で思いながら第3会場を1周、悩んだ末に選んだ最初の1個がこの標本です。
ラベル情報 化石 :アロサウルス前上顎歯
時代 :上部ジュラ紀(ジュラ紀後期)
産地 :米国ワイオミング州(ジョンソン郡)ケイシー
この標本を手に入れたのは毎回ドイツ産の立派な石版化石と伴に米国モリソン層の恐竜化石を安価に並べている独ブースです。
米国ブースに比べると扱う数は少なく品質も劣る印象ですが、とにかく安価に出して来るのでチェックは欠かせませんし、過去には下のような標本を手に入れたブースでもあります。
以前から価格の安さを疑問に思っていましたが、その理由は米国ワイオミング州に自社の採掘場を所有しているから、つまりI先生が言っていた流通業者を通さずに直販をするから安価に出来ていたと云うことのようです。
なお、過去(2008年)に一度アロサウルスの歯根付き、母岩付きを含めたモリソン層産の恐竜化石が突然大量に出回り始めたことがあります。
当時、I先生に理由を聞いたところ「最近新たにモリソン層の採掘許可が出たから」ということで「現在で回っている標本がなくなればその後の流通は期待薄」と言う説明でした。
なお、当時はネットには載せないという条件で米国ブースにあったショーケース内の恐竜化石を撮影させて頂くことが出来ましたが、今見返してもその内容に圧倒されます。
正直、その画像をUP出来ないのが残念ですが、今回手に入れた標本と同じ前上顎歯を切り出すと、ほぼ同じ(歯冠向きが真逆で米国ブース品は遠芯側が上向き、独ブース品は近芯側が上向きです)であることが判ります。
なお、当時の米国ブースにアロサウルスの標本だけが複数出ていたならこの標本も手に入れたかもしれないのですが、当時は同時にモリソン層のケラト歯やトルボ歯、おまけに東アジアの化石が複数出ていました。
当然、懐事情とは要相談となりアロ歯は歯根付きではありませんが以下のような歯冠を所持していたため後回しにしました。
そんなこんなでアロ歯をスルーする内にモリソン層産化石が品薄となり高騰が始まり手に入れる機会を逃していましたが、今回対ドル円レートが90円当時の米国ブース標本よりも安かったので入手を決断しました。
なお、修復が無いのか確認したところ4カ所あると言うことでしたので、それも安くしていた理由だと思います。
以上、思い出話を長々としてしまいましたが、修復の確認を含め詳細は次回にしますので今回はここ迄です。






