あらためて名古屋ショーの入手品紹介です。
ニッポニテスは日本で最初に発見された異常巻きのアンモナイトです。
アンモナイトの中では珍しい種類ですが、種としてはバッカスの他にミラビリス、サハリネンシス、オキシデンタリスの4種があります。
標本詳細です。
形が立体的でないのでU字ターンが判り難いですが一応2ターンあります。
では、この標本が本当にバッカスなのかと言うことですが、その前にニッポニテスとはどういうアンモナイトなのかをお復習いします。
判りやすいのが科博のニッポニテス展の図です。
平巻きのアンモナイトが立体的に緩く巻くユーボストリコセラスになり、更に複雑な折り返しをしながら巻くようになったのがニッポニテスです。
ニッポニテス属4種の巻き方が良くわかるのは博物ふぇすてばるの図です。
時代が下がるほど堅巻き(密巻き)からゆる巻きになるのはニッポニテスも同じで、ミラビリス、サハリネンシス、バッカス、オキシデンタリスの順で巻きが緩くなっているのだと思います。
実物化石で巻きが判り易いのは御舟町恐竜博物館の標本です。
あとは出所がはっきりしませんがミラビリスとバッカスの銅版画も巻きが判り易いです。
探した限り判りやすい資料となるのはこの4点程度だと思いますが、今回手に入れた標本は銅版画のバッカス図の中央部分に該当する部分と考えバッカスで間違いないだろうと判断しました。
なお、手持ちのニッポニテスは巻き始めからU字ターンが3ターンの標本ですが、ニッポニテスのフィギュアでU字ターンを数えて見ると8ターンが完全体のようでした。
この標本は15年ほど前に手に入れたもので当時はU字ターン1ターンにつき10万円が相場と言われていましたが、現在の相場はどうなっているんでしょうか。