池袋ショー入手品紹介の4回目です。
プラテオサウルス・エンゲルハルディ
三畳紀ノール階(2億2300万年前~2億1000万年前)
フランス共和国グランド エスト地域ムール・エ・モーゼ地方ナンシー地区ジャルヴィル・ラ・マルグランジュ県サン・ニコラ・ド・ポート市
プラテオサウルスは三畳紀に出現した初期の竜脚形類(原竜脚形類)です。
1834年にヨハン・フリードリヒ・エンゲルハルトによってドイツのニュルンベルグ近郊のロルツベルグで発見され、1837年にヘルマン・フォン・マイヤーによって記載されました。
現在までにドイツ、フランス、スイス、グリーンランドなどで100体以上の化石が発見され、ノール階のエンゲルハルディとレート階のグラシリスが種として記載されています。
当初は四足歩行と考えられていましたが、前肢が短く四足歩行に適さないため、二足歩行していたことが判りました。
また、プラテオサウルスは体の大きさが不均一で完全に成長した成体の体長は4.8m~10m、体重は600㎏~4000㎏の間にあるとされています。
このことは私見に過ぎませんが、時代が進む間に体が大きくなっていったことを示しているのかもしれません。
詳細です。
サイズ CH 17㎜ CBW 8㎜
なんとなく、ギザギザの跡が残っているような気もしますが、最初にこの歯冠を見た時に思ったことは、ギザギザ(鋸歯?小歯?)が無い、ということです。
私がプラテオサウルスの歯冠に対して持っていたイメージは歯冠辺縁がギザギザになっている、ということでした。
以下は私見に過ぎませんが、私は歯冠辺縁にギザギザがあり歯根が短いものが原竜脚形類、歯冠辺縁にギザギザがあり歯根が長いものが古竜脚形類、歯冠辺縁にギザギザがなく歯根が長いものが竜脚形類ではないかと考えています。
ということで、プラテオサウルスは原竜脚類なのでギザがあるはず、ギザの無いこの標本は本当にプテオサウルスなのか、という疑念を抱きました
一応、ギザの跡がないか確認のため手に取って見ましたが、肉眼で見た限りは付いているには見えませんでしたので、店員さんにお願いしてFさんに確認をお願いしました。
結果、Fさん曰く、古い時代の標本なので風化している。ギザが無いように見えるがプラテオサウルスで間違いない。ということでした。
Fさんは古生物学者だし、本物だと断言されたので連れ帰った次第です。
なお、店員さん曰く、母国に帰ればもっと良い標本があるかもということでしたが…。