前回の検証で追加したい事項が出ましたので追記します。

 

 wikにオキサライアとイリタトルの模式標本の画像が掲載されています。

その画像から歯冠部分を拝借してきました。

 

           オキサライア                      イリタトル

 

 ここで注目するのは歯冠の色です。

オサライは歯冠のエナメルは焦げ茶色でイリタトルは薄茶色です。

 

 ではスピノサウルス類が発見されている世界各国の産地ではどのようなエナメルの色をした歯冠が発見されているしょうか。

 

 

 画像は上段左側から時計回りにバリオニクス(黒色、英国)、スコミムス(黒茶色、ニジェール)、オキサライア(黒色、ブラジル)、シアモサウルス(赤茶色、タイ)、シアモサウルス(薄茶色、ラオス)、スピノサウルス(焦げ茶色、モロッコ)です。

 

 こうしてエナメルの色を比べてみるとオキサライアの模式標本はスピノサウルスの歯冠に、イリタトルの模式標本はシアモサウルス(ラオス)に似ていますね。

 

 手持ち標本なので歯冠の高さ(CH、長さはAL)はバラバラですが、エナメル表面のリッジはどんな感じでしょうか。

 

 残念ながらオキサライアの模式標本画像に歯冠がないのでイリタトルだけです。

Wikの画像スケールからみるとこの歯冠は CH 35㎜ 程度だと思われます。

 

 

 リッジは歯根の境目辺りから歯尖に向けて4分の3あたりまで伸びている感じでリッジの盛り上がりは緩やかでリッジ間の幅は広いようです。

 

 では手持ち標本はどうでしょうか。

 

            バリオニクス            スコミムス            

 

          オキサライア          シアモサウルス(タイ)

 

           シアモサウルス(ラオス)        スピノサウルス

 

 画像が小さくてリッジの本数や溝の幅が良く判らないかもしれませんので、エナメル表面を10倍(皺の場合は30倍)に拡大してみました。

 

            バリオクス             スコミムス

 

           オキサライア           シアモサウルス(タイ)   

 

          シアモサウルス(ラオス)        スピノサウルス

 

 全体的な印象ではアフリカ大陸の歯冠2本のうちモロッコの標本は歯冠中央辺りまでしかリッジが伸びておらず、ニジェール標本はリッジ自体が見当たらないので歯冠中央付近で折れているのかもしれません。その他4本の歯冠は歯尖までリッジが伸びています。

 

 リッジの盛り上がりとリッジ間の幅ですが、モロッコ物のみ低く幅広い感じがします。がニジェールものはリッジその物がありませんし、比較が手持ちの歯冠のみで各標本のCHの値も違いますし、咬合によるリッジの摩滅も一律ではないので余り参考にならないかもしれません。

 

 ちなみにネット販売されている(されていた物を含む)ニジェール産スコミムス歯の画像を調べてみるとこのオキサライア歯と類似の色合いとリッジの伸び方、形質の歯冠が出てきます。このようなことを勘定に入れると今回手に入れた標本はニジェール産スコミムス歯ではないかと考えることが妥当なのかもしれません。