昨日、研修で「交代勤務と睡眠」について学んできました。
夜勤や交代勤務のお仕事がある方には気になるトピックですよね。
その前に、まず睡眠の基礎知識を知っておくとわかりやすいと思います。
今回は、「サーカディアンリズム」「生体時計」「光」のお話をします。
人の体に存在するさまざまなリズムのうち、生体から認められるリズムの現象は3種類あります。
ウルトラディアンリズム:周期が20時間未満
サーカディアンリズム:周期が20~28時間
インフラディアンリズム:周期が28時間以上
このうち、1日に近いリズム、「サーカディアンリズム」もしくは「概日リズム」についてお話します。
「約1日リズム」という意味で、24時間±4時間という、1日に相当する24時間より4時間前後するという特徴があります。
つまり、実際の1日より、数時間の時差がある というわけです。
でも、この時差が生じたままだと、日々起きる時刻が遅くなっていき、昼夜逆転する生活リズムに陥ることも。
そこで、毎日その時差をリセットして24時間に戻す必要が生じてきます。
サーカディアンリズムと密接な関わりがあるのが 強い光 です。
この「強い光」を浴びるタイミングが重要で、朝に浴びる光がサーカディアンリズムを調整するの上でのポイントとなります。
ところで、「生体時計」ってどこかで聞いたことがありますか?
でも、「生体時計」ってどこにあるんでしょうか。
お、お腹・・・?ブー!それは腹時計。
うん、それも私は正確ですが・・・。
答えは、脳の視床下部にある 視交叉上核(しこうさじょうかく) というところです。
この視交叉上核に光を届けることで、サーカディアンリズムの時差を24時間に修正、リセットします。
どうやって視交叉上核に光を届けるかというと、目から入ります。
朝、起きたらカーテンを開けて朝日を浴びたり、日の当たるお部屋で朝食をとるなど、朝日を浴びる工夫をするだけで、この調整は行われます。
(くれぐれも、太陽の光を直接見ないようにお願いします!)
さて、この「強い光」はどれくらいあればいいのでしょう?
答えは 2,500ルクス です。
曇りの日でも 10,000ルクスはあるので十分な明るさです。
ぜひ朝日を浴びることを毎日の習慣にしてみてください。
このサーカディアンリズムというのは、睡眠移相後退、つまり後ろにずれやすく、前にはずれにくいリズムです。
「朝、起きられないよ~!」という相談を受けることがあるのですが、夜なかなか寝付けずに遅く就寝する場合でも、毎日同じ時間に起きる習慣をつけ、朝日を浴びることを1週間は続けてみてください。
夜の睡眠圧が高まり、少しずつ夜早く眠たくなってきます。
ゆるやかに早寝早起きに調整することができるようになるんです。
あと、やってしまいがちなのが週末の寝だめです。
睡眠は残念ながら、お金のように貯めることができないんです。
むしろ、月曜日からの睡眠移相後退が起こりやすく、1週間のリズムが狂いやすくなるため、悪影響が!!
もし、どうしても寝たいという場合も2時間以内に抑えてくださいね。
そして、この「光」ですが、深部体温と密接に関係します。
深部体温の変化で、睡眠と覚醒のリズムができてくるのですが、
この、光と深部体温の関係については次回お伝えしていきます!
そして、気になる成長ホルモンとの関係も明らかに??
コツがわかると、眠りやすくなりますよ!
良い睡眠習慣をつくるためには、正しい知識が必要です。
食事に栄養の知識が必要なのと一緒ですね。
<早起き習慣をつくるレシピ>
・毎日必ず決まった時間に起きる。遅く就寝した翌日も決まった時間に!!(←鬼?)
・朝の強い光を浴びて、生体時計を24時間にリセットする!
・週末の寝だめは厳禁!それでも眠たい場合は、2時間以内に。