不妊治療を始め、自分は引き返せないところまで老いた現実を知りました。

 

白髪が生えても美容院で染めれば問題ないし、体重が増加したら食事制限をして減量しました。

マイナス5歳肌ファンデーションを使えば、たとえ化粧崩れしていても自分で鏡を見ない限り気分は若返りました。

「老化は無かったことに」、昔と同じような気分の維持ができたのです。

 

しかし卵子だけは、プロの手を借りても何ともなりませんでした。

日本一不妊患者を抱える大病院でも、東京大学医学部卒の医師でも、四十路の私の子宮にミラクルは起こりませんでした。

 

40年以上もお腹にある卵、年代物です。

ウィスキーなら年代物として珍重されるでしょうが、「40年ものの卵で作った貴重なピータンです」と言われても、私は食べないです。

 

自己卵に限界を感じ始めた頃、知ったのが「卵子提供」。

日本の病院では基本的には行われてないため、希望者は海外に渡航し、外国人の卵子を得て妊娠するのです。

 

50歳を過ぎた芸能人の出産がニュースになることはありますが、「卵子提供を受けた」と正式表明している芸能人はいません。

 

一般市民も既にチャレンジしていて、ネットには情報が溢れています。

「子宝ねっと」というサイトには「卵子提供・ドナー治療などの掲示板」があり、体験談や意見交換が活発にされています。

アメリカ、タイ、台湾、マレーシア、スペイン、キプロス、様々な国に飛び外国人の卵子提供を受けていることを知りました。

 

日本人の卵子を求めている人がほとんどですが、日本人提供者がほぼいないため国籍・人種の異なる卵子を移植しているのが現実のようです。

 

遺伝子父は夫(日本人)、遺伝子母は外国人、出産するのは妻(日本人)。

 

人種の異なる白人黒人の卵子だとハーフであることは一目瞭然ですが、アジア人の卵子だと表面的には判別しにくいです。

国際結婚が進みハーフ率が上昇している一方、実は水面下でのハーフも増えている現実を知りました。

 

見ず知らずの外国人の卵子をいただいてまで、子供が欲しいのか。

どちらにしても遺伝子上は自分の子供ではないのだから、養子でいいのではないか。

遺伝の要素は大きいのに、卵子提供者のことを知らずに子供を産んで、将来責任は取れるのか。

 

薬を飲み、集中的に通院し、針で突き刺す採卵まで経験してくれるのが、卵子提供者です。

自分が出来るかといったら、強い信念或いはよほどの理由がない限り断るでしょう。

 

そんな有り難い女性(卵子提供者)なのに、様々な疑問が湧き上がるのです。