四柱推命の十神のうち、自分を生んでくれる五行に付く名前が「印星(いんせい)」です。日干が木なら水、火なら木、土なら火、金なら土、水なら金。自分を育て、支え、守ってくれる方向の星なので、母や学問や資格や文書といった意味が集まります。

印星は二つに分かれます。日干と陰陽が違えば「正印(せいいん)」、同じなら「偏印(へんいん)」です。日干が甲(木の陽)なら、癸(水の陰)が正印で、壬(水の陽)が偏印。日干が丁(火の陰)なら、甲(木の陽)が正印で、乙(木の陰)が偏印。判定はこれだけで、暗記する表はありません。

正財と偏財、食神と傷官と同じく、「正」と「偏」は良し悪しではありません。陰陽が違う組み合わせのほうに「正」が付く、という決まりです。異なる極どうしのほうが素直に結びつくので、正印は自分を育てる力が真っ直ぐ入ってきます。同じ極どうしは反発を含むので、偏印は同じ「育てる」でもひねりが入ります。

学んで守る「正印」

正印は、基礎から順に積み上げる学びの星です。学校の勉強、資格、免許、肩書、契約書。正統な経路で身に付けたものが自分を守る盾になります。正印が強い人は準備が整うまで動きたがらず、根拠のないことを言いません。周囲からは慎重で真面目に見え、本人は「まだ足りない」という感覚を手放せないことがあります。

直感で掘る「偏印」

偏印は、直感と専門技術の星です。教科書の順番を待たず、興味の湧いたところから一気に掘り下げます。医術、占術、芸術、宗教、技術職。王道から少し外れた場所で深く達する人に多く出ます。偏印が強い人は集団の中で少し距離を取り、自分の速度で考えます。周囲からは掴みどころがなく見え、本人は「分かる人にだけ分かればいい」と思っていることが多いです。

偏印には古い呼び名があります。「倒食(とうしょく)」です。偏印は食神を剋するので、衣食住と穏やかな表現の星である食神を倒す、という意味で付いた名前です。偏印が強すぎると、せっかく生み出したものを自分で疑って引っ込めてしまう形で出ます。考えすぎて手が止まる、と言い換えてもいいでしょう。

正印にも注意点があります。守られすぎると動かなくなります。母の星でもあるので、保護が厚いほど自立が遅れる、という読み方をします。正印が多い命式は、守りの資格を取り続けて肝心の勝負をしない、という形になることがあります。

二つを併せ持つとき

二つを併せ持つ人もいます。正印で基礎を固め、偏印で独自の切り口を足す。研究者や専門医、長く続く職人にこの組み合わせがよく見られます。片方だけよりも、順番が大事です。正印が先で偏印が後なら土台の上に個性が載り、偏印が先で正印が後なら直感を後から理屈で裏付ける形になります。

どちらの印星がどの柱に付いているかで領域が変わります。年柱なら家系や幼少期の教育環境、月柱なら職業と学びの経路、日柱なら本人の思考の癖と配偶者、時柱なら晩年と子から受けるもの。同じ正印でも、月柱にあれば仕事の資格として、時柱にあれば老後の学び直しとして出ます。

印星が命式にまったくない人もいます。それは学べないという意味ではなく、支えを外から借りずに自分で立つ形です。守りの星がない分、食傷や財で外に向かう力が素直に出ます。

自分の命式に正印と偏印がどこにいくつあるかは、生年月日と出生時刻から計算できます。

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