各社の新モデル発表が連続する中で、ぶっちゃけ一番 地味 なモデルチェンジを果たしたのが GIANT TCR かもしれません。実際は地味ではなく、凄まじい積み重ねの成果ですが、形状のどかーんとした変更がないから、そう思っているひとも結構いるかもしれません。

 

前作を否定するかのような数値的なスペックが並んぶ、、、そんなのばっかりがモデルチェンジの全てではないと思うのです。

 

僕の中では 自己否定に匹敵するほどの革新に挑戦できないようなメーカーは進歩がない とも思っていますが、同時に積み重ねていくだけの覚悟と企業体力が無いのもダメだと思っています。

 

GIANT TCR は、初見では正直 「またコレ?」 とすら思いました。(ごめん。まぢごめん)

だって、僕、今まで累計4本のTCR買ってるんですよ。サイズ違い買ったことまであるんですよw アルミもカーボンも。スローピングフレームの登場だって今では褒め言葉として添えられるけど、当時は袋叩きに近いレベルだった。乗らずしてここまで否定されてしまうという、趣味の世界の闇を見たとも思ったし、ならば自分は触れて学んで知ろうとも思った、きっかけのバイクでもあるのです。

 

そして名前も変えず、様々なモデルチェンジを繰り返しつつ、20年近い研鑽が辿り着いた結果が最新のTCR。そのこだわりはファナティックであり、畏怖すら感じます。

 

 

積極的なパワーメーターの搭載。カーボンホイールやチューブレスタイヤの初期搭載など様々な提案を盛り込みつつ、ケーブルルートはフル内装としないところは実戦的でもあり、実用的だと思います。GIANTのウリのひとつはコスパとも言われますが、ユーザーが手にしてからの実際のランニングコストまで考えれば、シンプルなコックピット環境の取捨選択はプラスでしょう。

 

 

乗ってみると、踏み出しの軽さ、バイクの振りの俊敏さは最強ですが、接地感が高いことにも驚きます。今にして思えば、初代から中期あたりのTCRはフロントフォークのねじれで惜しい感覚を残していたように思いますが、それも今は昔。どの工夫点も他の要素と融合しているように感じます。

 

そして、見た目では懸念材料だったダウンチューブの太さが空力の足を引っ張っていないことに驚きます。フロントフォークから空気の流れが整流されて、バイク全体のエアロダイナミクスを”作っている”感じがわかります。

 

僕は 研鑽 という言葉が好きなのですが、研ぎ磨き、穴を穿ち、切り、削り出す というおよそ工業製品への称賛のすべてが詰まったように感じるこの言葉は、TCRのためにあるんじゃないのかとすら思います。素晴らしいバイクはたくさんありますが、ここまで突き詰められるのかという、そういう畏怖があります。

 

 

キャリパーブレーキモデルもコスパだけでなく、性能面でもおすすめです。完成された一台でもあり、ヒルクライムやホビーレーサーにとって間違いのない一台になると思います。

 

ご興味お有りの方はお声がけ下さいませ。最後にGIANTのYOUTUBE貼っておきますw