先週7月末、梅雨明けと共に開催されたビアンキライドに参加させてもらいました。勉強になったこと多かったです。

 

ビアンキビーチハウスにも行きました。おしゃんてぃ!

 

まずは勉強会。本国からCEO、マネージャー、プロダクトマネージャーなどが4人来日してくれました。開口一番、

 

「ビアンキはピュアレーシングブランドです」

 

そう!ビアンキはそもそもゴリゴリのレーシングブランドなのです。時代、時代の英雄とともにビアンキとチェレステはロードレース界の王道を歩んできたブランドです。もちろん、シティバイクやクロスバイクなども素晴らしいバイクですが、それはレーシングブランドとしての本道ありきのラインナップ。ただ、近年、世界的にも多くの人の目には「ビアンキって本格的なロードバイクもあるよね」になっていた部分はあると思います。(実際、その話は本社スタッフとも話しました)

 

 

1885年から続く歴史において、ブランドは変化していくのが必然。しかし、今、この時にあって、ビアンキが掲げる旗は、「自分たちは常に真のレーシングブランドなのだ」ということ。

 

その原点回帰、、、、 

まさに王の帰還!

 

プレゼンテーションでは控えめに丁寧に説明していましたが、一見一聴すると「どこのブランドでも言っていることやっていること」のようで、実際には「言ってるだけやった体裁だけ」のブランドも多いことにも彼らは真剣に取り組んでいるわけです。

 

事実!プロチームの勝率は4年前の2倍以上、っていうか!まだシーズン終わってねぇぇ!!オルトレXR4以降の勝ち星がエグい!まぁ、だからうちも取り扱い開始させてもらったんですけどね。機材スポーツである限り、勝てる機材、魅力ある機材を生み出せるメーカーには必ずサインがあるので。

 

もうね、こういう座学とかプレゼンテーションは、8時間でも9時間でもぶっ通してくれていいですよ。聞かせてくれるなら、自腹でイタリア行くし。だって、それぞれのマネージャーは膨大なリサーチとそこから引き出される情報を精査して、開発に取り組むわけですよ。リスペクトしかない!

 

 

プレゼンのあとはビアンキビーチハウスへバスで移動。寝不足だったのでうとうとしている間にタイヤ交換の夢を見たのは、私の旧勤め先のスタッフたちの会話のせいだと思ふ。みんな自転車好きだねw

 

で、オシャンティなドリンクを飲ませてもらいながら談話タイム。ビアンキスタッフとお話させてもらいました。他社の動向、ユーザーのニーズなんかを真剣に聞いてくれるし、なんたって私のいんちき英語に嫌な顔ひとつせず、真剣にトークしようとしてくれる。感謝です。

 

「おまえ、プレゼンの時にめっちゃペン動かしてメモ取りまくってたなw」

 

錦「プリモシュのTTぐらい早くペン先動いてたでしょ?」

 

ぶわっはははは!ウケる~!

 

「真剣に聞いてくれて嬉しいよ~」

 

錦「いやこちらこそ、素晴らしいプレゼンテーションにサンキューベリマッチですわ!」

 

めっちゃペン動かすとか小、中、高専の先生が聞いたら涙を流すでしょう。「錦織が、、、ペンを持ってる!?」ってくらいに。クララが立ったレベルだと思いますw だって、聞き逃さないためにICレコーダー回しているけど、やっぱメモ取ると違いますもん。好きなことの勉強は楽しいっす。

 

風が強すぎて、このあと僕らの飯は吹き飛ばされたwでも爆笑w(実話)

 

ヒルクライムモデルであるスペシャリッシマはヨーロッパでは日本以上に人気で評価が高いそうです。日本ではオルトレXR4がやっぱり人気。スペシャリッシマも海外では「値段の高さ以外は最高の一台」って言われているくらいですが、日本だとちょっと浸透してないかな。もったいないので僕も頑張って知ってもらえるようにします。

 

あと カウンターヴェイルって難しいんすか(こんな雑な聞き方はしてないよ) って聞いたら、めっちゃ難しいって言ってました。「選手が求めるエアロダイナミクスと振動吸収性を両立するのは重要だけど、振動吸収性の高さが 姿勢の狂い になるようなのは駄目なんだ。すごく多くの研究開発を求められる。でもカウンターヴェイルの研究開発から見つかる多くの工夫がラインナップ全体にも良い方向に影響するよ」 ってことでした。素晴らしいですね。俺がもっとちゃんと英語できたら良かったですわ。ほんとにね。(反省)

 

というわけで、一気にインプレ!ざっくり!撮影忘れたものも多いので勘弁!

 

①スペシャリッシマ

や~これ、ちょっと今までちゃんと乗らなかったの後悔したな~すげーいいバイク。 でも評価が分かれる理由もわかる。っていうか、脳内にゴールスプリントとかがあったり、点数つけてインプレするなら評価下がると思う(ちなみに錦織は点数つけるインプレ好きくないのでしません)

 

すごい高級な味付けというか、細部に隠された工夫点多すぎ。前日、ビアンキ本国スタッフと話したおかげで「あ~なるほど」ってわかるくらい隠し味すごいバイク。ヒルクライムバイクって言うのは呼び名の半分しか言ってない、下りがめちゃ速えぇ。でも全然怖くない。巡航はオルトレに敵うわけないけど、剛性感高く、ライダーへのフィードバックも早く、加速反応は瞬速。

 

今の時代、エアロ含めたオールマイティバイクの中でもさらに成否の分かれる機材戦争の時代においては、流れの外にあるバイクですね。このバイクの選手の使用頻度が減っているのは、オルトレXR4の完成度の高さもあるけど、レースの展開スピードが早くなっているからでしょうけど、ホビーライダーには十分なエアロダイナミクス隠されているな~

 

自分だったら、軽さに引っ張られずにむしろしっかりしたパーツ構成で仕上げて、7キロオーバーになっちゃってもいいと思いました。ヒルクライムバイクとして本領発揮させるなら7キロ以下。オールラウンドモデルとして仕上げるなら、4センチ位のディープホイールでねじれ剛性の高いものを合わせて、タイヤも変に軽くしないで、しっかりしたものにするとめちゃめちゃ特別な味付けになってくれそう。あ、だからスペシャリッシマか。

 

 

 

②オルトレXR4 キャリパー/ディスク

オールマイティモデルの代表格は僕の中ではピナレロDOGMA F10/F12とビアンキOLTRE XR4です。どちらもハッタリではないリアルな性能を発揮して、戦績と実戦投入状況がそれを証明している。そういう感じ。当店がビアンキ扱わせてほしいとお願いしたのはXR4に僕が試乗して、ズガガン!となったからw

 

今さらインプレの必要性がないと思うので、よくあるご質問について。(手抜きじゃないょ)

 

オルトレはディープリムじゃないと駄目なのかを気にしている人は本当に多くて、予算的にカーボンホイールまで買えないから諦めている人は、本当にその誤解をパーツクリーナーとメカタオルで拭き取ったほうがいいと僕は思います。ホイール、なんでも合うと思います。プロ選手のパーツチョイスは、そもそもの環境が異なることも多いし、あれを絶対的な最適解だと思いすぎないほうがいいです。(もちろんひとつの最速仕様であることは事実ですけどね)

 

登れるエアロバイク以上のオールラウンダーバイク!これは数少ない、真のオールラウンダー。ある意味、登れるエアロとも言えるけど、スペシャのVENGEディスクとかと同じセグメントではないですね。グランツール3週間を戦いきれる性能。

 

登りながらラインを変えるときも素早いし、下りでもバイクが振動でビビって浮いてくるような感じはゼロ。カウンターヴェイル凄すぎ。F1だったら禁止か全チームに使わせろってレベルなんじゃない?って思うほどです。

 

ディスクブレーキモデルどうなの?ってところは、メーカーによっては「おいおいディスクブレーキなめてんのか?台座だけつけりゃいいんじゃないんだぞ」ってところもあるとかないとか言いますが、オルトレはシェイプ大きく変わんないけどビシッとしてとてもナイス!

 

オルトレXR4ディスクは現時点ではハンドルセットがメトロン指定なのですが、ノーマル対応の追加パーツキットも今後出てくるそうです。

 

それぞれのフレームはもちろん積層も違うんだろうし、キャリパーブレーキモデルはバイクのフリの軽さ、ディスクブレーキモデルは低重心でスピードコントロールしやすいブレーキシステムのメリットがちゃんと出ている良作でしたね。

 

高い剛性は嫌な顔の出し方をしないし、トータルバランスで考えると、現状手に入るレーシングバイクでは一番コスパが高いと思います。

 

③インフィニートCV

これは完成度高いバイク。登る登る。ロングホイールベースのコンパスの長さを活かすための剛性が十二分に確保されていて、嫌な力の抜けは一切無い。たぶん剛性数値は高いはずだけど、カウンターヴェイルと微妙にしならせる部位の使い分けが秀逸。振動の収束、ノイジーな振動のキャンセリング、そのふたつの高い性能に高剛性、ハイクリアランスな設計、、、最強かよってくらいです。

 

TREKドマーネがモデルチェンジして、エアロでグラベルも行けるマルチバイクになったけど、全体重量を軽くするメリットではインフィニートCVが勝っているでしょう。うちの仕事を担当してくださっているビアンキ代理店のSさんは32Cのグラベルキングと合わせて使っているって言ってたけど、「うわ~それ日本国内全部それでいけるんちゃう?」ってくらい合うだろうな~それええな~って走りながら思いましたね。

 

意図的に深く切り返したりすると、スペシャリッシマ、オルトレよりも旋回半径が大きくなるけど、それは重箱の隅をつつく話。コーナーからの立ち上がりはもっさりしてないし、バイクのフリが大きすぎて扱いにくいこともない。カウンターヴェイルがあるから”しならせないでも振動を吸収できる部位”は明らかに硬くソリッドに仕上げていると思います。これ、似たような形のバイクじゃできないことですね。

 

DOMANEみたいなISOスピード機構がない、ノンギミックのエンデュランスモデルとしては最高の完成度かも。登るときの安定感、直進性は本当に良かった。ホイール全然軽くない試乗車だったけど、引きずる感じは一切出なかったですね。軸剛性が高い証拠でしょう。インフィニートCVはホント登ります。上り嫌いの僕が言うんだから間違いないですw

 

 

これ全部オレの。というラインをみんなに送りまくってごめんなさい。

 

次回ブログではスプリントや当店来シーズンイチオシのインフィニートXEを書きますね。