シマノの新しいチェーン表面加工技術「SILTEC」
新商品からはプレートだけでなく、ローラー部にもSILTECコーティングが施されているものも登場です。
このSILTEC テフロン系コーティングなのですが、チェーンの箱を開けると 「中性洗剤で洗浄してください」と表記があります。新しいパッケージは柔らかい文言だったりするのですが、ちょっと前のやつはそうしないと壊れちゃうかもよ的な書き方でした。アルカリ性や酸性のクリーナーに漬けないでと書いてあったわけです。表面処理を守る意味では、リスクヘッジ的に書いてあるのもわかるんですが、、、
そうなるとフィルタークリーナーとかの強い有機溶剤での洗浄はいろいろダメなのか?? 心配になるのですが、なかなかはっきりした答えが出ません。簡単に結論を出すのもなんか嫌ですw
テフロンコーティングであるということが使用するべき油を変えてしまうのか。
洗浄において中性洗剤はチェーンそのものにダメージは与えないのはわかるけど、洗浄力もそれなり。。。どうしたらいいんじゃ~!?
ということで、聞いてきましたぉ。(・ω・)b
あえて 回答者のソースは明かしません が、シマノ関係者かもしれません、そうではないかもしれませんです。複数の方に教えて頂いた内容を総括しています。シマノのシャツを着た関係者に扮した人物かもしれません。
以下、Qは錦織 Aはシマノの関係者のような未確認人物だと思って読んで下さい。
Q 「新しいチェーンのなかにがっちり中性洗剤で洗ってね!みたいな表記あるっすよね? サビ落としのアルカリ性、あるいは酸性 の洗浄液は決して使用しないで下さい。壊れちゃうかもよ!?って、今までにない強い文言だし。」
A 「そうですね。アルカリ性、酸性どちらに対してもテフロン自体は強い化学薬品耐性を持っているので、それ自体で表面処理を大きく犯すようなことは無いんですが、強い溶剤で洗浄するとローラーに封入したグリスが完全に溶かされてしまうんですね。
その後、十分に強い荷重に耐えられる潤滑を施してもらえれば問題は無いのですが、その段階でシマノが初期に提供した状態からは大きく異るコンディションになります。
内部のグリスが溶けて流出し、潤滑が行き届かない状態で、さらにアウターxローとかのたすき掛けに近い状態のギア比で走行した場合に、チェーンプレートにクラックが入る可能性はあります。」
Q 「実際に発生している事例もありますか?」
A 「東北地方以北の 気温が低いコンディション で有機溶剤で洗浄後のチェーンに施した油が効果を発揮せず、クラックが入った事例はあります。悪い状態がたまたま重なった状態だと思うんですが、チェーンプレートにクラックが入ることは軽視できない。
もともとあらゆるチェーンは寿命もありますが、多段化が進んだ現在ではシビアになっていることは事実です。その解決を特定の自転車に詳しいユーザーだけでなく、あらゆるユーザーに提示するべくシルテックなどのコーティングの研究を進めているんです。」
Q 「そうなるとチェーン販売時に粘性、耐荷重性の高いグリスをローラー奥に塗るから、できるだけそれを溶かし出さずに、注油は定期的に行って欲しいと?」
A 「そうですね。チェーンの洗い方、油の使い方はそれぞれのユーザーさんのお好みもあるのですが、商品として一定のガイドラインの提案の必要はありますからので。」
Q 「それはそうですね。国によっては即裁判だったりするから、グローバル企業は大変だ~」
A 「メーカーとしては、マニュアルに書いてある通りの指示に従って下さい。としか言えません。 最近多いのは、チェーンの洗浄液を使っても水で洗い流されないで注油して、指した油は意味を成さないので走りだしてしばらくしたらギッシギシ。プレートそのものやローラーに削れが起きちゃっていおる状態は多いです。そのリスクもシマノでは、購入者が悪いだけじゃなくて、できるだけ問題が起きないように工夫する義務があると考えます。」
Q 「11段チェーン、やっぱ寿命短くなっていますよね?」
A 「薄くなっていますから、変速段数が少ないものよりは多いものは寿命は短くなります。電動変速や新しい変速機の素早い動作で、ライダーの変速回数そのものも増えているんですよ。
乗っているライダーはなかなか気づかないのですが、多段化はワイドレシオ化だけでなく変速回数の増加も進めているので。それだけベストギアを選べるようになっているんですが、チェーンの方は仕事量が増えるのに薄くつくらなきゃいけないから。。。」
Q 「たいへんすねwww」
A 「たいへんすよwww すごい頑張っているんですよ。MTBとかスプロケ巨大になっているしwww」
Q 「テフロンコートの話に戻るんすけど、テフロンって既に表面コートされているから潤滑が噛まないというかテフロンの上に浮いちゃっているってことないですか?」
A 「シマノとしては使用する潤滑剤にまで現時点では指定は入れていませんが、表面コートが変わっているのでそういう現象は多少出るかもしれません。」
Q 「ワックス系の潤滑オイルとかって、テフロンフライパンの上のバターみたいになったりするのかな~とか心配なんですけどね~」
A 「うぅ~ん、そう言われると怖くなりますね。ローラー内に留まる分もあるから無意味ってことはないですけど、そのへんはオイルメーカーさんのほうが詳しいでしょうしね~」
Q 「ありがとうございました。いつも勉強になります。」
もっと表面処理とか化学的側面に詳しい方にとっては色々な意見もあると思うのですが、とりあえず錦織がシマノのチェーンについて聞いてきたことの殆ど全部です。
んで、この問題、ずっと気になっていたので オイルやさんには事前に相談しておりました。
シマノチェーンの、そもそもの前提条件が定まっていない中で僕が質問したことへの回答なので、これが最終回答ではないのですが、
① シマノがアルカリ性酸性ともに使用せずに洗浄しないとこわれちゃうかもよ?と書いている。
② テフロン系コーティングになっちょる
というふたつの前提に対して、ということです。
うちで代表的に販売させてもらっている2ブランドについては、下記のような答えを頂きました。
「ワコーズさん」
① チェーン母材への攻撃性うんぬんについて調べていないので、その部分の答えが出せません。が、前提条件に則して考えるなら、スプレー式よりも「リキッド」のほうが適していることになりますね。
② これも攻撃性を検証していませんが、パーツクリーナーやフィルタークリーナーでの洗浄でも問題無いと思いますが、より大事を取るのならシールを犯さない「チェーンクリーナー」での洗浄を推奨することになると思います。
「ナスカルブ」
① 噴射式、添加式ともに問題ありません。
② 噴射式のスプレーでも内容本体を飛ばすためにシャバシャバにしている(=効果が下がる)わけではないですし、噴射剤は揮発して対象物を犯すことはないです。テフロン表面の効果と極圧状態での効果はまたいろいろ別種で、むしろそういったチェーンのねじれやたわみが不安要素になるところではナスカルブは強いです。
ということで、基本的には丁寧に作業してもらえば、ある程度は従前と同じでいいと思います。ただ、錆落としなどは表面を攻撃してサビ落としているので(溶かしている)シルテックにはNGでしょう。まぁ、シルテックでなくても多段化チェーンにはあんまり良くないです。
聞いてきたことをダラダラと長く書いてしまいました。
でもお話をお聞きしたどの方も「気にしすぎ」とか「考えすぎ」とは絶対に思わず、一緒になって真剣に考え、答え、学ばせてくださいます。
チェーンの一コマ、油の一滴に愛があるんですよね。それは時に「変態」と呼ばれることもあるはずです。
今日もチェーンの一コマに、油の一滴に愛を込める変態がいる。
クールジャパン!!
。。。。。。。。。。。。。。なんだこのブログ?ひでぇ!!( ̄□ ̄;) と読み返して思う錦織でした。
新商品からはプレートだけでなく、ローラー部にもSILTECコーティングが施されているものも登場です。
このSILTEC テフロン系コーティングなのですが、チェーンの箱を開けると 「中性洗剤で洗浄してください」と表記があります。新しいパッケージは柔らかい文言だったりするのですが、ちょっと前のやつはそうしないと壊れちゃうかもよ的な書き方でした。アルカリ性や酸性のクリーナーに漬けないでと書いてあったわけです。表面処理を守る意味では、リスクヘッジ的に書いてあるのもわかるんですが、、、
そうなるとフィルタークリーナーとかの強い有機溶剤での洗浄はいろいろダメなのか?? 心配になるのですが、なかなかはっきりした答えが出ません。簡単に結論を出すのもなんか嫌ですw
テフロンコーティングであるということが使用するべき油を変えてしまうのか。
洗浄において中性洗剤はチェーンそのものにダメージは与えないのはわかるけど、洗浄力もそれなり。。。どうしたらいいんじゃ~!?
ということで、聞いてきましたぉ。(・ω・)b
あえて 回答者のソースは明かしません が、シマノ関係者かもしれません、そうではないかもしれませんです。複数の方に教えて頂いた内容を総括しています。シマノのシャツを着た関係者に扮した人物かもしれません。
以下、Qは錦織 Aはシマノの関係者のような未確認人物だと思って読んで下さい。
Q 「新しいチェーンのなかにがっちり中性洗剤で洗ってね!みたいな表記あるっすよね? サビ落としのアルカリ性、あるいは酸性 の洗浄液は決して使用しないで下さい。壊れちゃうかもよ!?って、今までにない強い文言だし。」
A 「そうですね。アルカリ性、酸性どちらに対してもテフロン自体は強い化学薬品耐性を持っているので、それ自体で表面処理を大きく犯すようなことは無いんですが、強い溶剤で洗浄するとローラーに封入したグリスが完全に溶かされてしまうんですね。
その後、十分に強い荷重に耐えられる潤滑を施してもらえれば問題は無いのですが、その段階でシマノが初期に提供した状態からは大きく異るコンディションになります。
内部のグリスが溶けて流出し、潤滑が行き届かない状態で、さらにアウターxローとかのたすき掛けに近い状態のギア比で走行した場合に、チェーンプレートにクラックが入る可能性はあります。」
Q 「実際に発生している事例もありますか?」
A 「東北地方以北の 気温が低いコンディション で有機溶剤で洗浄後のチェーンに施した油が効果を発揮せず、クラックが入った事例はあります。悪い状態がたまたま重なった状態だと思うんですが、チェーンプレートにクラックが入ることは軽視できない。
もともとあらゆるチェーンは寿命もありますが、多段化が進んだ現在ではシビアになっていることは事実です。その解決を特定の自転車に詳しいユーザーだけでなく、あらゆるユーザーに提示するべくシルテックなどのコーティングの研究を進めているんです。」
Q 「そうなるとチェーン販売時に粘性、耐荷重性の高いグリスをローラー奥に塗るから、できるだけそれを溶かし出さずに、注油は定期的に行って欲しいと?」
A 「そうですね。チェーンの洗い方、油の使い方はそれぞれのユーザーさんのお好みもあるのですが、商品として一定のガイドラインの提案の必要はありますからので。」
Q 「それはそうですね。国によっては即裁判だったりするから、グローバル企業は大変だ~」
A 「メーカーとしては、マニュアルに書いてある通りの指示に従って下さい。としか言えません。 最近多いのは、チェーンの洗浄液を使っても水で洗い流されないで注油して、指した油は意味を成さないので走りだしてしばらくしたらギッシギシ。プレートそのものやローラーに削れが起きちゃっていおる状態は多いです。そのリスクもシマノでは、購入者が悪いだけじゃなくて、できるだけ問題が起きないように工夫する義務があると考えます。」
Q 「11段チェーン、やっぱ寿命短くなっていますよね?」
A 「薄くなっていますから、変速段数が少ないものよりは多いものは寿命は短くなります。電動変速や新しい変速機の素早い動作で、ライダーの変速回数そのものも増えているんですよ。
乗っているライダーはなかなか気づかないのですが、多段化はワイドレシオ化だけでなく変速回数の増加も進めているので。それだけベストギアを選べるようになっているんですが、チェーンの方は仕事量が増えるのに薄くつくらなきゃいけないから。。。」
Q 「たいへんすねwww」
A 「たいへんすよwww すごい頑張っているんですよ。MTBとかスプロケ巨大になっているしwww」
Q 「テフロンコートの話に戻るんすけど、テフロンって既に表面コートされているから潤滑が噛まないというかテフロンの上に浮いちゃっているってことないですか?」
A 「シマノとしては使用する潤滑剤にまで現時点では指定は入れていませんが、表面コートが変わっているのでそういう現象は多少出るかもしれません。」
Q 「ワックス系の潤滑オイルとかって、テフロンフライパンの上のバターみたいになったりするのかな~とか心配なんですけどね~」
A 「うぅ~ん、そう言われると怖くなりますね。ローラー内に留まる分もあるから無意味ってことはないですけど、そのへんはオイルメーカーさんのほうが詳しいでしょうしね~」
Q 「ありがとうございました。いつも勉強になります。」
もっと表面処理とか化学的側面に詳しい方にとっては色々な意見もあると思うのですが、とりあえず錦織がシマノのチェーンについて聞いてきたことの殆ど全部です。
んで、この問題、ずっと気になっていたので オイルやさんには事前に相談しておりました。
シマノチェーンの、そもそもの前提条件が定まっていない中で僕が質問したことへの回答なので、これが最終回答ではないのですが、
① シマノがアルカリ性酸性ともに使用せずに洗浄しないとこわれちゃうかもよ?と書いている。
② テフロン系コーティングになっちょる
というふたつの前提に対して、ということです。
うちで代表的に販売させてもらっている2ブランドについては、下記のような答えを頂きました。
「ワコーズさん」
① チェーン母材への攻撃性うんぬんについて調べていないので、その部分の答えが出せません。が、前提条件に則して考えるなら、スプレー式よりも「リキッド」のほうが適していることになりますね。
② これも攻撃性を検証していませんが、パーツクリーナーやフィルタークリーナーでの洗浄でも問題無いと思いますが、より大事を取るのならシールを犯さない「チェーンクリーナー」での洗浄を推奨することになると思います。
「ナスカルブ」
① 噴射式、添加式ともに問題ありません。
② 噴射式のスプレーでも内容本体を飛ばすためにシャバシャバにしている(=効果が下がる)わけではないですし、噴射剤は揮発して対象物を犯すことはないです。テフロン表面の効果と極圧状態での効果はまたいろいろ別種で、むしろそういったチェーンのねじれやたわみが不安要素になるところではナスカルブは強いです。
ということで、基本的には丁寧に作業してもらえば、ある程度は従前と同じでいいと思います。ただ、錆落としなどは表面を攻撃してサビ落としているので(溶かしている)シルテックにはNGでしょう。まぁ、シルテックでなくても多段化チェーンにはあんまり良くないです。
聞いてきたことをダラダラと長く書いてしまいました。
でもお話をお聞きしたどの方も「気にしすぎ」とか「考えすぎ」とは絶対に思わず、一緒になって真剣に考え、答え、学ばせてくださいます。
チェーンの一コマ、油の一滴に愛があるんですよね。それは時に「変態」と呼ばれることもあるはずです。
今日もチェーンの一コマに、油の一滴に愛を込める変態がいる。
クールジャパン!!
。。。。。。。。。。。。。。なんだこのブログ?ひでぇ!!( ̄□ ̄;) と読み返して思う錦織でした。