ぼちぼち、もうすぐ?デリバリー開始となるデュラエース9000系。
専門誌のインプレッションも進んでいるので、いろいろ検討している方も多いはずです。えっと、一日3件くらい電話問合わせがあるのですが、電動は予定では3月頃になりそうです。完成車メーカーへのOEM供給分はもちろん、それよりは、早いと思いますが、なんとも言えません。まずはケーブル式ということです。
まず、今回の9000系。前評判は極めて高いのですが、まったくもってそのとおり!!素晴らしいコンポーネントになっています。電動シフト化が一気に進みきってしまうかと思いましたが、9000系の登場でケーブルタイプも電動もちゃんと進歩していると思います。(つっても電動がまだですけどね)
まず肝心かなめのレバー動作ですが、7900系で苦労した「ちょっと太め」なブラケットはムチャクチャコンパクトになり、しかもレバー動作はストローク全域を通じてウルトラスムーズです。
これはレバー各部の変更と合わせて、新型のケーブルセットが採用されたことが大きいです。
新型のポリマーコーティングケーブルは、ステンレスケーブルを面でコーティングするのではなく、ポリマー繊維をスパイラル状に巻きつけている点が重要。
ちなみにコーティングケーブルのライバルになるとかならないとか言われているゴアは「ケーブル事業から撤退するみたい」です。(当店でずっと在庫してこなかった理由もいまさらですがこういう理由。錦、ずっと前、現在の商品構成よりもずっと前、ゴアケーブルけっこう使ってたんですが、①フルライナーにしないとコーティング剥がれる ②コーティング剥がれるとけっこうメリット消失 ③しかもどんどん捲れてくる という点と対費用効果で考えた場合に微妙だったのです。交換すると劇的に引きは軽くなるんですけどね。あとは、ぜったいまた撤退するよね?と疑っていたのでw)
話をデュラのケーブルに戻します。
①このポリマーケーブルは、アウターケーブル内においてもチューブとインナーケーブルが面接触でなく点接触になることでグリスの残留も良くなります。
②ポリマーに対しての耐薬品性ですが、想定外の長時間有機溶剤に晒すとかでないかぎり、ある程度の耐薬品性を考慮しているそうです。(シマノ関係者に確認しました)
③ブレーキ、シフトともにシマノのSIS SP-41用のシリコングリスを使用することになります。
④RD-9000リアメカのシフトケーブル固定ボルトまでのケーブル角度が急角度になります。この部分では100%ポリマー剥がれると思います。シマノさんに聞いたところ
シマノさん 「想定内です」
シマノさん 「この部分のポリマーが摺動で削れても抵抗が増加することはありません。(^_^)」
錦織 「ポリマー剥がれをさけるためにライナー付属のシフトアウターキャップとかを使用するとかの意見は出てくると思いますが?」
シマノさん 「フレームのブレーキアウター受けなどのように金属バリ(もしくはカーボンバリ)などが出ているところをさけるための工作パーツは他社商品であると思いますが、ディレイラー終端になる部分は変速動作の最重要な位置になります。ここに不確定なライナーをかませたりすると、そこが潰れた際のテンション変化が推察できないことになります。個別の作業についてはプロメカニックにお任せする範囲もあるかと思いますが、ポリマーコーティングは剥がれないようにするためではなく摺動抵抗の軽減が目的で、メインになるのは配線の大部分であるアウターケーブル内部にあります。」
シマノさん「RD-9000では、変化の大きくなるロー側に行くに従い、ケーブルが直線的に引き込める設計にしているので、そういったガイドは排除しました。」
錦織「ポリマー剥がれは見た目的には気になりますが、動作の軽さは「劇的」だと思っています。」
シマノさん「ポリマーを面コートにすると一部の剥がれがあっというまに拡大しますが、スパイラルさせているので剥がれた部分は、その部分だけで完結することになります。結果的にコーティングのメリットと問題点を解決する方法になっていると思います。」
錦織「おっしゃるとおりだと理解しました。販売開始を楽しみにして、ユーザーさまに情報をお伝えできるように販売店として努力します。ありがとうございました。」
とまぁ、こんな感じで問い合わせしてきました。さすがシマノさんは知り尽くしていらっしゃるので適切に解説してくださいました。わかっていても作り手側に確認させて頂くことで僕らも情報が確実性をモチますからね。
当店にも近日入荷します。まずは170ミリクランクセットが最初だと思いますが、早い段階で他のコンビネーションもご用意できるようになるでしょう。お楽しみに。
追記
納期とか従来品との互換についての御相談をたくさんいただいています。すいません、ケーブル単体の納期は僕にもわかりません(泣)
従来品との互換ですが、ポリマーコーティングのため、従来のブレーキのインナー固定ボルトでは滑りが出るので、固定しきれないと言われていますが、これは7900系のPTFEでも最初の頃には言っていました。(その後に固定トルクを上げるように指示が出ましたが、ポリマーはトルクだけじゃダメ)
今回は、滑りますと念押ししているので、滑るんでしょうが、じゃあどうやってBR9000で滑らないようにしているかを再確認してからという感じです。プレートの噛みこみを強くするとか、挟み込みの面積を増やすしか方法が無いですが。
ポリマーコートそのままでは確かに滑るのはよくわかるので、コートをペーパー掛けすればイケるのか、そうではないのか。現物が流通してから試してみるしかないですね~(とはいえ、現時点ではメーカー非推奨なのでダメということです)
このあたりは国内流通が大きく動き出してからになります。しばらくお時間下さいませ。
まれに御相談頂くことがあるのですが、通販などの他店様で御購入になられたコンポーネントを含むお持ち込み部品に関してましては、弊社通常作業とは同じ扱いでは作業できません。(お持ち込み乗せ換え工賃¥31500~ 無保証 初期のび修正作業のみ無料 以後の点検調整は都度実費となります。あらかじめご理解ください。) これはお持ち込みになられて、作業をご依頼頂く場合、全てにおいて同様です。弊社では基本的に通常工賃の倍、無保証とさせて頂いております。また商品の安全性や作業の確実性が我々で確認出来ない場合には作業をお受けすることが出来ません。合わせてご理解下さいますようお願い申しあげます。
専門誌のインプレッションも進んでいるので、いろいろ検討している方も多いはずです。えっと、一日3件くらい電話問合わせがあるのですが、電動は予定では3月頃になりそうです。完成車メーカーへのOEM供給分はもちろん、それよりは、早いと思いますが、なんとも言えません。まずはケーブル式ということです。
まず、今回の9000系。前評判は極めて高いのですが、まったくもってそのとおり!!素晴らしいコンポーネントになっています。電動シフト化が一気に進みきってしまうかと思いましたが、9000系の登場でケーブルタイプも電動もちゃんと進歩していると思います。(つっても電動がまだですけどね)
まず肝心かなめのレバー動作ですが、7900系で苦労した「ちょっと太め」なブラケットはムチャクチャコンパクトになり、しかもレバー動作はストローク全域を通じてウルトラスムーズです。
これはレバー各部の変更と合わせて、新型のケーブルセットが採用されたことが大きいです。
新型のポリマーコーティングケーブルは、ステンレスケーブルを面でコーティングするのではなく、ポリマー繊維をスパイラル状に巻きつけている点が重要。
ちなみにコーティングケーブルのライバルになるとかならないとか言われているゴアは「ケーブル事業から撤退するみたい」です。(当店でずっと在庫してこなかった理由もいまさらですがこういう理由。錦、ずっと前、現在の商品構成よりもずっと前、ゴアケーブルけっこう使ってたんですが、①フルライナーにしないとコーティング剥がれる ②コーティング剥がれるとけっこうメリット消失 ③しかもどんどん捲れてくる という点と対費用効果で考えた場合に微妙だったのです。交換すると劇的に引きは軽くなるんですけどね。あとは、ぜったいまた撤退するよね?と疑っていたのでw)
話をデュラのケーブルに戻します。
①このポリマーケーブルは、アウターケーブル内においてもチューブとインナーケーブルが面接触でなく点接触になることでグリスの残留も良くなります。
②ポリマーに対しての耐薬品性ですが、想定外の長時間有機溶剤に晒すとかでないかぎり、ある程度の耐薬品性を考慮しているそうです。(シマノ関係者に確認しました)
③ブレーキ、シフトともにシマノのSIS SP-41用のシリコングリスを使用することになります。
④RD-9000リアメカのシフトケーブル固定ボルトまでのケーブル角度が急角度になります。この部分では100%ポリマー剥がれると思います。シマノさんに聞いたところ
シマノさん 「想定内です」
シマノさん 「この部分のポリマーが摺動で削れても抵抗が増加することはありません。(^_^)」
錦織 「ポリマー剥がれをさけるためにライナー付属のシフトアウターキャップとかを使用するとかの意見は出てくると思いますが?」
シマノさん 「フレームのブレーキアウター受けなどのように金属バリ(もしくはカーボンバリ)などが出ているところをさけるための工作パーツは他社商品であると思いますが、ディレイラー終端になる部分は変速動作の最重要な位置になります。ここに不確定なライナーをかませたりすると、そこが潰れた際のテンション変化が推察できないことになります。個別の作業についてはプロメカニックにお任せする範囲もあるかと思いますが、ポリマーコーティングは剥がれないようにするためではなく摺動抵抗の軽減が目的で、メインになるのは配線の大部分であるアウターケーブル内部にあります。」
シマノさん「RD-9000では、変化の大きくなるロー側に行くに従い、ケーブルが直線的に引き込める設計にしているので、そういったガイドは排除しました。」
錦織「ポリマー剥がれは見た目的には気になりますが、動作の軽さは「劇的」だと思っています。」
シマノさん「ポリマーを面コートにすると一部の剥がれがあっというまに拡大しますが、スパイラルさせているので剥がれた部分は、その部分だけで完結することになります。結果的にコーティングのメリットと問題点を解決する方法になっていると思います。」
錦織「おっしゃるとおりだと理解しました。販売開始を楽しみにして、ユーザーさまに情報をお伝えできるように販売店として努力します。ありがとうございました。」
とまぁ、こんな感じで問い合わせしてきました。さすがシマノさんは知り尽くしていらっしゃるので適切に解説してくださいました。わかっていても作り手側に確認させて頂くことで僕らも情報が確実性をモチますからね。
当店にも近日入荷します。まずは170ミリクランクセットが最初だと思いますが、早い段階で他のコンビネーションもご用意できるようになるでしょう。お楽しみに。
追記
納期とか従来品との互換についての御相談をたくさんいただいています。すいません、ケーブル単体の納期は僕にもわかりません(泣)
従来品との互換ですが、ポリマーコーティングのため、従来のブレーキのインナー固定ボルトでは滑りが出るので、固定しきれないと言われていますが、これは7900系のPTFEでも最初の頃には言っていました。(その後に固定トルクを上げるように指示が出ましたが、ポリマーはトルクだけじゃダメ)
今回は、滑りますと念押ししているので、滑るんでしょうが、じゃあどうやってBR9000で滑らないようにしているかを再確認してからという感じです。プレートの噛みこみを強くするとか、挟み込みの面積を増やすしか方法が無いですが。
ポリマーコートそのままでは確かに滑るのはよくわかるので、コートをペーパー掛けすればイケるのか、そうではないのか。現物が流通してから試してみるしかないですね~(とはいえ、現時点ではメーカー非推奨なのでダメということです)
このあたりは国内流通が大きく動き出してからになります。しばらくお時間下さいませ。
まれに御相談頂くことがあるのですが、通販などの他店様で御購入になられたコンポーネントを含むお持ち込み部品に関してましては、弊社通常作業とは同じ扱いでは作業できません。(お持ち込み乗せ換え工賃¥31500~ 無保証 初期のび修正作業のみ無料 以後の点検調整は都度実費となります。あらかじめご理解ください。) これはお持ち込みになられて、作業をご依頼頂く場合、全てにおいて同様です。弊社では基本的に通常工賃の倍、無保証とさせて頂いております。また商品の安全性や作業の確実性が我々で確認出来ない場合には作業をお受けすることが出来ません。合わせてご理解下さいますようお願い申しあげます。