女性道(女は花であれ) -24ページ目
コイバナ
恋花
「又聞きの幸せ」
私は彼にとても大切に
されていることを
改めて感じ
心から嬉しく思いました
この恋を
大切に大事に
育んで行きたいと
心から
そう思いました
彼が入隊した後も
当然サークル活動はあり
私は教育実習の準備や
卒業研究のテーマの
情報収集などでも
多忙ではありましたが
可能な限り活動に参加して
いました
そんなある日
サークル活動で
児童公園の草抜きを
していると
幼なじみのRくんが
草抜きをしながら
「Mが居ないと寂しいね、
でもアイツは男気あるし
頑張っているはずよ」と
言いました
私は
「うん!私もそう思う」
と言いました
するとRくんは
「俺さ、もうずっと前から
Mが京子ちゃんを好きだった
こと知ってたよ」
そして続けて
「Mが京子ちゃんのこと
好きになった理由聞いた?」
私は
「何も聞いていない。
だから本当に私でいいのか
信じていなかったの」
と言うと
Rくんは笑って
「そうよね!でも
アイツらしいって思う。
Mが言わないのなら
俺も言わない、と
思ったら大間違いよ!」
と言ってまた笑うRくん
そして
「その前に、京子ちゃん
知りたい?」
私「うん、できたら
知りたい」
Rくんは
「じゃあ教えてあげよう、
知っていると思うけど
Mはね、モテる。
黙っていても女の子が
集まってくるんよ、
悔しいくらいに。笑
アピールして来る子ばかり
見て来たし
付き合った子も2、3人
いたようやし。
あ、これはさ、もう
知らなくてもいいよね。
京子ちゃん覚えてるかな?
俺の大学の1年の時の学際に
サークルの皆んなで
来たこと」
私「うん、覚えてる
Rくんたちの
バンドを皆んなで見に
行ったこと」
Rくん「その時にね
京子ちゃんと俺が話している
横にいたのがMでさ、
覚えてる?」
私「そうだったの?
全然覚えてない」
Rくん「だね。Mのこと
全然見てなかった
感じがした」
と言って笑うRくん
「その後でMが俺に
京子ちゃんのこと
サークルの人ですよね
って聞くから
そうよ、って言ったら
あの人の作る麦茶
美味しいですよね!
って言うんよね。」
私「麦茶…?」
Rくん「そう麦茶。
Mはね、バンドの練習に
高校生の時からサークルに
来ていたから
サークルで出される麦茶を
飲んでいたんよね。
Mが言うには
サークルに行くと
いつも公民館の台所で
ものすごく大きなヤカンで
麦茶を作って
その大きなヤカンを井戸水で
冷やしているんですよ
いつも一人で。
って言うから
正直、俺知らなかったよ」
私「いつ見られていたのか
全然わからない…」
Rくん「そうよね、
でも1度だけMがヤカンを
持ってくれたんじゃない?」
私「そうかも知れない
でも、ほとんどリーダーが
持ってくださるから
覚えていなくて。」
Rくん「あはは、
M、かわいそうやん!
でも、なんかそれが
きっかけだったみたいよ。
Mが京子ちゃんを意識
し始めたの。
それから、こうも言ってた
皆んなが見ていない所で
皆んなのために麦茶を
作ったり
沢山の湯呑みを洗ったり
しているのに
なんかバタバタしていなくて
いつも
ほわんとしている所が
いいですよねって。
俺、感心したよ。
そこまでよく見てたなって
でもね
ここまでMが本気で
京子ちゃんを好きになるって
思わなかったよ。
なんせモテる男よ、Mは。
俺、しつこい?笑」
「大事にしたい人って
言ってた。
だからさ…
京子ちゃん頼むね、
あいつのこと。」
そう言うとRくんは
抜いた草を入れた袋を
かかえて
「じゃあね」と言って
行きました。
麦茶、大きなヤカン…
私は可笑しくて
ひとりで笑って
しまいました
「本当に私でいいの?」
「京子ちゃんが好きです!」
どこで
誰が
見ているのか
分からないものですね
私は
大きなヤカンで
麦茶を作って
良かったなって
思いました
でも…私って
ほわん、としているのかな
それは
自分では分からないこと
でしたが
彼、本人から聞くよりも
Rくんからの
「又聞き」が
すごくすごく
嬉しかったのでした
つづく
・**・*・*・*・**・
ステキな人は
たくさんいるのに
私のこと
見ていてくれて
ありがとう
(//∇//)
女は花であれ
賢く優しい花となれ
**+.° ♡ °.+**
恋は一瞬
愛は一生
コイバナ
恋花
「大人の恋…」
大切な
あの人に会える
私はその日を
心待ちに指折り数えるように
過ごしていました
その気持ちは
彼と出会えた夏の日の
大雨というハプニングから
9ヵ月という月日の中で
大切に育まれたと
感じています
彼は自分の歩き始めた道を
途中で諦め
ご両親を助ける道を
選びました
私は、そんな彼を
心から尊敬しました
**
恋花によく登場してくれる
私の友だちは
M美ちゃんと言います
(今年で親友歴満47年💐)
いくつになっても私は彼女に
羽田空港でも
「M美ちゃん!」と手を振り
私を迎えに来ている彼女に
そう呼びます
彼女は
「京子ちゃん小さいから
分かんなかったわ!」
そう言って元気に笑います
毎年
東京と博多で会えたのに
コロナ禍になってからは
2年も会っていません
M美ちゃんも私も
基本的には真面目です笑
不要不急では
県を跨ぎません
合言葉は
「愛と光と忍耐」
✨(=´∀`)人(´∀`=)✨
その親友のM美ちゃんは
妹と弟がいる長女
皆様、恋花で感じて
いらっしゃる通りの
明るくて面倒見が良くて
お友だちや知り合いが
いっぱいいる
誰からも好かれる
とってもステキ女子です
だから彼女には
スマホがない時代でも
いつも
たくさんの情報が入って
来るのですが
そんなある日のこと…
友だち4人でいつもの学食
「ね、知ってる?
ブルーさんのこと」と
M美ちゃんが小さな声で
言いました
ブルーさん…
M美ちゃんの下宿から帰る時
隣りの白いアパートの
階段の下で泣いている
女の人を残して
急ぎ足で行くブルーさん…
心の中で思い出していました
するとM美ちゃんは
「ブルーさんは
2年も同棲していた彼女を
振って新しい人と
また同棲しているらしい」と
言いました
すると一緒にいた
もう1人の友だちが
「あの爽やかなイメージとは
随分と違うんだね」と
言いました
現代では同棲をしてから
結婚をする人たちも多いと
聞きますが
私の青春時代である
半世紀前は
同棲する事については
まだ暗いイメージがあって
公にできるような事では
ありませんでした
すると別の友だちが
「大人の恋をしてるのよ」
と言いました
私は大人の恋って
何だろうと思いました
大人の恋は
破局前提なのだろうか…
恋する人への
思いやりや慈しみは…?
するとまた別の友だちが
「大人の恋なんて言い方
聞こえを良くしているだけ
自分の都合の良いように
したい人たちの
逃げ道なのよ」
あの頃も女子トークは
活発でございました笑
学食のカレーを
食べながらの話題は
しゃれではありませんが
辛口トークとなり
私は帰りの電車に乗って
窓の外を眺めながら
いろんなことを思い
私は彼にとても大切に
されていることを
改めて感じ
心から嬉しく思いました
この恋を
大切に大事に
育んで行きたい
心から
そう思いました
つづく
・**・*・*・*・**・
恋から愛へと
育まれる時
思いやり
という美しいものが
生まれるのかも
知れないね
女は花であれ
賢く優しい花となれ
**+.° ♡ °.+**
恋は一瞬
愛は一生
コイバナ
恋花
「祖母の愛の言葉」
こうして
私たちの遠距離恋愛は
友だちも呆れるほど
紙と電波を通して
続くのでした
彼からの手紙には
時々写真も添えられていて
訓練の様子や
新しく出来た友だちとの
写真や
そして正式な正装の姿の
写真もありました
正装で敬礼をしている姿
とても凛々しくて
なんて
ご立派なのでしょうと
心から思いました
ふと、父方の祖母を
思い出しました
祖母は17歳の時に
お見合いで祖父の元に嫁ぎ
五人の子を産みました
祖母の時代はお見合いと
言っても
嫁ぐことは既に親によって
決められていることが
殆どだったと言います
祖母の気持ちというのは
無いに等しく
そしてまたそれが当然だと
思っていたとも
祖母は言いました
現代ではとても考えられない
ことですけれど。
祖母は祖父に
敬語を使っていました
例えば
「ご飯、
おかわりいかがでしょうか
お味噌汁を温め直して
まいりましょうか」
また
「雨が降りそうですから
傘を用意しておりますので
お持ちください」など。
幼い私の耳にも
祖母の言葉は
いつも柔らかく優しく
とても丁寧に聞こえて
いました
祖父は無口でしたが
威張った感じでなく
祖母にはよく
「ありがとう」と
言っていました
大きくなって
祖母が祖父に話していた
その言葉は敬語だと
知りました
私にとって
敬語は堅苦しいものとして
ではなく
「祖母の愛の言葉」であり
大切な人への言葉だったと
心から感じることが
出来たように思います
私もいつか彼に
愛の言葉を家庭で使う日
が来るのかな
…と思うように
なっていました
それから
数ヶ月後のこと
毎日の夜8時05分の
電話のベルがいつものように
鳴りました
電話を取ったらすぐに
「外出許可が出たから
会いに行くから!」と
大きな声でした
いきなりだったので
何と言ったのか思い出せ
ませんけれど
とにかくとても嬉しかった
ことだけはよく覚えて
います
そして
あっという間に3分が経ち
ました
電話は夜8時になると
公衆電話に走って行くのだと
手紙に書いてありました
公衆電話には
すぐに人が並ぶので
急がないと遅くなって
しまうからと。
私が
「お電話、毎日でなくても
いいのに…」と言うと
彼は
「京子ちゃんの声を聞くと
また明日も頑張れるから
だから毎日かけたい」と
そう言ってくれました
あの人に会える
大切な
あの人に会える
まだ先なのに
嬉しくて
とてもとても心待ちにする
私でした
つづく
・**・*・*・*・**・
あの人を
思い浮かべるだけで
頬が染まるね…♡°
女は花であれ
賢く優しい花となれ
**+.° ♡ °.+**
恋は一瞬
愛は一生

