女性道(女は花であれ) -22ページ目
コイバナ
恋花
「外された見えない指輪」
人目を憚らず
初めて抱きしめて
くれたのは
ライブハウスの
ステージの上でした…
私は胸がドキドキして
息もできないくらいに…
まさか
数年後にその場所で…
その時は
想像だにしていません
でした
遠距離恋愛は
彼と私にとても良い
距離と時間を
与えてくれたと思います
彼は両親の為にも
自分の為にも
多くの国民の皆様の為にも
そして
私の為にも
懸命に頑張って
いました
彼の頑張りを感じながら
私も勉強をし可能な限りの
資格を取り
自立に向けて一歩一歩
しっかりと前に向かって
進む事が出来ました
お互いに励まし合いながら
相手を思う気持ちを
より深めながら。
手紙は1年で
お互いに100通ほどになり
その中には詩と楽譜も
入っていました
時にはテープが入っていて
彼が作った歌があり
歌う前に私に話しかけて
どんな時に作ったのかなど
教えてくれた
とても素敵な贈り物を
くれました
私は歌でのお返しが
もちろん出来ませんので
彼が作ってくれた詩を
イラストにして
イメージに合わせた
カラーインクを使って
書き入れたりして
贈りました
会える時間は
もちろん
嬉しく幸せでしたが
会えない時間も
とても
嬉しく幸せでした
お互いの気持ちを
大切に育み続けながら
時は瞬く間に流れて
手紙が300通を越える頃
私の22才の誕生日に
彼は優しく私の左手を
取ると
薬指から
見えない指輪を外す仕草を
しました
外された
見えない指輪は
彼の左胸のポケットに
入れられて…
すると
それは姿を現し
再び私の左手の薬指に
差し換えられました
♡♡*.°💍°.*♡♡
そして
愛しています
結婚して下さい
と言ってくれました
つづく
**・*・*・*・*・**
あなたに頂いた
白い水中花のように
私の薬指で
透明に輝いていた
見えない指輪が
愛という言葉と共に
その姿を現しました
♡
私は
あなたの色に
染まりたい
女は花であれ
賢く優しい花となれ
**+.° ♡ °.+**
恋は一瞬
愛は一生
コイバナ
恋花
「誕生日の流れ星」
もしも…
私に家庭をつくる事を
与えて頂けるのなら
M美ちゃんの家族のように
あたたかい家庭を
築いて行きたいと
心から
思いました
彼と出会って1年に
なりました
お付き合いが始まって
11ヶ月
遠距離恋愛となって5ヶ月
彼から届いた手紙が
40通ほどになっていました
サークル活動の皆んなで
キャンプをして
流れ星を観たあの日
数え切れないほどの
美しい流れ星の後に
突然の大雨が降り
彼の物とも知らずに借りた
タータンチェックのシャツ
そのシャツが
彼と私を繋いでくれた
ように思っていましたが
彼によると
「あの日は自分の誕生日で
流れ星に同じ願いを
かけ続けたから
流れ星が叶えてくれた」と
言うのです
私は同じ願いって
何か知りたくて聞きましたら
彼は
「早く言わないと
いけないから
京子ちゃん!話す!
京子ちゃん!話す!
京子ちゃん!話す!
これだけ、流れ星が流れて
いようがいまいが
もうずっと言ってた」と
笑いました
私は驚きました
そして
そんなに言ってたら
誰かに聞かれてしまった
のではないかと
聞きましたら
彼は「うん。隣りに
R先輩がいて
ずっと笑ってて
そして
お前、いいかげんにしろ!
って言われた」と
笑いながら言いました
彼は自分の大切な誕生日に
そんな願いをかけていたなんて
もったいないなぁと
思いました
でも、すぐに
その思いは消えて
ありがとう良かった!と
思いました。
よく考えてみると
お付き合いをしてから
彼の誕生日のお祝いまで
11ヵ月も月日が流れた
ことになるのでした
*
彼は
2泊3日の外泊許可が出て
入院しているお父さんの
病院に行った後
久しぶりの里帰りを
しました
そして翌日が
お付き合いを始めて
初めて二人で祝う
彼のお誕生日
まずは
彼の好きなフォーク喫茶
「照和」に行きました
夕方からは
中洲のライブハウスに行き
サプライズで
バンドのメンバーに
集まって頂きました
彼はとっても驚いて
何度もありがとうと言って
喜んでくれました
Rくんは
「俺ら、出演料高いとぞ!」
と言って笑いました
久しぶりのバンド仲間と
久しぶりのギターを
抱えて
音合わせをしながら
見合わせる顔が
とても嬉しそうでした
ライブが終わり
彼は「京子ちゃん、
最高の誕生日だった!
本当にありがとう!」と
言ってくれました。
私は「とても大切な
お誕生日の流れ星に
願いをかけ続けて下さった
御礼です」と
言いました。
すると彼は
人目をはばからずに
いきなり
私を抱きしめました
一瞬、静かになって…
後ろからRくんが
「おい、やめれー!
そんなことは
今するなー!」と言い
皆んなの笑い声が
聞こえる中
私は真っ赤になって
しまいました
初めて
抱きしめてくれたのに
それが皆んなの前でした
でも
そんなあなたが
大好きです
つづく
**・*・*・*・*・**
あのね
胸がドキドキしたの
♡♡♡°♡♡。
女は花であれ
賢く優しい花となれ
**+.° ♡ °.+**
恋は一瞬
愛は一生
コイバナ
恋花
「友だちの憧れ」
泊まりで遊びに行った
M美ちゃんの実家は
お元気なおばあちゃん
少し無口で優しいお父さん
よく笑いよく動くお母さん
2つ下の可愛い妹
まだ小学生の元気な弟
おばあちゃんを先頭に
家族みんなが
何気ない思いやりと
優しさを出し合う
時々ケンカもあるけれど
とてもあったかい家庭
でした
M美ちゃんは
「いっつも喧嘩ばっかりよ」
と言って笑ったけど
喧嘩になるから良いなと
思いました
私の両親は長い間
もう喧嘩にもならなかった
相手の姿は
もはや瞳の中に映らず
相手の声が
すでに耳の中にも入らず
ここに居るのに
居ない者となっていた事が
幼い私でさえも感じて
いたのですから。
私はM美ちゃんに
「M美ちゃんの家庭こそが
私の憧れなの」
と言うと
M美ちゃんは
「私は京子ちゃんを
とっても羨ましいと
思っていたんだよね」と
言いました
その言葉は
私には不思議でした。
M美ちゃんは
「初めて京子ちゃんの家に
遊びに行った時さ、
私ね、生まれて初めて
シャンデリアが玄関や
部屋中に付いているの
見たんだよ。
おトイレまでさ!
私、言ったでしょ、
京子ちゃんちすごいねって
それにさ
京子ちゃんの部屋にも
シャンデリアがあって
大きな暖炉や
お姫様みたいなベッドが
あってさ感動したよ。
うちなんか暖炉じゃなくて
火鉢だよ、
まあせいぜい
掘りごたつだし。
子ども部屋なんて
シャンデリアじゃなくて
はだか電球よ、
私、思ったんだ、
世の中には
こんな綺麗な生活を
している人が
いるんだなあって」
M美ちゃんは
そう、一気にしゃべると
「でも…みんな
無い物ねだりなんだね」と
言いました。
そしてM美ちゃんは続けて
「私がね小学生の頃
お父さん重い病気しててさ
私、小学校から帰ると
ばあちゃんと道端で野菜を
売ってたんだよ。
残った野菜はその日の
夕ごはんになるの。
野菜が一杯余ると
毎日野菜ばっかりだよ。
私さ、必死で売ったよ。
お肉なんて
1週間に1回あるかないかよ
妹とさ、お肉の大きさで
ほんと、喧嘩してたよ。
なんでうちには
お金がないんだろう?って
お金持ちになりたいって
いっつも思ってたもん。」
そう言って笑うと
「でもね、
京子に出会って
私とは違う世界があって
幸せって難しいなあって
思うようになったの。
たとえお金があっても
立派な家に住んでても
幸せじゃないって
感じている人がいるんだ
もん…」
M美ちゃんは
寝転がって天井を見ながら
「でもね、やっぱり私は
京子に憧れてる。
お金持ちとかそんな事じゃ
なくてね。
なんかね、私とは違う感覚、
すごく憧れるんだよ
言葉でうまく表現できない
けど、ほんとよ」
M美ちゃんは
そう言うと笑った。
すると弟のRくんが
「ねえちゃん!もうすぐ
8時だよ全員集合が
始まるよ!」
と楽しげに教えに来てくれた
のでした
私はそう言ってくれる
友だちの憧れを
壊さないようにしたいと
思いました
そして
私にも家庭をつくれるのなら
M美ちゃんの家族のような
あったかい家庭を
築いて行きたい。
心から
そう思いました
つづく
**・*・*・*・*・**
似ているようで
みんな違う
意見が合わなくてもいい
なぜ合わないのかよりも
どうすれば
合わせられるかを
考えた方が
とっても楽しいわね**。
女は花であれ
賢く優しい花となれ
**+.° ♡ °.+**
恋は一瞬
愛は一生

