「天は我々を見放した・・」映画八甲田山の有名なせりふ。雪に帰り道を閉ざされ、路頭に迷っていたが、下のほうで不安におびえながら助けを待っている幸治の事を思い、無理やり引き返してやる事にした。しかし山を下るにも決死の覚悟がいる・・道は狭いし、道路は凍結しているし、タイヤはノーマルだし・・かなりのリスクを覚悟で

Uターンを決行する事10分・・「今からお前を助けに行く!・・車はそこに捨てろ!」と幸治に電話し山を下り始めた・・結構な台数がスタックし、対向車に気を使いながらやっと幸治の車が見えてきた・・横で止まろうとしたが、後ろからも車が来ているし、止まればスタックしそうな場所だったので、もう少し走って止まることに・・・って止まれそうな場所がない・・幸治の停車場所から3kmくらい下りた所でやっとスペースがあり幸治に電話「待っているから歩いて下まで来なさい!」っていって待つ事10分雪男みたいになってやっと幸治が到着!九死に一生を得た気分だったのだろう。

嬉しそうに横に乗ってきた。慎重に山を下りやっとの思いで米子市内にたどり着きホテルを探し東横インに泊まることになった。「晩飯を食べましょう!何でもいいですよ!」って現金な奴だ。意地悪で高そうな焼肉屋に入ってやった。米子駅の近くにある「カムサ」っていう焼肉屋・・「創作料理と普通の焼肉がありますがどちらにしますか?」って店員さんが聞いた瞬間に「普通の焼肉!」って幸治が即答する・・・・で注文したのが・・


キムチとチャンジャ・・・でも結構うまい!「俺は肉が食いたい!」って幸治に言うと

次に頼んだのが・・


ミノとホルモン・・あとおねだりしたねぎ塩タン・・・・

最悪の状況から脱出できたにもかかわらず、何故かケチな幸治



色々話をしているうちに、まぁこんな旅もいいかって思いビールをたらふく飲んでやったのはいうまでもない。そんなこんなで一夜を明かし次の日の朝、放置車両を取りに行く事に・・そこに見た景色は九州では見たことのない神秘的な風景だった。


一夜にして風景が全然ちがっているし、九州では見たことのない雪の多さに目を疑った・・まして九州の雪に比べて何故か雪が光っている、キラキラと・・年がいもなく感動してしまった。スタックしていた車を何とか雪の中から動かして山をおり、米子道に入り、俺は九州へ幸治は神戸へと向った。男二人、色気のない旅?だったが今迄見たこともない景色とか、こんな事がなかったら、行く事がなかったであろう米子に行けたことは、壊れた車に感謝である。1人で700km弱の行程を色々見ながら走っていると、とんでもない事が起きた・・・中国道を走っている時、野性の猿が・・・目の前を横断してきやがった・・・とんでもない高速道路だ!この中国道もまた雪が残ていた


走り続ける事5時間・・やっと山口に入り気になっていた宇宙基地?を横目に見ながら山口出身の松永先生に電話する「あのパラボラアンテナはなんですか?」



KDDか何かの衛星通信の受信基地らしい、松永先生が小学生の頃からあるらしい
。昔から気になっていたことが一つ解決した。そして九州へ入る前に、遅い昼食、あご天うどんを食べて、関門海峡をじっくり眺めて、無事九州へとたどり着いた。




男二人、色気のない旅だったが、何となく心に残る旅だった。
このあと、幸治にはもう一つ悲惨な結果が待っている事を彼は未だ知るよしもなかった・・修理代・・・高いのに・・・終わり。