Headquarters Super Deluxe Edition liner notes (2022)

The Monkees' Musical Honeymoon: The Making Of Headquarters

by Andrew Sandoval
 

モンキーズが自分たちで作った曲を使う必要があるという理由を徹底的につぶす為、カーシュナーはジェフ・バリーをRCAに呼び戻して、1月26日にモンキーズ用の5曲を追加で録音させた。こうして、カーシュナーはグループがやっと手にした活動を始める前にアルバム1枚以上の曲から選べる状態になった。この1967年初期の作品同様、その結果は単なる詰め物に過ぎず、ますます洗練されていくポップスの世界から生まれたものとしては驚くほど時代遅れだった。

 

"Poor Little me"(ジェフ・バリーとアンディー・キムによるカントリー&ウエスタン風の曲)、ニール・ダイアモンドの "Black And Blue"、ジョーイ・レヴァインとの共作 "Eve Of My Sorrow"、アンディー・キムとリーバー&ストーラーの作品 "The Love You Got Inside" は滞りなく、カーシュナーによる3枚目のアルバム用ストックに収蔵された。結局、この中途半端な曲の中で完成したのは最も出来の悪い "If I Learned To Play The Violin"(モンキーズの録音作品の中でも最悪の部類にあたる)1曲だけだった。バリーの未完成の他の4曲は今回初お目見えとなる。

 

カーシュナーとモンキーズは1ヶ月の間に扇情的なやり取りを交わした後、1月27日に破滅的な会談でついに激突した。「私はあの子たちに一人25万ドルずつ渡す為にビバリーヒルズ・ホテルに飛んで行ったんだ」、2006年のカーシュナーは鮮明に覚えていた。「我々はお祝いするもんだと思っていた」。しかし、モンキーズがグループの目標を語り始めると、この夜の祝福ムードはつかの間に終わった。