Los Angeles Times (Mar. 23, 2013)
Michael Nesmith talks about his solo tour and inspirations
by Randy Lewis
かつて「最も賢いモンキー」と呼ばれた歌手であり、シンガーソングライター兼ギタリストであるマイケル・ネスミスは現在、20年以上振りとなる米国ソロ・ツアーに乗り出したところだ。
ネスミスは1966年に「ザ・モンキーズ」が放送され、一躍有名になった。つい最近ツアーのためにバンドと再結成したばかりだが、今度は彼がソロでツアーに出る番である。70才のアーチストとそのバック・バンドが焦点を合わせるのは、カントリー、フォーク、ロックなど、彼がモンキーズを辞めた後70年代に製作した膨大な音楽の宝庫だ。
ネスミスは3月24日、アゴウラヒルズのキャニオン・クラブでツアー初日を迎える。LAエリアの公演ではゲスト・ギタリストのジョン・ジョーゲンソンが1曲演奏する予定である。
このツアーで心掛けている事は何ですか？
昨年のピーターとミッキーと行ったモンキーズの再結成ツアーを考慮すると、あなたのソロの興味とのバランスはどう見ていますか？両方の強みを取り入れているという感覚はありますか？
全てが可能だという大いなる感覚を僕に与えてくれる。僕はモンキーズの演奏を楽しんでいるからね。すごく良い時間だが、これは全くの別物なんだ。モンキーズでは、僕はバスに乗っているだけだが、自分のショーでは、僕は想像の煌めきであり、その中心だ。
最新アルバムは７年前の "Rays" になりますが、新曲の見通しはどうですか？
実の処、少しずつレコーディングしているんだ。出来上がった新曲が４曲ある。全体ではもっとあって。このバンドは今まで僕が一緒にやった中で最も良いバンドの一つだから、最新作のレコーディングを待ったかいがあったよ。彼らとスタジオ入りするのが待ちきれないんだ。
音楽に加えて、あなたは何作か小説も書き、先進的なミュージック・ビデオを作り、映画もプロデュースしてきました。このタイミングでコンサート活動に戻ってきたのはどうしてですか？
音楽を生で演奏する事ほど素晴らしいものはない。良くても悪くてもそうだが、良い時はこの上なく素晴らしい。曲は僕の頭の中にある映画の設定のように組み立てられているから、アレンジはきっちりしている。このバンドと演奏する事は僕の音楽人生の中でも最高の経験の一つだ。生演奏には常にその場に身を置く集中力が必要だ、「今この時だけ」、そして全ての曲に集中力を保つ必要がある。
コール・ポーター。美しいメロディーと心を打つ、誠実で素晴らしい歌詞の表現。「振り返るとあなたの素敵な顔が見える」（訳注："I get a Kick Out of You" の歌詞）は僕にとって永遠の試金石だ。ジョニー・マーサーも同じ理由だ、歌詞の名手で、深い感情と意図がある。"Accentuate The Positive" とか。マンシーニの「酒とバラの日々」。モリコーネとフェリーニの「8 1/2」。ニーノ・ロータが「フェリーニのアマルコルド」に書いた曲には心を打たれた。トリュフォーの映画、特に「アメリカの夜」。ウィンストン・チャーチルの戦争に関する演説と詩。それからボー・ディドリー、僕にとって全てロックは彼から始まり、彼で終わる。
息を飲むような演奏を最後に見たのはいつですか？
60年代のジェリー・リー・ルイス。パル（ノース・ハリウッドのパロミノ・クラブ）で彼を見たんだ、前にも後にもあんなものは見た事がない。もちろん、ヘンドリックスや60年代、70年代のすごいバンドはみんな見てきたし、どれも大好きだ。彼らが登場する時代によって演奏の基準はまったく異なる。つい最近はレオン・ラッセルとエルトン・ジョンが一緒にやっていたツアーを見てきた。見過ごせないし、歴史的だが、評価が低すぎる。
刺激？う～ん、刺激とは違うかもしれないけどマムフォード＆サンズとブルーノ・マーズは楽しんでるよ。
"Thanx for the Ride" という曲の中で、長年の相棒だった故O.J.レッド・ローズが演奏するスティール・ギターの録音パートを使っていますが、そこにいない人と一緒に演奏するのはどんな気分ですか？
今は目に見えない知り合いも沢山いるからね、僕は手を振ってあげる事しかできないけど。レッドのソロが始まると、歌を終わらせるのが難しいんだ。（昨年の秋）グラスゴーで初めてやったんだけど、最後の歌詞で言葉が詰まってしまって。歌い終える事ができなかった。
