Monkees Monthly #6 (Jul. 1967)

Micky Talking

 

恐らく、おどけ者のモンキーことミッキー・ドレンツについては何百万もの言葉で語られてきた事でしょう。世界的に有名なグループの4分の一として、彼はスポットライトを浴びています。けれど最近、彼とおしゃべりをしていた時、彼は自身のキャリアに関わる重要な人たちの話に多くの時間を割いていました。興味深い名前もいくつか上っていました、、、。

 
もちろん、彼のお父さん、ジョージ・ドレンツの話をしてくれる事を期待していました。もう亡くなっていますが、著名な俳優です。ミッキーの言葉「父は撮影所でも人気者で、ほとんどの人は『モンテ・クリスト伯』で覚えてるみたいだね。父を通して、僕はショー・ビジネスの雰囲気の中で育ったようなものなんだ。子供の頃『サーカス・ボーイ』で入った時、僕は幼すぎて、それが何なのか分からなかった。でも、今は若者が大失敗して仕事も何もできずに人生を見失うのを沢山見てきた」。
 
「僕は家族というものを信じているし、パパは出来る限りの時間を僕たち、僕と妹たちと過ごしてくれた。だけど、父が僕にしてくれた最大の事は、何事も永遠には続かないと教えてくれた事だ。それと、父は僕にロサンゼルス職業技術大学に行くように勧めてくれた。専門的な技術をみにつけるようにって、建築製図とか機械工学とか。その頃はそういう仕事に魅力を感じたとは言えないけど、今なら父が正しかったと分かる。もしまた芝居ができなかったとしても、まあ、僕にはできる仕事があるからね」。
 

もう一人、ミッキーにとって重要な人物はコメディアンのジェリー・ルイスです。仲が良いとかそういう訳ではありませんが、ミッキーがコメディアンに求める全てを兼ね備えているのがジェリーなのです。「とにかく彼は完璧なエンターテイナーなんだ、観客を惹きつけて、決して止まる事がなく、休む事もなく、まかせとけと言う。それが僕のやるべき事だ」。

 

ミッキーはルイスの映画を書かさず見ています。そして、私にこう言いました。「僕にはコメディーの才能があると思いたいんだ、もしその方向で進むとしても、ジェリー・ルイスはいつまでも僕の憧れだと思う。彼は予測不可能で、それこそがコメディーの全てなんだ」。
 
ミセス・バークレー
それから、ミセス・リリアン・バークレーという女性がいます。ミッキーが「サーカス・ボーイ」だったり、普通の生徒だったりした時期にスタジオで教師をしていました。ミッキー「先生と生徒というよりは、仲間みたいな感じだったよ。僕は今でも時々はちょっと落ち込んだりするような男で、ショー・ビジネスはもういいかなと思った時もあったんだ。仕事はないし、飽きちゃったし。機械いじりや車のレースに熱中して、地元のガソリンスタンドで金属溶接を習ったりもした。家にレコーディング・スタジオを作った時はそれが役に立ったけどね。でも、その頃はこのまま行けば、それが唯一の収入源になるかもしれないと思っていたんだ」。
 
「そんな時、本当に偶然ミセス・バークレーに出くわしたんだ。そうしたら彼女にもう一度ロサンゼルスのスタジオを回って本気で挑戦しなさいって言われた。僕が落ち込むのは間違ってる、僕の大好きなジェームズ・キャグニーみたいな大スターでも最初の頃は辛い時期があったんだからって。僕は確かに一番じゃないけど、俳優としてやっていけるとも言ってくれたし、もっと大切な事も言ってくれた。もし僕が本気で挑戦する事もせずにハリウッドから逃げ出してドレンツの血筋に逆らうような事をしたら、きっと自分で自分が許せなくなるだろうって」。
 
「それで、彼女のアドバイス通り、その夏の間スタジオをあちこち回った。夜には地元のクラブでライブをやって、何曲か歌ったりもした。どこにでも自分のギターを持って行ったんだ。少なくとも僕自身は楽しめたし、色々な人と出会えた。まあ、手短に言うと、それからそんなに時間を置かずにモンキーズと関わる事になるんだけどね」。
 
「彼女に会わなければ、ショービジネスを辞めていたはずだとか言うつもりじゃないよ。ただ、ミセス・バークレーが背中を押してくれた事は間違いない。僕なんかにかまけてる暇はなかったのに、彼女はそうしてくれた。だから、彼女は僕の仕事を後押ししてくれた、本当に数少ない人たちの内の一人だって言えるんだ」。
 
それから、当然ですが、ミッキーのママも!
 
「彼女はとてもいい歌手だった事もあるんだ、プロとしては続けなかったけどね。僕たち子供の世話で手一杯だったんだ、パパは仕事でいない事が多かったから。父が亡くなった時、母はハリウッドには悲しい思い出が多すぎると言って、北部へ引っ越した。母はいつも僕に優しくて、僕の好きなようにさせてくれたし、どんなイタズラも見逃してくれた。そして、今でも何かあった時には手を差し伸べてくれるんだ」。