会場は、朝早くからのイベントにも関わらず今もなお凄まじい盛り上がりをみせていた。

そんな歓声が飛び交う中2人のダンサーが最終ステージへと向かっていた。

わーっ!わーっ!(飛び交う歓声)

コツ コツ コツ コツ、、、(2人の足音)

1人は頭の中にはBEATSのヘッドホンから放たれた熱いMUSICと「VICTRY」の一文字。

もう1人の頭の中にはマドゥーの口から放たれた熱い雑学と心から漏れる「ぇー。」の一言。

両者、舞台の袖で出番を待つ。


、、、。


2人の間に言葉は無かった。

そして決勝カードのコール!

ステージへ向かう。

SLIMの後ろには、揺るぎない「VICTRY」の一文字。

俺の後ろには、揺るぎない絆の人たち。

負けてたまるか。

両者、各サイドにスタンバイ。

この時既に歓声は自分には聞こえていなかった。

歩み寄る2人。

、、、。
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、、、。
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挨拶はもちろん、シェイクハンドからのハグ。

目が合う2人。
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イケメ、、、
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イカン、イカン。

集中だ!

俺から行く。

ON YOUR MARK、、、

GET SET、、、
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いざっ。

DJ HIROKINGカマンッ!!!!

一曲目が始まる。

こ、この曲は、、、!?

お馴染みのBEATRONIC。

ほぅ、そういうことですか、、、

んなら行ったるわいっ!!

俺のスタイルで攻めるっ!

一発一発に魂込めて、一歩一歩で音踏みしめて!

テンションは最高潮!!!!

どうだっ!!

さー来いっSLIMっ!!!!

(MC YOU-GEEさん)チェーンジ!!

思いっきり来いやっ!!!

ん?

こ、これは!?

この緩やかな動きは!?


南斗水鳥拳のレ、レ、レ、、、

いや、SLIM BOOGIEだ。力みの無い踊り。それでいて音を表現する匠なセンス。敵ながら素晴らしい。

ラストポーズは俺に向かってドヤ顔。英語だとDOYA FACE。
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ふん!!そんな顔で見られても、、、

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イカン、イカン。

集中だ!!

(MC YOU-GEEさん)オーライッチェーンジ!!

よし2ムーブ目!!!

これで決める!!!

DJカマンッ♬

2曲目が流れる。

ん?なんだ?

この軽快でいて人をおちょくるような音は。

でもいいカマスッ!行くぞ!!

そーら、初めはゆっくり行くよー。

徐々に上げてー、曲の変わり目に合わせて次何か音くるよー。

はい!きたっ!

「ガオォー!!!!!」

ん?

今何か鳴いた?

いや、そう何度もくることはないはず。

さーこっからテンションが上がってきてぇ、、、

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、、、。


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んー、虎です。

くっそーっ動きばっか先にいって曲が捉えられない。

こっから立て直すぞ!

(MC YOU-GEEさん)チェーンジ!!

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そしてSLIM。
相変わらず自分のペースで踊る。耳がいいなぁ。そして身体がきくなぁ!!
イケメンだなー!うん、うまい!!

(MC YOU-GEE)オッケーィ、しゅーりょーーーっ!!!

終わった。

戦いは終わった、、、。

結果は自分が1番分かっている、、、

ジャッジ!!

SLIM BOOGIE!!!!!!!!!

わーっ!!!(歓声)

控室に引き返す。何も出来なかった。

すると、、、

たったったったっ(駆け寄る音)

そして

パチパチパチッ!(拍手の音)

「お疲れさん!」「格好良かったぞ!」

仲間だ。ウルティメイトクルーのみんなが来てくれた。

みんな、、、

泣きそうになった。

けど相方のマドゥーが沈みそうな場の雰囲気を笑かして明るくしてくれた。

本当にいい奴だな、、、



こうして長く険しいカイトロウの旅は終わった。

ただ彼のスタイル、「板付き」これには深い意味があった。

ただ板についていたのではない。やっている間に板について来たなんてことはない。

これには狙いがあった。

今から説明しよう、、、

ん?

あ、電車が来てしまった。

続きはシャワーを浴び、朝ごはんを食べてからだ。