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朝の6時。派手な音を立てて私の目覚まし時計がなった。
私と賢治は同時に時計の上に手を置いて、
「ん~、眠い~。」
と言いながら私は目覚まし時計をオフにした。あれだけの音を立てて目覚ましが鳴ったのに
賢治は時計を置いてあった場所に手を置いたまま起きようとしない
「け~んじ、朝だよ。」
「あと5分。」
「だめ。仕事に遅れるでしょ。」
そうすると賢治は仰向けになってから、
「大変だ、奈々子。助けてくれ。」
「何が?」
次の言葉にはさすがの私も呆れてしまった。
「背中に根が生えて起きれない。菜々子からのチューでこの魔法は解けるんだけど。」
私はベットサイドに立つと軽く賢治の頬にキスをした。
「はい。これで起きれるでしょ。私も忙しいんだから早く起きて。」
「うぉ~い。」
私は軽く朝食を作りテーブルに並べて賢治を呼んだ。
「ほら、仕事に遅れるよ。ちゃっちゃと食べちゃって。私、シャワー浴びたいんだから。」
『シャワーを浴びたい』
賢治はこの言葉に過剰反応し、
「それって俺も一緒に入ってもいい?」
「ダメ。」
「え~、いいじゃんか。」
「とにかくダメ。ホント早くご飯食べちゃって」
いつまでもグチグチ言ってる賢治をほっといて私は朝食を済ませると、
賢治が乱入して来ない様に鍵をして私一人だけでシャワーを浴びた。
ドライヤーで短い髪を乾かしていると、
「ひで~よな。洗面所にまで鍵をするなんて。」
「だって油断してたら入ってきそうだったんだもん。」
賢治の顔も見なく私は出社用に化粧をしながら答えた。
そう言えば賢治、いつここを出て仕事に行くんだろう。一緒に出たら万が一芸能記者が
まだいたりしたら何言われるかわかんない。