My Dear 1話から読む方はこちらから
会社に向かう途中でも賢治がイメージキャラクターをしてる
飲料水のポスターが貼られてる自販機を見かけた
なんだか、あまりにも最近賢治と身近になり過ぎて飲料水ポスターで笑っている
賢治が遠くに感じてしまった
そんな事を考えながら会社に到着すると来ているのはまだ少ない社員だけだった
9時になるとほぼ全員の社員が出社して来たけれど神木さんの姿はなかった
またずうずうしく社長出社でもするのだろうか
そこへ私専門の電話がデスクの上で鳴っていた
「はい。第一営業課 主任の橋本です。」
電話の主は神木さんだった。ガラガラに変わっている声で、
「すみません。インフルエンザになっちゃったんでぇ、しばらくお休みさせてもいいですかぁ?」
いつもの語尾を伸ばす喋り方に少しイラついたけどインフルエンザならしょうがない
「病院は?」
「今から行きますぅ。」
「わかったわ。完全に治してから出社する様に。」
「はぁい。じゃぁ失礼しますぅ。」
電話を切る際に彼女の咳の音が聞こえた
椅子に座り、メールチェックをしていると取引先の方からメールが届いていた
添付ファイル付きだったからちょっと心配だったけどこれからのスケジュールの件が
載っているらしい。
どうかウィルスに感染しませんようにと思いながらファイルを開くと
確かに今進行している仕事のスケジュールが画面に映られてた
今度の金曜日に食事会と称する接待があるらしい
私はこの手が苦手なんだけど行くしかない。きっと部長達にも同じ様なメールが届いている
のだろう。確認の為に上田課長の元へ行く。
「課長、今ちょっといいですか?」
「なんだい?」
上田課長はかっぷくの良い体と言ってしまえばそれだけだけど
十分、中年のおじさんの様な体型をしている
体型に似合わず声は高く最初に上田課長と話した時は意表をつかれるだろう
「神田物産から食事会のメールが来てるんですけど課長の所にも来てますか?」
「ん~?ちょっと待ってくれ。」
上田課長はパソコンに弱い。少し待たされたけど、
「あぁこれか。確かに僕のにも来てるよ。もちろん君も行くだろう?」
「やっぱり行った方がいいですか?」
「そりゃぁ女性がいると華があっていいだろう」
そう言う目で私の事を見られるからこういう接待は嫌いなんだ。でも遠回しの
上田課長からの指示ならしょうがない。
「わかりました。」
そういう訳で私は食事会と称した接待に行く事が決まってしまった